2011年2月27日 (日) 掲載

◎新生活商戦本格化

 進学や就職で春から新生活を迎える学生や社会人をターゲットにした商戦が、函館・近郊の家電量販店やデパートで本格化している。色や形がシンプルな家電の割安セット販売に加え、春を境に家具の衣替え≠考える市民の需要を見込む店舗もあり、各店とも商戦ピークの3月中旬を照準に独自色で誘客を図る。

 1月から新生活向けの製品を並べている家電量販店大手の「コジマNEW函館店」(亀田本町55)は、飽きのこないグレー色の電化製品全42種類を用意。特に需要の高い冷蔵庫と洗濯機のセットは、グレード別に3万5800円、6万9800円で提供。これにテレビや電子レンジを組み合わせたプランを勧めている。同店は「大変お買い得な内容で、2月に入ってから注文が増えてきた」とし、「商戦ピークは3月中旬」とみている。

 ホーマックスーパーデポ湯川店(戸倉町258)も、冷蔵庫と洗濯機を核に、炊飯器やオーブントースターなどを組み合わせる5点セットを実施。製品のグレード順に4万7800円、5万4800円、6万9800円と三段階を用意し需要を取り込む。緑やオレンジなどカラフルな弁当箱(980円)に加え、スポンジ台や水切り用具、流しのごみ袋の3点セット(980円)といった日用品も人気を集めている。

 若い単身者の購買を狙う店舗に対し、テーオーデパート(梁川町10)では、家具を買い替える40〜50代をターゲットにした売り場を展開。引き出し付きのシングルベッドを3万9800円から取りそろえるほか、年配者に人気の電動リクライニングベッドも10万円で用意している。同店は「シングルも電動式もここ数年人気上昇中で、3月はもっと忙しくなりそう」と話している。(長内 健)



◎まち歩きで観光振興を、講演会で桐野さん

 市民の観光客へのもてなしについて考える「観光ホスピタリティ講演会」が26日、函館市元町のカフェぺルラで開かれた。長崎のまち歩きイベント「長崎さるく博」の仕掛け人で、地域振興に取り組むNPO法人長崎コンプラドール理事長の桐野耕一さんがまち歩きを通じた観光振興について講演した。

 函館市や函館商工会議所などの主催。この日は市内・近郊をはじめ、首都圏や札幌在住の「はこだて検定」の合格者のほか、観光関連の市民団体の関係者ら100人以上が聴講した。  桐野さんは2006年に長崎市で延べ1000万人以上が参加したまち歩き博覧会「長崎さるく博」を成功させ、市民が携わるまちづくりの重要性を強調。「観光と市民生活を分離するのではなく、まちづくりの発想で市民がまちを知り、まちとの関わりや愛着を持つことが大切」と力説した。

 そのうえで「埋もれた資源を掘り起こし、建物だけなくそこにしかない人や物語など、まちの強みを生かすのがまち歩き」と提唱。長崎ではイベントを機に案内役のガイドが500人に上ることに触れ、「ガイドはそのまちの顔や印象になる。歴史家になる必要はなく、何かしたいという思いを形にして」と話し、統一したマニュアルづくりを勧めた。

 講演後には、道南でまち歩きや観光ボランティアに携わる3人のパネル討論も開かれ、函館のまち歩きについて意見を交わした。(森健太郎)



◎日ロ関係ゼミナール、北方領土返還への思い再認識

 北方領土復帰期成同盟渡島地方支部(村上幸輝支部長)主催の「日ロ関係ゼミナール」が26日、函館市国際交流プラザ(元町14)で開かれた。函館豆記者交歓会(若山直会長)で領土問題を取材した小中学生による体験発表などを通じて、参加した約70人が領土返還への思いを再確認した。

 メドベージェフ大統領ら、ロシアの高官が北方領土を相次いで訪問し、返還交渉が厳しい状態となっている事態を受け、地域住民に理解を深めてもらおうと開いた。村上支部長は「領土問題の進展はそれぞれの国に変動がある時に起きやすい。必ずその日が来ると信じて、運動に協力してほしい」と呼び掛けた。

 函館的場中1年の小林優希さんと、函館桔梗小5年の東山楓さんが、豆記者として根室や沖縄で領土問題を取材した体験を発表。小林さんは「納沙布岬から歯舞群島を見て、すぐ近くの領土に行けないことに複雑な気持ちがした」、東山さんも「道民一人一人が意識を持って、改めて考えていくべき問題」と話した。

 北方4島ビザなし交流に参加したロシア極東大生の成果報告も行われ、参加者はメモを取るなどして熱心に聞き入っていた。(千葉卓陽)


◎90歳の桜間さん、社交ダンスに励む

 函館市花園町の月山ダンススタジオ(月山隆晴代表)に90歳となった今も社交ダンスのレッスンに励む生徒がいる。桜間金二郎さん90歳。年齢を感じさせない凛としたステップが自慢だ。

 桜間さんは元高校教員。定年退職後も72歳まで臨時講師などを務めていた。77歳の時、函館市内の八幡町会館のダンスサークルに入会し、社交ダンスを始めた。84歳の時、同会館近くにスタジオを開設していた月山代表の躍りに魅かれ、見学したその日に入門した。

 レッスンは週2回で1回当たり40分。ほとんど休むことなく月山代表の指導を受ける。「社交ダンスをすると背筋が伸び姿勢が良くなる。もともと腸が弱かったけれどダンスを始めて調子が良くなった。健康の秘訣はありませんが、女性と躍ることで気持ちにも張りが出てきます」と語る。

 月山代表は「いつまでも向上心を持って取り組んでいる。桜間さんを見ると、人生の勝者は健康で長寿だということを実感する」と話す。

 桜間さんのパートナーを務めるアシスタント講師の道脇ときえさんは「桜間さんから元気をいただいている」とたたえる。

 毎月、日ごろのレッスンの成果を披露する、スタジオでの月例パーティーが何よりの楽しみ。「今が青春まっただ中。これからも元気で続けていきたい」と話している。(鈴木 潤)


◎市民文芸表彰式で賞状

 「第50回市民文芸」(函館市中央図書館主催)の入選、佳作者の表彰式が26日、同図書館視聴覚ホールで開かれた。受賞者36人(41作品)のうち25人が出席し、賞状を受け取っていた。

 「市民文芸」は、市の文化向上と文学のすそ野を広げることを目的に1961年から始まり、今年で50回目を迎えた。随筆や小説、俳句、川柳、短歌など7つの部門で作品を募り、小学校6年生から90歳まで137人から395点が寄せられた。受賞作品は「市民文芸第50集」に掲載されている。

 はじめに、各部門ごとに審査員が講評を行った。随筆では筆者である市民の人生が良く描かれ、市のあゆみの証言となっていることや、詩では人の心に残り、感動を与える作品が多かったことが紹介された。俳句では受賞作品について、さらに作句が上達するようなアドバイスも送られた。

 その後、市教委の妹尾正白生涯学習部長から一人一人に賞状が贈られた。(山崎純一)