2011年3月10日 (木) 掲載

◎地元にも愛される店に 南かやべ漁協直販加工センター直売店新装オープン

 南かやべ漁協直販加工センター直売店(函館市川汲町1546)が11日午前11時、新装オープンする。最高級の地元コンブや水産加工品、菓子などを豊富に並べるほか、休憩所を設けて人々の交流の場も提供する。「南茅部の良さを伝え、観光客だけでなく地元住民にも親しまれる直売店にしたい」と関係者は期待を寄せる。

 この漁協直売店は1981年から営業してきたが、建物の老朽化で、昨年4月から改装工事に入っていた。総工費は9864万円で、函館市が4030万円を補助した。延べ床面積は428平方メートル。番屋調の造りに瓦屋根で「漁村の風景に似合う。五稜郭の奉行所のように豪華だ」と住民からの評判は上々だ。

 商品はコンブを主力に、ホッケやイカ、ゴッコなどの水産加工品のほか、道南有名企業の人気商品も。ガゴメ(トロロコンブの仲間)のチョコレート、クッキー、ラー油などと「子どもからお年寄りまで幅広い世代に商品選びを楽しんでもらえるはず」と同漁協。

 店内には、15席の休憩所があり、テレビで地域の豊かな海や水産物の様子を流す。

 成田寿センター長(42)は「この直売店は30年間ほど続けてきた実績がある。この伝統を守り、もっと古里の魅力を発信、共有できる場所として育てていきたい。直売店がにぎわえば、生産者の意欲向上に結びつく」と意気込む。

 11〜13日、各日先着100人と、1000円以上購入者に記念品を贈呈。3000円につき1回、はずれなしの抽選くじが引け、1等は1万円相当の高級コンブが当たる。この3日間は、ガゴメうどんやとろろこんぶ汁、昆布茶が無料で振る舞われ、中空土偶弁当(11、12日)が数量限定で販売される。

 11日は午前10時に式典を開催。12日以降の営業時間は、午前9時〜午後5時。5月まで無休。問い合わせは同センターTEL0138・25・5574。(田中陽介)



◎身近な函館PR 仙台で観光客誘致

 函館市は、東北新幹線の新型車両「はやぶさ」の導入に合わせ、仙台での観光客誘致に力を入れている。狙うのはこれまで「PRの空白地帯」(市ブランド推進課)だった仙台圏150万人のマーケット。はやぶさ投入でさらに近くなる函館をアピールし、青森とも連携しながら誘客促進や交流人口の拡大を目指す。

 2月16日午後の宮城県庁。函館市の観光PRキャラクター「イカール星人」が襲来し、宮城県観光PRキャラクター「むすび丸」が迎え撃つ。イカール星人の「ゲソチョップ」に対し、刀を抜くむすび丸は防戦一方。そこに青森市観光PRキャラクター「ハネトン」が仲裁に入って仲直り—。

 これは函館、青森両市の観光PRのため宮城県副知事を表敬訪問した際のひとこま。新幹線でつながる青函圏と仙台の一体感を演出しようと企画し、地元の保育園児や昼休み中の県職員ら約200人が「ゆるキャラ」の競演を楽しんだ。「思ったより仙台の人の期待は高い」。函館市ブランド推進課の大泉潤主査は手応えを感じた。

 函館、青森両市でつくる青函観光宣伝協議会が2月15、16の両日、初めて仙台での観光PRを合同で展開。キャラクターと両市の担当者、ミスはこだて、ミスねぶたが県庁や市役所を訪問したほか、地元のテレビ番組などに出演し、春以降の本格的な観光シーズンに向けてそれぞれの観光資源を売り込んだ。

 今月5日のはやぶさ導入で、函館—仙台間の所要時間は最速で3時間52分となり、乗客シェアで航空機との分岐点とされる「4時間の壁」を切る。同課は「新幹線のスピードアップ、グレードアップは距離のイメージも近づける」と期待し、仙台の各訪問先でも「新青森からちょっと足を延ばせば函館」と強調した。

