2011年4月21日 (木) 掲載

◎五稜郭公園でブルーギル90匹駆除

 函館市の五稜郭公園の水堀で20日、外来魚ブルーギルの駆除調査が行われた。函館市とさけ・ます内水面水産試験場(恵庭市)の専門家がボートで90匹を捕獲。道内でブルーギルが確認されているのは五稜郭公園のみで、関係者は「生息数は相対的に減少している。駆除対策と研究の継続、各地に広げない取り組みが大事」としている。駆除は21日も実施する。

 駆除調査は、同試験場の工藤智主査らがボートに乗り込み実施。水中に電気を流して、感電し石垣のすきまなどから浮いてきたブルーギルを網ですくった。捕獲分の内訳は、昨年生まれたとみられる3〜4センチの65匹、2〜3年級は7〜8センチの25匹で、裏門付近に集中した。

 五稜郭公園のブルーギルは、1991年に北大の調査で判明。2000年に生息調査が始まり、04年から本格的な駆除調査が行われている。電気ショック、網かご、さお釣りによる駆除で、渡島総合振興局水産課によると昨年までに約8万9000匹が捕獲されている。

 電気ショックの駆除は水温10度が最適で、年中できない。5月中旬からは、さお釣りの駆除調査が行われる。釣り駆除は、函館市や道、渡島さけ・ます増殖事業協会の職員らの協力で毎年実施している。公園内での一般の釣りは禁止されている。

 工藤さんは「五稜郭公園のブルーギルを駆除し、道内に広げないことが重要。これからは釣り調査が行われる。調査内容をもとに、対策の研究に力を入れたい」としている。(田中陽介)



◎マグロのぼりで被災者応援、児童ら寄せ書き

 東日本大震災の被災者を励まそうと、函館市戸井地区の2小学校の児童らが20日、五稜郭タワーに掲げる「マグロのぼり」にメッセージを寄せ書きした。青森県大間町のまちおこしグループ「あおぞら組」(島康子組長)が企画したプロジェクト。希望や復興、平和といった願いが書かれた巨大のぼりは、29日にお披露目される。

 被災地を元気付けようと、津軽海峡でマグロを水揚げする青函地域の住民が共同で行う。長さ10メートルののぼり両面には「よみがえれ!海のまち」「負げるな!海のこども」とあおぞら組による2つのメッセージが書かれ、この周囲に大間町、外ケ浜町、松前町の児童や漁師らが寄せ書きしてきた。

 20日の戸井西小学校(山本直樹校長、児童71人)では、3〜6年生計44人が参加。島組長らが見守る中、「みんながいる。北海道から応援しています」「希望を持って頑張ろう」などと丁寧に書き込んでいた。同校児童会会長の金澤裕樹君(11)は「必ず復興できるという思いでメッセージを書いた。自分たちの言葉が現地に届けば」と期待。この後、日新小、戸井漁協関係者も書き加えた。

 島組長は「戸井も大間も被災地の多くも同じ海のまち。皆さんのメッセージは東北だけでなく、全国、世界に発信できるはず」と力強く話していた。

 こののぼりは、青森のねぶた師竹浪比呂央さんが描いた別のマグロのぼりと合わせ、29日午後、五稜郭タワーに登場する。(長内 健)



◎北斗でアサリ漁スタート

 【北斗】北斗市沿岸の春の風物詩「アサリ漁」が20日、市内館野から茂辺地にかけての海岸沿いで一斉に始まった。初日は、漁業者38人が浅瀬に出て、約280キロのアサリを掘り出した。上磯郡漁協上磯支所は「スタートとしてはまずまずの水揚げ量」としている。

 この日の漁は午前の干潮時間をめがけてスタート。資源保護のため32ミリ以下の貝は採取しないことを取り決めている。くま手などを手にした漁業者は、石や砂をかき分けるように掘り返してはアサリを手探りで見つけ、大きさを確認しながら次々とかごや網に入れていた。

 若手漁業者の菊地慎吾さん(29)は「沖の方では大きい貝も採れているが、全体的に規格外の小さい貝が目立つ。初日としてはまずまず採れているのでは」と話していた。

 アサリは砂抜きをした後、1パック300グラムに袋詰めされ、今週末には生協など市内近郊のスーパーの店頭に並ぶ。漁は5月末までの間、干潮の時間帯に計8回行う予定。(今井正一)


◎春の全道火災予防運動スタート

 春の全道火災予防運動(20〜30日)の初日、函館市消防本部は市内の4人の主婦を一日消防官に任命し、各所で住宅防火対策に関連した行事を実施した。幼稚園への訪問や普通救命講習の受講、普段はなかなか見ることができない通信指令室の見学などで防災に対する心構えを学んだ。

 任命式は北、東の両署で行われ、各署長から委嘱状が交付された。今回任命されたのは市内の幼稚園に子どもを通わせる小林久美子さん、荒木智恵子さん、若山直美さん、高橋由布子さん。家庭の防火を担う女性に防火思想を啓発しようと選ばれた。

 4人は各署でことし6月から設置が義務付けられる「住宅用火災警報器」や消火器の使用法について学習。市内2カ所の幼稚園を訪問し、「火遊びは絶対しないで。花火をやる時は大人と一緒にね」などと語りかけ、園児と消防車を間近で見学した。

 その後、同本部で本年度に採用された研修中の若手署員と一緒に普通救命講習に参加し、心肺蘇生法や自動体外式除細動器(AED)を体験。通信指令室では、出動の流れや火災現場の確認など緊急を要さない電話が多く寄せられている事実を聞き、驚いた様子だった。

 一日消防官の4人は体験を通して「とっさの時には何をしてよいのかわからないので、定期的な訓練が必要だと思った」と話していた。(小杉貴洋)