2011年3月29日 (火) 掲載

◎道も「個人から」受け付け…被災地への支援物資

 道がとりまとめ、東日本大震災の被災地へ届ける個人からの支援物資の受け付けが28日から、渡島総合振興局(函館市美原4)と桧山振興局(江差町陣屋町336)で始まった。4月22日まで受け付けている。

 道内の各総合振興局、振興局で一斉に実施。指定品目は▽賞味期限3カ月以上の食料=インスタントラーメン、カップめん、缶詰、粉ミルク▽生活用品=トイレットペーパー、箱ティッシュ、生理用品、子供・大人用の紙おむつ▽学用品=ノート、筆記具、消しゴム、絵本。いずれも新品に限る。

 学用品は段ボールにノートや筆記具など混在してもいいが、必ず内訳を添えること。

 渡島総合振興局は1階ロビーで対応し、28日は住民22人が支援物資を持参した。カップめんを袋に入れて提供しようとする人も少なくなく、迅速な搬送準備と被災地での仕分け負担軽減を図るため、道は「同じ種類の商品を箱(包み)単位で持ち運んでもらえれば助かる」と協力を呼び掛けている。

 市内美原の横浜英俊さん(67)は「何かできることがあればと思い、トイレットペーパーを買ってきた」。この春、宮城県の仙台大学に入学する金光秀花さん(18)も生活用品を家族3人で持ち運び「大学の入学式が5月に延びたが、その前に宮城に入ることができれば、ボランティアとして復興の力になりたい」と話していた。

 桧山は地域福祉係で受け付けている。ともに午前9時〜午後5時(土日、祝日除く)。問い合わせは渡島TEL0138・47・9429。桧山TEL0139・52・6651。(田中陽介)



◎企業局長に中林氏…函館市幹部人事

 函館市と市教委は28日、4月1日付の特別職・部長・次長・課長級人事を発表した。水道局と交通局を統合して新設する企業局長には、中林重雄水道局長(62)が就任。部長職は東日本大震災への復興対策などを踏まえた小規模な入れ替えとなり、戸井支所長に齋藤章生水道局事業部管路整備室長(53)、消防本部消防長に大坂晴義消防本部次長(57)、病院局管理部長には渡辺史郎同管理部次長(54)が昇格する。

 教員、医師を除く退職者は部長級5人、次長級3人、課長職15人で、昇格者は部長級3人、次長級5人、課長職9人の計17人にとどまった。小柏忠久副市長は「管理職の退職者が少ないことに加え、大震災への緊急対策に支障がないよう必要最小限にとどめた」とし、市長選後の5月をめどに異動を行う方針。

 このため、小柏副市長が市民部長を、谷沢広副市長は環境部長をそれぞれ兼任(=事務取扱)する。改行 教育委員会関係分では、函館金堀小校長に転出する平馬隆司学校教育部長の後任に、岡野伸二同部教職員課長(53)が就任する。

 このほか次長職では、港湾空港部次長に毛内晃管理課長(58)、病院局管理部次長に秋元浩医療情報企画課長(54)。消防本部次長に稲見和彦氏(57)、神林善彦氏(53)=北消防署長兼務、黒島良樹氏(55)=東消防署長兼務=が就く。

 昇格者の平均年齢は部長職が54・7歳、次長職が55・4歳。(千葉卓陽)



◎「長期滞在」「消費拡大」課題…観光基本計画でアドバイザー会議

 函館市の観光基本計画について検証する本年度第4回の函館市観光アドバイザー会議(座長・木村健一公立はこだて未来大教授)が28日、市地域交流まちづくりセンター(末広町)で開かれた。8人の出席委員が市が取り組むべき観光振興策の方向性や優先順位について議論を交わし、4月上旬に市長に提出する中間評価報告書の素案をまとめた。

 基本計画は市が取り組む観光指針として2004年度に策定。14年度までの10カ年計画で、本年度は計画の進捗度や必要性、優先順位などを中間評価するため、市内の観光関係者や学識経験者ら委員11人がアドバイザーとして話し合いを進めてきた。

 素案では、現在の計画で目標とする年間観光入り込み客数650万人について、人口減や景気低迷で「非常に難しい状況」と指摘し、長期滞在や消費拡大を重点課題に掲げた。委員からは「事業を評価する客観的データが足りない」「10年ではなく短期の計画や検証が必要」などの注文が出た。

 また、これまでの会議で行った「仕分け」の結果、現計画にある83分野の事業について33分野を積極推進、40分野を現状推進、5分野を廃止・変更、5分野を保留と結論付けた。今後、「選択と集中」によって▽歴史的な街並みの保存・活用▽外国人観光客の誘致や受け入れ▽市民参加型プログラム—を積極的に進める施策に挙げた。

 また、東日本大震災による函館観光への悪影響を懸念する声も根強く、委員からは「いくら安全でも表立って宣伝しづらい状況」(宿泊業界)「雇用が維持できず、破たん先も出てくるのでは」(観光施設)「自粛を続けていては経済が回らない」(経済団体)などの声が上がった。(森健太郎)


◎新規路線を開設…函館バス

 函館バス(函館市高盛町)は4月1日のダイヤ改正に合わせて、昭和営業所発着で亀田支所やJR五稜郭駅前を経由しJR函館駅までを結ぶ新規路線を開設する。このほか利用状況に合わせて1路線で増便し、6路線で減便。今回の廃止路線はない。

 新規路線は94系統とし、石川町の新都市病院や函館整形外科クリニックの患者らからの要望を受けて設ける。停車するバス停は、養護学校前や渡島支庁、中央小学校裏、亀田支所、昭和ターミナル、新都市病院、昭和、五稜郭駅前、八幡小学校前、宮前町、総合福祉センターなど。昭和営業所発は午前6時台から午後5時台まで、函館駅前発は午前7時台から午後6時までのそれぞれ5本ずつ。

 増便路線は6—2系統で、平日の利用が多いため午後3時台を増やし、現在の7往復から8往復とする。

 減便は、日吉や桔梗方面を循環する35系統で、平日は現在の6回から1回の運行とし、土曜日の運行はなくす。日吉営業所と函館駅を結ぶ6系統は、平日のみ往復合わせて3便減らし26往復に。昭和営業所から東山を結ぶ50—2系統は、平日のみ4往復から2往復に減らす。このほか1系統と41系統、バスパで減便する。

 変更するのは3路線。1系統の市立函館病院経由と総合福祉センター経由は、これまで停車していた五稜郭駅前と高台坂下では停車しない。鹿部七飯線急行便と鹿部川汲線急行便は、各駅停車の普通便とする。(小泉まや)