2011年2月3日 (木) 掲載

◎ゴッコ生干し 潮風が調味料

 函館市恵山や戸井地区で、ホテイウオ(ゴッコ)漁がたけなわの中、民家の軒先ではゴッコの生干しも盛んだ。独特の寒干し風景で、冷たい潮風を受けてうまさが熟成する。

 ゴッコは深海魚で、厳寒期に産卵のため岩場を目指し、水面近くに姿を見せる。皮部分はゼラチン質で身はトリのささ身に似た食感、歯ざわりの良い卵と軟骨もおいしい。

 しょうゆ仕立てのゴッコ汁がイベントで振る舞われ、年々人気だが、地元では生干し料理が定番だ。その仕込みは背と腹から包丁を入れて一枚に開く。目の近くにある穴にひもを通して、つるす。ガスコンロで焼いたり、煮つけなどにされ、「生のゴッコは調理前に熱湯で表面のぬめりをしっかり取ること」(漁師)。

 函館市御崎町の高橋ミヨさん(84)は熟練の包丁さばきで、ゴッコを調理。「5日ぐらい干せば食べごろで、バター焼きがおいしいよ」と話していた。

 ゴッコやタラ、ホッケなどの水産物を安値で販売する「恵山ごっこまつり」は、13日午前11時から、道の駅なとわ・えさん(日ノ浜町)で行われる。問い合わせは恵山支所産業課TEL0138・85・2336。(田中陽介)



◎渡島総合振興局の職員がドーチョ君雪像作り…「大沼函館雪と氷の祭典」で

 【七飯】大沼国定公園広場で5、6両日に開催される「第45回大沼函館雪と氷の祭典」の雪像づくりに、渡島総合振興局商工労働観光課の職員が取り組んでいる。観光振興事業の一環で「道南観光の盛り上げ役になれれば」と意気込んでいる。

 雪像づくりは、寺島進一観光振興係長が中村慎一産業振興部長らに協力を呼び掛け、同課としては初めて参加した。  題材は、道庁の電子申請システムのイメージキャラクター「ドーチョくん」。雪像づくり経験者がいない中、手探りで2bの作品を立体的にこしらえた。

 愛らしい表情と頭上で揺れる北海道旗が注目の的で、台湾などからの旅行客が記念撮影をしたり、職員に質問をして交流。また、近くで雪像づくりをする住民から「立派なキャラクターなので、もっと積極的に宣伝したほうがいい」というアドバイスも。

 同課の原田由佳主任は「つくり始めはどんなものができるか不安だったが、かわいい仕上がりでほっとした」、寺島係長は「この雪像に、祭典の成功と道南観光のさらなる発展への願いを込めた」と紹介している。(田中陽介)



◎経済・財政の再生に重点…函館市長選 工藤氏が公約発表

 4月の函館市長選に出馬を表明している前函館市副市長の工藤寿樹氏(61)は2日、函館市内のホテルで会見し、選挙に向けた政策を発表した。工藤氏は「まちが進化していく過程が見える力強いまちづくりを進めたい」と述べ、経済再生や財政再建、社会福祉の充実を政策の柱とする92項目を掲げた。

 工藤氏は重点政策として@経済再生A財政再建B福祉都市の実現C子どもや若者への支援○5歩いて楽しい「ガーデンシティ」の形成—の5点を挙げ、「私一代では実現できないかもしれないが、20年ぐらいかけて函館がよみがえれば」と述べた。

 経済政策では最優先課題として、新幹線時代を見据えた「大門再生」を挙げ、にぎわいの創出に向けてJR函館駅前に年少児らを対象にした「子どもおもしろ館」の建設を盛り込んだ。また、西部地区の歴史的建造物を芸術家の工房として再活用したり、五稜郭地区の空きビルにIT系の若手起業家を集積。「函館に新しくデザインと情報産業を育てたい」と説明した。

 財政面では「聖域なき行財政改革を断行し、年間50億円以上の財源を確保する」と強調。職員の退職手当債など赤字地方債に頼らない財政の実現や、市長給与の50%カットを打ち出し、職員給与については「民間企業と整合性のとれた体系に見直したい」として早急に調査に着手する考えを示した。

 市民体育館については「使い勝手の悪い付け足しではなく、コンベンションにも対応できる多目的アリーナに再整備する」として、現在の改修から全面建て替えに方針転換する考え。また、日吉4丁目団地跡に老人ホームや高齢者向け住宅を配した「福祉コミュニティーエリア」を整備する方針だ。(森健太郎)


◎【命を見つめて・第1部がん編B】患者に応じ 治療多様化

 かつて、がんの治療は手術が主流だったが、今は放射線治療や抗がん剤(化学療法)による治療も加わり、発症部位や病期の進行度によって治療の選択は多様化してきた。ほとんどの部位のがんで治療のガイドライン(治療指針)が確立され、国内のがん専門医療機関や中核病院では、指針に基づき、手術、化学療法、放射線治療を効率的に組み合わせた医療を展開している。

 どの治療法でも早期発見、早期治療が後の生存率を高めるポイントとなっており、がん細胞が小さい初期の段階であれば体に負担がかからない治療が可能だ。手術の場合、初期で見つかれば、腹を切らずに行う内視鏡手術で治す方法がある。

