2011年2月4日 (金) 掲載

◎良い湯加減でうとうと 函館競馬場で競走馬が湯治

 函館競馬場(函館市駒場町)にある療養施設「馬温泉所」で、脚の炎症や骨折など故障を抱えた競走馬が温泉につかり、けがや疲れを癒やしている。人間さながら気持ち良さそうに湯治≠ノ励み、来るべきレース復帰を目指して骨を休めている。

 函館は日本中央競馬会(JRA)の全国10カ所ある競馬場で唯一、温泉の療養施設を備える。人間同様、関節炎や疲労回復に効能のある「湯の川温泉」の源泉を40〜42度に冷まして使用。血行を促し、超音波やシャワーによるリラックス効果も期待できるという。

 現在はともに昨年11月に来た重賞勝利経験を持つ「マルカフェニックス」(牡7歳)と未勝利の「エスタンシア」(牡3歳)の2頭。馬たちは背に温泉シャワーを浴びながら脚の付け根まで細長い浴槽につかる。冬場は3〜6カ月の長期滞在が多く、ほぼ毎日午後に15分ほど入浴する。

 獣医師の資格を持つ同競馬場の江藤大介競走馬診療所長(40)は「よほど気持ちがいいのか、だんだんトローンとした目になり、うとうとする馬もいます。命を預かるので、競馬に戻る日までは気が抜けませんが」と話していた。馬たちは今後、リハビリを経てレースに向けた調教を再開する。  (森健太郎)



◎無病息災祈り節分に水ごり 高穂神社

 3日は「節分」。函館は暖かい空気が入った影響で、日中の最高気温が3月下旬並みの6.8度と穏やかな一日となった中、市内の寺院や神社では、1年の無病息災を祈る節分祭などが開かれた。

 同市上湯川町の高穂神社(澤口廣宮司)では、節分祭を前に水ごりを行った。澤口宮司(60)や神職、氏子代表ら白装束姿の4人が、境内にあるオンコの御神木の根元から沸き出る水をかぶりながら、五穀豊穣(ほうじょう)や氏子らの健康、生活の安泰を祈った。

 澤口宮司が祝詞をささげた後、4人がたるに入れた水をおけですくい、「えい」と声を出しながら頭や肩から掛けた。最後に澤口宮司が集まった氏子ら約30人に、クマザサに付けた水をかけてお払いした。

 水ごりが始まった午前9時ごろの函館の気温は2.7度。昨年は氷点下11.1度だったため、例年に比べると寒さは厳しくなかったが、澤口宮司は「きょうは水温の方が低いので、水行の厳しさは変わらない」と話し、体から湯気を上げていた。節分祭はこの後、本殿で祭事や豆まきなどが夕方まで行われた。

 同神社は昨年、創建30周年を迎えた。澤口宮司は「今年は元年という気持ちで一歩一歩進んでいきたい」と話していた。 (山崎純一)  



◎【命を見つめて・第1部がん編C】低い受診率 自治体は苦慮

 がん治療は早期発見、早期治療が有効と言われており、国はがん対策推進基本計画を策定。2007度から5年以内に5大がん(胃、肺、大腸、子宮頸、乳)の受診率を50%とする目標を掲げた。

 だが、受診率は全国的に伸び悩み、道南でも各がんの受診率は10〜30%にとどまる。

 国は昨年度から女性特有の乳がん、子宮頸がんで、特定の年齢に対して受診料を無料とするクーポン券を発行。道南のほとんどの市町で乳がん、子宮がん検診の受診率が前年度よりも伸び、一定の成果を挙げた。

 09年度の乳がんの受診率が比較的高かった七飯町は「町として力を入れた検診で、クーポンも追い風となった」(子育て健康支援室)。一方、函館市もクーポンの効果で子宮頸がんの受診率が3割近くに達したが、期限が切れる2月に集中した経緯がある。本年度も同様の傾向を示し、12月末の時点で乳がん、子宮がんとも2割程度にとどまり、利用率が高いと言える数字ではない。