 今月13、14の両日にはJR東日本などの主催で、新幹線を使った仙台発1泊2日のモニターツアー客を函館に招く。自己負担額1万円の格安プランとあって、定員40人に対し、1500人以上の応募が殺到する人気ぶり。協力した市観光振興課は「春の大型連休に向けて函館を再訪してもらうきっかけにしてほしい」と躍起だ。

 今年5月21、22日には仙台市内で道南18町の食の名産品を一堂に集めた「函館・みなみ北海道グルメパークin仙台」の開催も決定。同課は「より近くなった函館を身近に感じてもらい、4年後の北海道新幹線開業に向けて東北と一体となって交流人口の拡大につなげていきたい」としている。(森健太郎)



◎佐々木氏が出馬、無風から一転選挙戦に…道議選桧山選挙区

 【厚沢部】2007年に道議選桧山選挙区(定数1)から自民党公認で出馬した、厚沢部町の建設業・佐々木俊司氏(45)は9日、4月1日告示の道議選同選挙区に再出馬する意向を明らかにした。自民党道8区支部を通じて、党道連に公認申請を提出した。同選挙区では、3選を目指す、現職の福原賢孝氏(民主)以外に出馬の動きがなく、無投票の可能性が高まっていたが、一転して、前回選挙と同じ顔ぶれで、民主党と自民党が激突する選挙戦の構図となった。

 佐々木氏は、再出馬の動機について「民主党政権による国政の混乱や景気の低迷を押しとどめる必要があると感じた」とし、民主党に対する有権者の批判を追い風とし、短期決戦で選挙戦に臨む考え。

 選挙公約として、農林水産資源や自然エネルギーを活用した雇用創出とともに、新たなビジネスモデルの提案を掲げる方針。管内に根強い反発がある、道の支庁再編をめぐっては「土木行政などの権限が桧山振興局長にないのは問題だ。多くの事務や権限が渡島に移るような改革は認められない。知事与党の立場で見直しを求めたい」とした。

 佐々木氏は1965年厚沢部町生まれ。江差南高、道測量専門学校卒。97年に佐々木総業社長に就任。桧山青年会議所理事長、厚沢部商工会青年部長、NPO法人・道グリーンビジネス理事長などを歴任した。07年の前回道議選では、自民党の公認を得て、現職の福原氏と一騎打ちの選挙戦を展開したが、1603票差で落選した。(松浦 純)


◎議員定数「2人削減」…知内町議会

 【知内】知内町議会(松井盛泰議長、定数12)は9日、全員協議会を開き、2012年4月の改選期以降に適用する議員定数と報酬について、条例改正に向けた素案をまとめた。議員定数は「2人削減」、報酬については「現状維持」とした。25日に議会報告会を開き住民に説明し、6月の定例会で条例改正案を発議する予定。

 定数と報酬をめぐっては、昨年6月から全員協議会で議論を続けてきた。10月には地区別議会報告会を開き、町民アンケートを実施。その結果を踏まえ、議会内でさらに討議した。

 素案では、議員定数削減の理由を「道内の人口類似団体や町の将来の人口を踏まえ、削減はやむを得ない」とした。2人削減した場合でも現在の2常任委員会を維持させる方針。

 また、報酬については、現行の月額16万2000円を維持。「渡島管内の平均やアンケート結果、町特別職報酬審議会の答申内容を尊重する」と理由を挙げた。議員間の議論では、「新人や若い人が希望や意欲を持って活動できるよう、減額すべきでない」という意見もあった。

 松井議長は取材に対し、町民アンケートの結果で「12人を維持」とする意見が多数を占めていたことについて、「近隣町との均衡や町の将来を見据え、議会自らの判断で削減を決めた」とした。また、「これまで以上に議員の責任は重くなるが、少数精鋭で臨む。議論は尽くしたので住民に理解を求めたい」と話した。

 なお、町議会第1回定例会は9日、本会議を続行。議案1件を可決したほか、ナイター議会が開かれ、一般質問に6氏が立ち、町の将来像などに関する質問が出された。(松宮一郎)