2011年3月24日 (木) 掲載

◎支援物資60トン被災地岩手へ…全日本海員組合漁船で輸送支援

 東日本大震災の被災地へ支援物資を海上輸送するため、全日本海員組合(東京)がチャーターしたイカ釣り漁船「幸雄丸」(184トン)が23日、函館港豊川ふ頭を出航した。善意で寄せられた食品や衛生用品など約60トン分を船内に積み、24日午前9時に岩手県宮古市の宮古港に到着する予定だ。

 同組合では20日から全道の市民や企業・団体から寄付を募り、飲料水やカップめん、毛布、トイレットペーパー、紙おむつなどが多数寄せられ、「船倉がほぼ満杯」(同組合)という。4月中旬までの間、函館を拠点に物資の量に応じて順次往復する予定で、東北地方の各組合支部を通じて宮古市のほか、宮城県気仙沼市などに届ける。

 この日は出航前に岸壁でセレモニーがあり、同組合北海道地方支部の佐藤康博支部長(54)が「函館市民や道民、東北の方々からたくさんの支援物資が寄せられ、本当に感謝している。安全第一だが、一刻も早く温かい支援の物資を被災者のもとに届けてほしい」と話した。船には斎藤保船長ら計8人が乗り組み、船員仲間ら約40人の見送りを受けて出航した。

 支援物資は4月上旬まで、同組合道南支部(函館市末広町23の7)で引き続き受け付けている。問い合わせは同支部TEL0138・22・8128。(森健太郎)



◎放射線量 平常レベル…渡島総合振興局で測定

 東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故を受け、道は23日、13の総合振興局・振興局の敷地内で、放射線測定器による放射線量の測定を開始した。渡島総合振興局(美原4)でも職員が3度測定、平常レベルだった。

 これまでは主に、後志管内泊村の泊原発周辺などで測定してきたが、震災発生を受け、全道レベルで行うこととなった。道総務部危機対策局原子力安全対策課は「道内の現在の放射線量が安全の範囲であることを知ってもらい、道民に混乱がないようにするための測定」としている。

 測定は13カ所とも午前9時、午後1時、同5時に行った。30秒おきに5回測定し、平均値を求めた。同課によると計測は福島原発の状況を踏まえ、当面の間続けるという。

 観測結果は道の結果はホームページ(HP)で掲載している。http://www.pref.hokkaido.lg.jp/index.htm(山崎純一)



◎北斗市議選 激戦必至

 【北斗】任期満了に伴う北斗市議選(4月17日告示、同24日投開票)は、告示まで4週間を切った。今回の改選から定数が26から22に削減されるほか、旧上磯、旧大野の選挙区が廃止され、全市域が1選挙区となる。現時点で、現職21人、元職2人、新人4人の計27人の立候補が見込まれ、旧町の垣根がなくなったことから激戦は必至。各陣営は幅広い層への支持浸透を図っている。

 現職は議員辞職などにより現在23人で、蛎崎孝氏(78)と菊地金吾氏(69)が今期限りでの引退を表明し、残る21人が立候補の意向を示している。元職は、前市議で昨年の市長選に出馬した山本正宏氏(66)、旧上磯町議を4期務めた小西信吉氏(73)の2人。新人は、秋田厚也氏(50)、白戸昭司氏(51)、高村智氏(44)、藤田啓実氏(60)の4人が立候補を予定している。

 合併後初の市議選となった2007年は、旧上磯地区の第1選挙区(定数20)に23人、旧大野町の第2選挙区(定数6)に11人が出馬。投票率は、「第1」が64・69%、「第2」が77・65%、全市平均では67・55%だった。

 「第1」では1595〜585票、「第2」では1153〜558票のラインで当選が決まり、1000票以上を獲得したのは5人。今回、有権者数を3万9000人、投票率を70%とすれば、投票総数は2万7300票で、27人が出馬した場合、最低ラインも大幅に上がることが予想される。

 旧町ごとの選挙区がなくなるが、新興住宅街を除けば、地縁や血縁も根強い。政策や知名度の浸透により、票の上積みをどこまで図れるかが大きな鍵となりそうだ(今井正一)


◎自分で手軽に遺言書…「わかば行政書士事務所」キット製作

 函館市新川町4の「わかば行政書士事務所」はこのほど、「遺言書作成キット」を製作した。遺言の書き方のポイントを、文例を交えて分かりやすく解説。希望者100人に無料で提供する考えで、25日からはがきで受け付ける。

 同事務所を開設して丸5年を迎えるのを機に「地域に恩返しができれば」と考え、同事務所の行政書士、中村拓哉さんがキット作製を企画。市内富岡町のおうる行政書士事務所の行政書士、鈴木淳さんと共同で作った。