 乳がん、子宮頸がんに対し肺や大腸、胃は各市町とも例年、同じような数値で推移。函館市は肺、大腸、胃とも5%と低調だ。市で行う集団検診のほか、医療機関との協力を得て個別受診も対応。市内約50医療機関で受診可能で、町会館など地域で行う特定健診でもがん検診が受診できる体制を敷く。受診料の助成制度もあり、自己負担は1000〜2000円に定めている。

 市立函館保健所健康増進課は「受診環境は整っている」としたうえで、「いつでも受けられるという意識が先延ばしをしているのでは」と苦慮する。

 道が発表した受診率は、対象受診者の多い都市は受診率が低くなる傾向にあり、各自治体によって集団検診の回数、実施時期が異なり、受診者の数が左右される。

 各市町村とも国の目標の50%は難しいとの認識を示しているが、その中で着実に成果を挙げている町もある。せたな町は09年度から始めたがん検診に対する啓発強化で成果を発揮。子宮頸がんを除く4つの検診で8〜10ポイントの伸びを示した。同町は「個別での通知のほか、町が任命する保健推進員による呼び掛けの効果があった」とする。

 八雲町は肺がんの受診率が比較的高く、「他のがんより検診機会が多いからでは」と分析。北斗市は「町会など地域単位で小回りのきいた啓発が行われている」(保健福祉課)と期待を寄せる。 (医療問題取材班)


◎函新杯アイスホッケー フューチャーズ3年ぶり栄冠 

 第14回函館新聞社杯アイスホッケー大会(函館新聞社主催)は3日、函館市民スケート場で行い、函館フューチャーズが10−2で北水ブルーマーリンズを下し、3年ぶりの栄冠を手にした。1敗のホワイトベアーズ、アイスクラッシャーとの直接対決に勝利しているため、1試合を残して5連勝で優勝が決まった。

 2試合目で2年間王者に座っていたホワイトベアーズを5−4で破って勢いに乗ると、昨年3位のアイスクラッシャーとの3戦全勝対決を制した。今季のチームは華麗なパスワークで相手ディフェンスを崩したのに加え、前からの積極的な守りがさえるなど、ここ一番で勝負強さが目立った。

 リーグ戦は8日まで。第18日の4日は、ダイナマイツと土現フェニックスが熱い戦いを繰り広げる。(小林省悟)


◎一丸で対策強化 鳥インフル警戒本部設置

 全国で相次ぐ高病原性鳥インフルエンザ問題を受け、渡島総合振興局は3日、柳谷龍彦副局長を本部長とする警戒本部を設置。農家や物流業者の防疫と発生防止の徹底、関係機関における情報の共有で対策強化を図る。

 会議では、国内や韓国における鳥インフルの発生状況を報告し、道と同振興局のこれまでの対応を確認。渡島管内で3日現在、鳥インフルの発生はないが、柳谷本部長は「万全を期すために、関係機関一丸となった取り組みを」と指示した。

 渡島管内には、100羽以上の採卵養鶏場が18戸あり、全体で26万羽が飼育されている。家畜防疫員らが18日までに、家きん飼養農場の立ち入り調査に当たる。4日は、八雲と森の両町にある各2戸で確認調査が行われる予定だ。

 野鳥関係では、七飯町大沼国定公園内の水鳥観察場所「白鳥台セバット」への立ち入りを制限、餌づけの自粛などを継続する。

 電話相談窓口の同振興局保健環境部には3日現在、20件ほどの問い合わせがあったという。

 昨年11月には、八雲町内で野鳥1羽が外傷のない状態で死んでいると通報があり、回収し専門機関で検査をしたところ陰性だった。

 鳥インフルは感染した鳥との濃密な接触など特殊な場合以外は人間に感染しないと考えられており、担当者は「鳥の排泄物などに触れた際は、うがいや手洗いをしてもらえれば大丈夫で、過度に心配する必要はない。冷静な対応をお願いしたい」としている。  渡島の相談窓口はTEL0138-47-9439。桧山はTEL0139-52-6494。  (田中陽介)