2011年3月5日 (土) 掲載

◎熱帯植物園 ビワの実たわわ

 函館市熱帯植物園(湯川町3)の温室で、ビワがたわわに実り始めた。オレンジ色の果実に興味を持った来園者が「甘酸っぱくておいしい」と味わっている。

 ビワは中国原産で、日本の主産地は長崎や香川、千葉などの亜熱帯、温帯地域。通常5、6月に熟し青果店などの市場に並ぶが、同園では高温の温室で花をつけた1月からすくすくと成長、2月下旬から徐々に膨らみ始めた。栽培を始めて約10年たち、希望者にプレゼントしている。

 日午前は、函館高盛小学校3年の子どもたち十数人が社会科見学で同園を訪問。果実をもぎ取って皮を向き「初めて食べたけどまた食べたい」と大喜びしていた。

 同園を管理・運営するNPO法人函館エコロジークラブの坂井正治さんは「まだまだ熟していないものもあるが、これから徐々に生育していく。食べてみたい人はスタッフに一声かけてもらえれば」と話している。(長内 健)



◎灯油窃盗が多発

 1月からの約2カ月間、函館・近郊の民家やアパートなど集合住宅の屋外で、灯油が盗まれる被害が多発している。函館中央署は窃盗事件として捜査。原油高を背景に夜間や朝方といった人けが絶えた時間帯を狙っての犯行とみており、「十分な警戒を」と注意を呼び掛けている。

 同署管内では、1月11日に七飯町字中島で発生してから、3月3日までに函館市内8件、北斗1件、七飯2件の計11件を認知。被害量は19〜700gと幅があり、合わせて2426gとなっている。函館市西部地区などを管轄する函館西署に被害届は出ていない。

 狙われたのは、一般住宅や集合住宅などに備え付けの400g入り燃料用ホームタンクや、一般的な18g入りポリタンクなど。被害者や業者が、ふたが外れたホームタンク、自宅前に置いてあったポリタンクから灯油が抜き取られていたのに気付いた事案がほとんど。市内美原や富岡町、昭和など世帯数が多い人口集住地区で6件の被害が出ているほか、洗車場での被害もあった。

 犯行時間は最短で約4時間20分。同署では、手動の灯油ポンプでくみ上げ、別の仲間が待機している軽トラックなど比較的大きめの車両に積み込む複数犯の犯行とみて、捜査している。



◎市学校給食会 天下り?…事務局長は歴代元校長

 函館市内の小中学校に提供する給食の食材を共同購入している「函館市学校給食会」が設立以来、退職した校長が歴代事務局長のポストに就いていることが分かった。市の補助金で人件費などの運営経費を賄っているため、「天下り」との反発も上がっている。

 4日の市議会一般質問で、松尾正寿氏(新生クラブ)がただした。  市教委によると、同会は良質で安価な食材を市内にある75の小中学校に供給することを目的に1966年に設立。主に副食に使う生鮮食品や調味料などを一括購入し、市内にある36の給食調理場に供給する。事務局では取り扱う食材の安全性の確認と調査研究も行っている。

 現在は事務局長1人、栄養士2人、事務員2人の計5人体制。本年度は市からの運営補助金1783万円のうち、人件費が1552万円を占める。事務局長は常駐で、3年ごとに現役の校長やPTAの代表、栄養教諭、市教委職員らの理事14人が役員会で事務局長を選任しているという。

 松尾氏は「どう考えても世間一般で言う天下りであり、校長先生に野菜や魚の鮮度が分かるのか」と指摘。平馬隆司市教委学校教育部長は「事務局長は学校との調整が重要な業務で、管理能力に加えて、学校事情や学校給食に精通した人材として退職した校長を充てている」と述べた。(森健太郎)


◎ワーキングプア解消へ 新年度から臨時職員の賃金値上げ…函館市議会

 函館市議会第1回定例会は4日、一般質問を継続し、4人が登壇した。西尾正範市長は、新年度から市の臨時職員(事務補助)の賃金を現行の日額6060円から6590円に引き上げることを明らかにした。人件費の抑制を目的とした職員の非正規雇用化に伴う、いわゆる「官製ワーキングプア(働く貧困層)」の解消を目指す。

 紺谷克孝氏(共産党)の質問に答えた。

 市人事課などによると、臨時職員の実質的な賃金引き上げは、2008年10月以来約3年ぶり。時給に換算すると781円から850円に上昇し、年収ベースでは148万円から161万円にアップする。同課は「引き上げ幅も大きく、賃金水準は過去最高となるのでは」とする。

 近年は全国で自治体の経費削減で業務の外部委託や非正規雇用が増え、低賃金労働者を大量に生む結果となっている。西尾市長は「委託業務は低い額で採用される人が多く、社会を荒らしている原因にもなっている。最低でも年収200万円を目指して少しずつ改善していきたい」との見解を示した。

 本年度は選挙関連業務などで臨時職員の採用増が見込まれるため、年間では前年比で3000万円程度の経費が増える見通し。このほか、西尾市長は12年度からの指定管理者の管理委託料限度額についても「人件費の増額を考慮して設定している」と述べた。

 一般質問には、紺谷氏のほか、松尾正寿氏(新生クラブ)、石井満氏(民主・市民ネット)、志賀谷隆氏(公明党)が立った。(森健太郎)


◎函商高 今年も全道1位…全商検定 3種目以上1級合格

 函館商業高校(滝田進校長)の本年度の卒業生中、全国商業高等学校協会(全商)主催の各種検定試験で、1級を3種目以上合格した人数が123人となり、昨年に引き続き全道1位に輝いた。

 全商の検定試験は簿記、会計事務、ワープロ、珠算、電卓、英語、情報処理プログラム、情報処理ビジネス、商業経済の9種目。高校卒業までに最高レベルの1級を3種目で取得すると、全商から表彰される。

 同校では放課後や休日などに講習を行うなど、生徒の資格取得を全面的にバックアップしている。2006年度は52人だった表彰者数も年々増え、昨年年度に123人(内定時制生徒1人)で念願の全道1位を達成。本年度は全日制のみで123人と記録を更新した。

 同校で最高となる8種目合格を果たした奥村佳奈さん(18)は「失敗することもあったが1年から頑張ってきた。昨年11月に最後に取得したのが、1番苦手だった珠算。受かった時は本当にホッとした」とにっこり。

 一方、7種目合格した前川春香さん(18)は「入学時からできるだけたくさん資格を取ろうと意識してきた。授業にない科目は大変でしたが、補修を組んでもらったり助けてもらったから頑張れた」、新井田琴江さん(18)も「ゼロから始めるものもあり、苦労が多かった。卒業しても色々な資格を取れるよう、努力していきたい」と瞳を輝かせていた。 (堀内法子)