2011年2月28日 (月) 掲載

◎新ミスはこだて3人決まる

 「第32回ミスはこだてコンテスト」(函館国際観光コンベンション協会主催)が27日、函館市のロワジールホテル函館で開かれた。いずれも函館市在住で、家庭教師の西野里沙さん(25)、無職の西谷依里子さん(25)、大学生の田口愛弥子さん(21)の3人が栄冠に輝いた。4月から来年3月末までの1年間、道内外の物産展などで函館の魅力をPRする観光大使として活躍する。

 当初の応募数が低調だったため、前回に引き続き応募期間を延長。20人から応募があり19人が審査に臨んだ。1次審査を経て、木村孝男会長ら審査員を前に30秒間の自己PRや洋服による2次審査を行い、第32代のミスはこだて3人が誕生した。発表後、第31代ミスの小池恵子さん(25)、小川舞子さん(22)、高橋千尋さん(27)が、新ミス3人にティアラとたすきを引き継いだ。

 新ミスに選ばれた西野さんは「選ばれたことにびっくりしている。3人一緒に函館の街の良いところを伝えていきたい」、西谷さんは「函館は多くの魅力を持っているので、函館に来てみたいと道内外の人に思ってもらえるよう頑張りたい」、田口さんは「港町など函館の魅力や特色を全国にPRしていきたい」とそれぞれ目を輝かせながら抱負を語っていた。(黒田 寛)



◎変わらぬ伝統の味、ガラナの小原80年

 すっきりした風味とさわやかな後味で親しまれる炭酸飲料「コアップガラナ」を製造する函館市亀田港町の「小原」(小原光一社長)が、7月で創業80周年を迎える。本道の天然素材にこだわり続けるその味は、国内外で大人気。今年は道南産のマコンブを使った飲料も販売予定で、6代目の小原社長(59)は「伝統の味を守りつつ、新商品でさらなる消費者を開拓したい」と気持ちを新たにしている。

 小原は1931(昭和6)年に小原社長の祖父、三次郎氏が創立。元々、森町でヤマブドウの果実酒を製造していたが、50年代後半、全国の中小の清涼飲料水メーカーでつくる「全国清涼飲料協同組合連合会」が日本に上陸するコカ・コーラへ対抗すべく「コアップガラナ」を開発。全国の企業が60年から統一商標として各地で発売したのに、小原も加わった。

 ガラナはブラジル原産の木の実で、抽出したエキスは「先住民族のガラニス族が愛飲して踊り明かしたと伝えられる滋養強壮剤」(小原社長)。50年代、ガラナ飲料が圧倒的シェアを誇ったブラジルで、コカ・コーラが大苦戦。これに着目してコアップガラナが生まれ、ボトルには京都の舞妓(まいこ)の立ち姿をデザインし、差別化を図った。

 しかしコカ・コーラの台頭でほとんどの企業が数年で製造中止。一方、コーラの進出が本州より3年遅れた本道ではこの間に小原のガラナ飲料が浸透、人気商品として定着した。小原社長によると、道民は炭酸飲料消費量が全国トップクラスで、暖房機が整い機密性がある住宅事情も「根強い人気の要因」と分析する。ここ数年の年商は約6億円で推移し、うち道内での売上高は90%に上る。

 主力銘柄には、横津岳の伏流水や道産ジャガイモのでんぷんで作る液糖を使用。近年ではカロリーゼロや季節限定のガラナ飲料に加え、ブラジルのコーヒー豆や十勝管内足寄町特産のキイチゴを使ったユニークな商品開発にも力を入れる。サイダー、ラムネなども含め現在は約30品目を扱い、本州の物産展や外国人が集まる観光地でも大人気だ。

 今年4月にはとろとろしたエキスが魅力の道南のマコンブを活用したサイダーを発売する。安心、安全、おいしいがモットーという小原社長は「既存の主力銘柄に満足することなく、北海道の新たな魅力を全国へ発信し続け、何十年も愛されるガラナ飲料を目指したい」としている。(長内 健)



◎白百合高で卒業式

 函館白百合高校(吉田めぐみ校長、生徒431人)で27日、第63回卒業証書授与式が行われた。卒業生170人は、喜びと期待で胸を膨らませながら卒業証書を手にし、学びやを巣立った。

 厳粛な雰囲気のなか、晴れ晴れとした面持ちで入場した卒業生らは、吉田校長から1人1人証書を授与された。にこやかに証書を受け取った卒業生らは、担任にも深々と礼をし、感謝の思いを伝えていた。

 吉田校長は「逆風にあってもしなやかな対応で未来への希望を掲げるみなさんの姿は、日ごろから互いを思い合っているからこそ。これからも優しさや快活さ、フェアプレー精神で困難を乗り越えてくれることでしょう」と旅立ちを激励した。

 在校生代表代表の中谷一枝さん(2年)は学校行事などの思い出を振り返り「自ら考え自ら動く、そんな姿を先輩たちから学んだ。温かく引っ張ってきてくれた先輩たちの教えを大切に、頑張っていきます」とあいさつ。卒業生を代表して山内香奈さんは「入学の頃、高校への夢を持ちながらもそれぞれが不安を抱えていた。しかし、周りの友人たちと悩んで感情をぶつけ合い、そして一緒に笑いあい、今まで歩んできた。友人は大切な財産。それも支えてきてくれた家族や先生の支えあってこそ」と謝辞を述べた。(堀内法子)


◎子供たち130人が江差追分や民謡披露

 【江差】「第4回こどもとヤングの江差追分・民謡発表会」が27日、町文化会館で開かれた。地元の幼児から高校生まで約130人が出演し、会場を埋めた大勢の家族や観客が見守る中で、元気いっぱいの歌や踊りを披露した。

 江差追分に代表される民謡や、郷土芸能に情熱を傾ける子供たちに発表の舞台を提供し、さらなる上達の励みにしてもらおうと、2008年度から町が主催している。

 4回目となる発表会は、出演者全員による江差追分の大合唱でスタート。はつらつとした表情で、難しい節回しが多い江差追分を大人顔負けの様子で歌い上げ、詰め掛けた観客をうならせた。

 かもめ保育園の園児36人は、江差追分とともに、戦前から本道や旧樺太(サハリン)などで親しまれた「舟漕ぎ流し唄」の元気な歌声を披露。はっぴ姿で登場した水堀保育園の園児15人は、ニシンを運ぶ「もっこ」を背負いながら、かわいらしいソーラン節の踊りを発表した。

 また、女子小中学生でつくる「Hamanasu(はまなす)会」のメンバーは、江差三下りと江差追分踊りのあでやかな踊りで、観客を楽しませた。幼児やきょうだいによる江差追分の独唱や各地の民謡も好評で、会場からは歌に合わせた手拍子とともに惜しみない声援が送られた。(松浦 純)