2011年3月1日 (火) 掲載

◎新幹線 軌道レール陸揚げ

 2015年度開業予定の北海道新幹線、新函館(仮称)―木古内の38キロ区間に敷く、軌道レールの陸揚げ作業が28日、函館市の函館港有川ふ頭で始まった。新幹線だけが走る新線区間への道内のレール搬入は初めてで、この日は981本が届いた。第一陣で、3月末までに25キロ区間分、4000本が陸揚げされ、新年度に北斗市や木古内町の軌道基地に運ばれ、溶接・敷設工事が行われる。改行 道内ではこれまで、在来線との共用区間でのレール敷設が進められてきた。

 建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構によると、新線区間のレールは1本25メートル、重さ1.5トン。北九州市八幡で製造され、1600トン級の船で函館港に入った。

 船からの陸揚げは午前8時から始まり、3本に束ねたレールを大型クレーンでつり上げ、トレーラーに載せて、作業員が慎重に港内の敷地に積み上げた。陸揚げ作業は1日も行われる。

 同機構によると、このレールは4月早々に、4軌道基地と北斗市と七飯町にまたがる函館総合車両基地に運ばれ、1本200メートル(25メートル×8本)のロングレールにしてから、敷設していくという。渡島当別トンネル東(北斗市)を皮切りに各地で行われ、敷設工事のピークは12、13年度とみている。

 新線区間の残る13キロ分のレールは、4月以降に搬入される予定。鉄道・運輸機構北海道新幹線建設局の吉原伸行工事第一課長は「新線区間のレールということで、地域の期待も一層高まると思う。北海道新幹線の早期開業に向けて、支障のないよう作業を進めたい」と話していた。 (田中陽介)



◎函館―東京便減席…JAL、経営再建に伴い

 日本航空(JAL)は3月27日から、函館―東京間(1日3往復)の1日当たりの座席数を約200席減らす。経営再建に伴い進める機材の小型化、運航の効率化のため。閑散期の春先は需要に合わせた席数とする一方、繁忙期の夏場は大型機に切り替え前年並みを維持し、効率的な運航を目指す。客の利便性を確保するため1日3往復の便数は維持する。

 航空機の小型化、需要に応じた対応は経営再建に伴い全国で進めている。函館では春と夏で搭乗率に最大約30%の開きがあることから、基本的には、現在の中型機3便で合わせて783席を、192席減らし591席とする。

 需要が高まる6月以降は、段階的に機材を変更。6月1日〜7月14日までは同687席に、夏休みの7月15日〜8月末には3便すべてを500人乗りの大型機とし、合わせて1500席を確保する。9月以降は現在の席数に戻す。

 7月15日からの機材大型化は昨年から行っており、新築した函館競馬場を訪れる客の需要などで、週末の平均搭乗率は95%だった。日航函館支店は「需要に応じて細かな機材対応をしたい」とする一方、「2年目を迎えた競馬場効果がどの程度あるかは未確定要素だ」とする。 (小泉まや)



◎「きれいな選挙運動を」…道議選、市長・市議選立候補予定者説明会

 道議選(4月1日告示、10日投開票)と函館市長・市議選(4月17日告示、24日投開票)の立候補予定者説明会が28日、市役所で行われた。

 市選管によると、道議選には9陣営、市長選には2陣営が予定通り出席。市議選では40陣営が出席した。

 道議選には出馬を表明している現職5、新人4陣営が出席。市長選には現職の西尾正範氏と、前副市長の工藤寿樹氏の両陣営が出席し、市役所OB同士の一騎打ちとなる公算が大きい。

 一方、今春から定数が現在の38から30に削減される函館市議選では、現職25、元職4、新人9の陣営のほか、出馬を検討している段階という2陣営も参加した。

 説明会では児玉明市選挙管理委員長が「地方選は地域住民の意向を選ぶ大事な選挙。候補者や関係者にはきれいな選挙をお願いします」とあいさつ。市選管事務局の担当者が立候補の届け出や、選挙スケジュール、選挙運動の注意点などを説明した。

 ◆市議選に本間氏、斉藤氏が出馬へ、黒島氏は引退

 市議選をめぐっては28日までに、態度を保留していた現職のうち、本間新氏(81)が15期目に向けて出馬の意向を示した一方、13期務めた黒島宇吉郎氏(82)は今期限りでの引退を決めた。新人では、元弟子屈署次長の斉藤邦雄氏(63)が出馬する意思を固めた。現段階で名乗りを上げているのは38人となっている。(森健太郎、千葉卓陽)


◎一般会計44億8500万円…松前町予算案

 【松前】松前町(前田一男町長)は28日、2011年度の予算案を発表した。一般会計の総額は本年度当初比3.1%減の44億8500万円で、ほぼ前年並みとなった。教育や保健福祉の事業に手厚く予算を配分したのが特徴。3特別会計と2事業会計を含めた総額は同0.1%増の86億6026万円。7日開会予定の町議会定例会に提案する。

 歳入の約6割を占める地方交付税は同2.5%減の26億3388万円と見込む。町税は同0.9%増の5億5951万円でほぼ横ばい。歳出は、公債費が同5.9%減の6億6729万円。人件費は同9.6%減の11億1959万円となったが、財政的なめどが立ったため、04年から続けていた職員給料の3〜5%の独自削減を廃止する。

 主な新規事業では、現在の松前保育園を移転新築させ、幼保連携型認定こども園とするための補助金として実施設計費641万円を計上。11年度中に着工し、12年1月完成、町立朝日保育所を統合した上で、同年4月の開園を目指す。

 築41年が経過した松前中学校の校舎の耐力度調査委託料に756万円、さらに教育施設整備基金に3000万円を積み増す。老朽化が進み復元が検討されている史跡福山(松前)城天守の保存整備調査業務委託料には647万円を計上した。

 また、子宮頸(けい)がん、ヒブ、小児用肺炎球菌ワクチン接種委託料に1168万円を盛り込んだ。(松宮一郎)


◎カップ焼きそばでイカめしの味再現…日清食品

 日清食品(東京)は28日、カップ焼きそば「北の焼そば 函館いかめし風しょうゆ味」を3月14日から道内限定で発売すると発表した。イカめしの風味を焼きそばで再現し、同社のカップめんで初めて函館特産のガゴメコンブ(トロロコンブの仲間)を使用。函館の庶民の味を全道各地にPRする。

 同社が道内のみで販売している「北の焼そば」シリーズの第4弾。第3弾の「オホーツク北見塩やきそば」は昨年8月の発売以来、70〜80万食を販売する「記録的な売り上げ」(同社マーケティング部)を記録し、さらなるご当地グルメの商品化に向けて函館らしい商品を企画した。

 具材のイカは道南産ではないが、イカめし特有の香ばしさをしょうゆ味で再現。味のアクセントとしてソースに函館特産のガゴメコンブを入れた。「イカの風味を立てつつ、生臭さを消すのに苦労した」(同)という。関連会社の札幌日清千歳工場で製造し、年間100万食の販売を目指す。

 28日には同社の村岡智祐北海道支店長らが函館市役所を訪問。試食会で西尾正範市長は「イカとコンブのまちをPRするいい機会。函館の一般的な家庭料理の味が宣伝できるよう日清のブランド力に期待したい」と話した。希望小売価格は170円(税別)。道内のスーパーやコンビニエンスストアなどで通年販売する。(森健太郎)