 キットは、遺言書の書き方、ポイントを解説した「ガイドブック」(B5判、44n)と、遺言書の有無、保管場所を示す「遺言書カード」、を用意。遺言書を書くためのコピー防止用紙や保管用台紙、保管用封筒、開封防止シールもそろえた。

 ガイドブックでは、遺言書の基本的な規則、必要事項を説明し、実務上最も多い不動産や預金についての文例を中心に掲載。ペットについての遺言事例も記載し、かかりつけ医や持病、死後の連絡先、葬儀方法などを記す「準備ノート」も合わせて盛り込んだ。

 鈴木さんは「ガイドブックではなるべく法律用語を使わず最低限必要な事項を記した」と説明。中村さんも「日々の業務の中で、遺言書があれば争いやトラブルを防ぐことができたケースは意外と多い。法律的な事項のほか、付言として自分の思いを記すことによって遺言が生きたものになるはず」と話す。

 希望者ははがきで、〒040・0032 函館市新川町4、わかば行政書士事務所「遺言書作成キット」係。住所、氏名、電話番号、年齢を明記する。(鈴木 潤)


◎「北海道とうきびチョコレート」「海峡はちみつ明太子」市長賞…函館圏優良土産品推奨会

 郷土色のある優れた道南の観光土産品を選定する第55回函館圏優良土産品推奨会が23日、函館市若松町のロワジールホテル函館で開催された。最高賞に当たる函館市長賞に「北海道とうきびチョコレート」(道南食品=函館市千代台町)と「海峡はちみつ明太子」(イリエ船橋水産=鹿部町)が選ばれた。

 市や函館商工会議所、函館国際観光コンベンション協会などでつくる実行委(西村盛一郎会長)の主催。本格的な観光シーズンを前に年1回行っており、今回は道南の土産品メーカーや製造・販売業者などから、菓子と農水産品、民工芸品の3部門に合わせて51点の応募があった。参加事業所数は16社で、東日本大震災の影響で例年より少なかった。

 1次審査では原材料や消費期限などが正しく表示されているか、過剰包装を行っていないかなどを確認し、基準を満たしていた全品が通過した。試食を行った2次審査では、「北海道とうきびチョコレート」は味とパッケージデザインが、「海峡はちみつ明太子」は添加物を極力減らしはちみつとコンブで漬け込んだ味が高評価だった。(小泉まや)

 市長賞以外の入賞品は次の通り。

 ◇函館商工会議所会頭賞▽梶原昆布店がごめせんべい(金森商船)▽箱館奉行所松前漬(竹田食品)◇函館国際観光コンベンション協会会長賞▽いかいかクッキー いかすみ入(昭和製菓)▽函館いか塩辛そろいぶみ(不二屋本店)◇みなみ北海道地区観光土産品公正取引協議会会長賞▽おかえり奉行所クッキー(セラピア)▽おかあのはこだて愛情漬(たかせ)◇奨励賞▽函館ハイカラしっとりクッキー ミルクチョコ(昭和製菓)▽社長の松前漬(布目)▽鮭とばみそ(竹田食品)▽ひろめ舟祭り(久二野村水産)


◎田中さん初の大物サクラマス60センチ

 函館在住の田中直人さん(32)が21日、上ノ国町の石崎地区で60センチ、3・05キロのサクラマスを釣り上げた。これだけの大物のサクラマスは初めてといい、田中さんは「すごい大きさでびっくり。まだまだシーズンは始まったばかりなので、今後も大物を狙うぞ」と意気盛んだ。

 釣り歴20年の田中さんがサクラマスを狙うようになったのは10年ほど前。以降、3、4月のシーズンともなれば上ノ国や松前の日本海側へ足を運ぶ。この日は息子を連れ、同日午前6時半に現場に入り、陸釣りに挑戦した。風や波が強い中、初めは思うようなアタリが来なかった。

 竿に変化が出たのは、餌をサケの稚魚に付け替えたという午前7時半ごろ。波に取られ、竿が左右に激しく引っ張られる中、感触があった。5分くらいかけて陸に引き揚げると、見たことのない大物の銀輪が目に飛び込み、無事にゲットし息子とともに喜びを爆発させた。

 このポイントは、サクラマスシーズンになると地元の釣り人らでにぎわう。この日は悪天候とあってか人けは絶えていた。田中さんはこの後、午前10時まで粘るもアタリはなし。1月上旬も訪れたという松前のある岸辺に移動したが、竿に反応はなかった。

 田中さんは「それでも大満足。休みのたびに通うのは難しいが、チャンスがあればまた大物をゲットしたい」と笑顔で語った。(フィッシングショップ・インパクト)TEL0138・48・7400。