2011年2月7日 (月) 掲載

◎木村文助校長の思い 合唱劇に乗せ

 【北斗】大正から昭和にかけて、つづり方(作文)教育に力を注いだ大野尋常高等小学校の木村文助校長を題材にした市民合唱劇「村に咲く花」(永遠にあかるく音楽会実行委員会主催)が6日、市総合文化センターで開かれた。木村校長の教育にかける情熱や、子どもたちがありのままで書いた言葉を合唱曲に乗せて、1000人の観客を感動で包み込んだ。

 合唱劇は北斗市合併5周年を記念して、市民約100人が参加した。当時の子どもたちのつづり方は、児童文芸誌「赤い鳥」に多数掲載されるなど高い評価を受け、その作品は、劇中で合唱曲や朗読の形で披露された。

 木村校長が村人に教育方針の批判をされる場面では「現実社会の困難に突き当たった時、正しく、強く、生き抜くことができる精神をはぐくむのが教師の仕事だと私は信じている」と叫び、現代にも通じる普遍的なメッセージを届けた。

 市内久根別の青木厚子さん(58)は「旧大野町出身ですが、木村文助校長のことを今回、初めて知りました。暗譜で歌っている子どもたちの姿や演技も大変よかった」と感激していた。

 合唱団の一員として出演した熊本昇実行委員長(73)は「私自身も劇中に気持ちが高まり、涙が出てきました。大勢の来場をいただき、感謝しています。さらに上を目指して頑張っていきたい」と話していた。(今井正一)



◎「ハコピタ」認知度不足? 会員増課題

 はこだて雇用創造推進協議会は、函館市内の小規模な店舗や企業の情報を集約して発信するポータルサイト「ハコピタ」を開設している。1日からは会員企業の取扱商品を通信販売するコーナーを新設。ただ、市民のサイトの認知度が低く、5日現在、商品を販売しているのは1店のみ。運営事務局は「今後は会員を増やし、地域の潜在的な価値を高めたい」としている。

 サイトは函館市や経済団体などでつくる同協議会(代表・備前悟市経済部長)が昨年8月に開設し、運営している。厚生労働省の「地域雇用創造実現事業」を活用し、2009年度からの3カ年計画で地域経済の活性化や雇用の拡大を図る目的だ。

 市内に潜在する魅力的な商品やサービスを掘り起こそうと、会員は主に小規模な事業所や店舗が対象。パソコン操作に明るくない事業主向けにサイトの運営は事務局が担当し、会員はブログ(日記風サイト)で情報発信しながら、IT(情報技術)スキルの向上も狙う。

 運営事務局によると、サイトに登録する会員数は開設当初約60社だったが、現在は約150社に上り、「年度内に目標とする180社の登録が実現できそう」と手応えを語る。会員は老舗から新店舗まで小売や飲食、美容、建設、不動産など多業種にわたる。

 一方、サイトのアクセス数は1日500件程度にとどまり、「市民の認知度はまだまだ」(事務局担当者)。会員からは「東京からも注文が舞い込み、新規顧客を獲得できた」(小売店)と好感触がある半面、「サイトを知らない人が多く、直接的な集客にはつながっていない」(医療・福祉)と効果をいぶかる声も聞かれる。

 現在、会員登録は無料だが、年間1500〜2000万円の国の事業費が途絶えた12年度以降の運営方法は未定。運営事務局は「サイトを通じて会員の販路拡大や業績アップにつなげ、地元の人に函館の魅力をもっと感じてもらいたい。今後は事業運営をビジネス化できるよう、会員と利用者を増やしていきたい」としている。(森健太郎)



◎大日向氏 道議選出馬へ

 元函館市議の大日向豊吉氏(60)は6日までに、4月10日投開票の道議選函館市区(定数6)に無所属で立候補する意向を固めた。今月中に正式に表明する。大日向氏は函館新聞の取材に対し、「北海道新幹線の現函館駅乗り入れに向けて、全力を尽くしたい」と話している。函館市区への出馬は、大日向氏で9人目となる。

 大日向氏は「新幹線が現駅に乗り入れないことで、函館や道南の将来が不透明になると思い決意した。戸井高校の存続や福祉、教育の問題も道政の場で訴えたい」と話し、今後、早急に選挙戦に向けた準備に取り組むとしている。政党への公認申請は行わない方針だ。

 大日向氏は1950年函館市生まれ。函館工業高、法政大経済学部卒。1987年から3期12年函館市議を務めた。道議選には2003年、07年と出馬し、いずれも落選した。現在は社会福祉法人函館愛育会の理事長を務めている。(千葉卓陽)


◎館城の築かれたルーツ紹介…郷土学講座

 函館市青少年研修センターふるる函館(同市谷地頭町)のチャレンジ宿泊体験「冬だぁ!テントで冬眠 お泊まり会」が5日から、同センターで始まった。風船を利用してかまくらを作ったり、雪上に張ったテントの中で冬眠体験をして冬を満喫している。

 1泊2日の日程で、小学校1〜6年生40人が参加した。かまくらとテントは同センターの敷地内に設営。参加者は防寒着に帽子、手袋を身に付けて作業に臨んだ。

 かまくら作りでは積もった雪を掘り、膨らませたたくさんの風船を入れた上に雪をかけて形を作った。指導した赤石哲明館長が「みんなで協力して雪を掘って」と励ましながら作業。風船を割って取りだすと内部が空洞になったかまくらができ、数人が入ることができた。

 テントでは夜間、マイナス20度まで耐えられる寝袋に入って過ごした。自然の厳しさを体感することが目的で、参加者は寒さに耐えながら、友人との楽しいひと時を過ごした。参加した男児は「みんなで寝るので寒いのは平気です」と話していた。(小泉まや)


◎おいしく飲んで健康に…野菜ソムリエセミナー

 【北斗】七重浜4の笹尾自動車商会(笹尾哲治社長)で6日、野菜ソムリエによる健康セミナーが開かれた。季節の野菜・果物のジュースづくり実演と試飲で、手軽にできる健康法を伝えた。

 同社の顧客と一般住民の交流の場として参加を呼び掛け、午前と午後の部に計32人が参加した。講師は、日本野菜ソムリエ協会認定「ベジフル函館」の齋藤縁さんと熊谷美穂さんら5人が務めた。

 齋藤さんは、野菜と果物の色に医学的な効果を見てとれると説明。「赤は血液の循環を促し、活力をもたらす。ピンクは、優しさ、思いやりの気分に。オレンジは食欲を刺激し、免疫力を高める」などと、植物栄養素が病気予防や健康維持に効果があることを伝えた。

 特製ジュースは、ダイコンやニンジン、リンゴ、ミカン、レモンの「冬色(オレンジ)」。グレープフルーツと白カブ、赤パプリカの「春色(ピンク)」。熊谷さんは、風邪の予防に効果があるビタミンCなどについて触れ、「皮や皮の付近に栄養とうまみが多いので、そのまま使う。ジュースや料理のソースにすれば手軽に、おいしく食べられる。身近な野菜や果物を体に取り入れて、心の中から幸せになってください」とアドバイスした。参加者からは「ヨーグルトや牛乳を混ぜてもおいしいのでは」という意見もあった。

 八雲町から参加した浅山浩さん(49)は「野菜の栄養分が皮に多いということをあらためて実感した。レシピを教わったので、家でも野菜ジュースを作ってみたい」と話していた。(田中陽介)