 内視鏡手術は腹に数カ所、5〜10ミリ程度の穴を開けて体内に内視鏡や特殊器具を挿入して行う手術。医師は腹腔鏡と接続されたモニターを見ながら手術をする。函館五稜郭病院では年間100例を超える胃がんの手術を行い、約3割が内視鏡による手術。胃がんの内視鏡手術のエキスパート、高金明典診療部長は「手技としては高難度だが、モニターを通して臓器内を拡大して見ることができ、安全性の高い手術。出血量が少なく、術後の痛みも小さいので早期で退院が可能」とメリット話す。

 市立函館病院では、昨年11月から子宮体がんに対し内視鏡を使った手術を始めた。同手術は、患者が全額自己負担する「先進医療」の治療法で、同病院は厚生労働省の承認を受けて実施。胃がんの内視鏡手術同様、初期の症状に対して有効な治療で、体への負担も軽い。保険適用でないため、現在、手術料金は先進医療分の65万3000円に、保険適用される点滴、投薬など入院治療費がかかる。改行 子宮がんの腹腔鏡手術で実績のある産婦人科の山下剛科長は「今後は子宮頸(けい)がんでも先進治療の適用を申請し、早期に実施できるようにしたい」と話す。

 手術同様、化学療法や放射線治療も進歩しており、部位やがんの状態によって効果を発揮する症例も増え、病期が進行して手術できないケースでも有効な治療が続けられるようになっている。

 例えば、大腸がんは2007年ごろまでは治療成績で後れを取っていたが、切除不能な進行性の末期がんに対し新たな化学療法が確立された。市立函館病院消化器病センターの畑中一映消化器内科主任医長は「化学療法というと副作用のイメージが強いが、近年は副作用を抑える薬も開発され、患者の状態に応じて適正に使えば効果が発揮される」と話す。


◎自慢の味ずらり…丸井今井で全国うまいもの大会

 第107回全国うまいもの大会が2日、丸井今井函館店で始まった。全国各地の109店の商品が結集し、うち72店が実演販売を行っている。会場には初日から大勢の客が詰めかけ、目当ての商品を購入していた。13日まで。

 同店にはこの日、開店前から客が並び、ドアが開くと同時に特設会場を目指した。会場内は歩くのも苦労するほどの人出で、出店者の威勢の良い掛け声や、食欲をそそる“うまいもの”の香りが充満していた。

 今回の初出店は、宮崎の「本家 宮崎肉巻き」や愛媛の「安岡蒲鉾店」、胆振管内白老町の「ウエムラ牧場・しらおい和牛工房」など8店。なかでも「日本橋錦豊琳」(東京)のかりんとうが人気を集め、女性客が殺到していた。このほかにも、1年ぶりの出店となる「世界の山ちゃん」(名古屋)の手羽先や、「フランツ」(神戸)の壺プリンなどが好評だった。

 同店は今回、会場の1階下に当たる6階に、これまでより広い飲食スペースを設置。購入後すぐにゆっくりと味見を楽しめるように工夫した。営業統括部の杉本敦さんは「さまざまなジャンル、地域のおいしいものを集合させました。期間中に一度は見に来てください」と来店を呼び掛けていた。(小泉まや)


◎氷上ワカサギ釣り人気

 悪天候が続いた1月下旬、道南の海岸は不調だった。一方、氷上ワカサギ釣りが行われている七飯町の大沼国定公園内の蓴菜沼(じゅんさいぬま)と大沼湖では、例年に比べアタリは少ないものの、週末になると大勢の家族連れらが訪れている。

 昨年同様、結氷が遅れ1月8日から営業を開始した蓴菜沼。今シーズンのワカサギは小さいもので体長3センチ、プロも多い日で70〜80匹の釣果と苦戦が続いているという。

 このため、大沼漁協は、型の小さなワカサギのアタリでも分かるように、柔らかい竿に軽めのオモリをつるすことを勧める。同組合理事の小泉路雄さんは「こちらでレンタルしているものもあるが、数に限りはあるし、できれば持参してもらったほうが良い」と話す。

 また、土日は終日混雑するため、人気の少ない平日の午前中なら好釣果が期待できるという。小泉さんは「平日ならスタッフもアドバイスができる。防風フェンスはあるものの、風は強いのでしっかり着こんだ上で来場を」と呼び掛ける。

 また、今年も大沼湖にある大岩園地付近で臨時の穴釣り場を開設。こちらもスタッフが常駐し、釣りが楽しめる。

 いずれも3月上旬まで午前8時〜午後4時。大人500円、小学生まで250円。天候によって急きょ営業を休止することもある。問い合わせは同漁協ワカサギ釣り部TEL090・1307・4206。

 毎年冬にワカサギ釣りが楽しめる釣り堀「太公園」。今年は釣り堀ではなく、大沼湖での天然ワカサギ釣りに切り替えている。こちらも個人差はあるものの、17センチの大物を呼び込むつわものもいるという。

 太公園の川村幸治代表(43)は「天然のワカサギは釣った時の感動が大きい。初心者でも一度体験を」と呼び掛けている。

 3月末ごろまで午前8時〜日没。大人1000円、小人750円(竿、餌、バケツ、しゃもじつき)。釣ったワカサギは300〜500円でから揚げにしてくれる。JR大沼公園駅下車で訪れる場合は、同駅まで送迎してくれる。問い合わせは川村代表TEL090・2810・7347。