2011年4月3日 (日) 掲載

◎五稜郭タワーに巨大マグロのぼり出現

 東日本大震災の被災地を元気づけようと、青森県大間町のまちおこしグループのメンバーが、こいのぼりならぬ「巨大マグロのぼり」を作製し、函館市内の五稜郭タワー(五稜郭町)で2日、試し揚げが行われた。

 津軽海峡圏の函館、大間が協力し、同じく「海のまち」である被災地の復興を願って「あおぞら組」(島康子代表)が企画。当初は東北新幹線全線開業にちなんだ観光PRの計画だったが、震災を受けて急きょ趣旨を変更した。

 マグロの力強い生命力に思いを託し、全長10メートル、腹回り3メートルののぼりを2体作製。1体はねぶた師に色付けやマグロのデザインを依頼し、もう1体はマグロにゆかりのある市内戸井地区や松前町、青森県の大間町の住民らに魚体に応援メッセージを書き込んでもらう。

 試し揚げは強風で吹き流しが絡まるハプニングもあったが、真っ白なマグロが春の風をはらませて元気に泳いだ。11日から各地を回ってメッセージを集め、4月29日〜5月5日まで同タワーに掲揚する予定。島代表は「海のまちの仲間として元気に復興する希望の象徴にしたい」と話している。(森健太郎)



◎社会福祉法人「かいせい」、パンの店オープン

 社会福祉法人「かいせい」(川端昭治理事長)が開設したパンの店「オリーブ」が1日、函館市追分町5にオープンした。

 障害者の就労移行支援事業所としての機能を持った店で、利用者と職員計15人で切り盛りする。住宅街の一角に立地していて、店内は売り場のほか作業場が設けられ、ここで利用者がパン作りをする。

 添加物は使わず、道産小麦を使用。メロンパンやあんぱん、ピザトーストなど30種類以上を用意し、120円から200円前後で販売する。かいせいオリジナルのクッキーやシフォンケーキも扱っている。

 開店初日から地域住民らが大勢訪れ、好みのパンを買い求めていた。3日まで先着100人に粗品をプレゼントする。

 運営責任者の松田由美子さんは「地域に親しまれる店にしていきたい」と話している。

 営業は午前10時〜午後6時。土日、祝日休み。(鈴木 潤)



◎老人福祉センター利用者アンケート、「施設有料」に肯定55%

 函館市はこのほど、市内4カ所の老人福祉センター利用者に行ったアンケートの調査結果をまとめた。昨夏実施した「事業レビュー」で、施設利用の有料化や指定管理者制度導入の検討を求める声が上がったことを受けた調査で、利用者の8割が、3カ所で備えている風呂の利用を目的に訪れていることが分かった。施設利用の有料化は回答者の55・3%が肯定した一方、無料利用を継続してほしいとする意見も3割を占めた。

 事業レビューの総合評価で、センターの管理について▽ニーズの変化に対応した事業展開と受益者負担の検討▽指定管理者の導入など施設運営のあり方の検討—が示されたことを受け、昨年12月にアンケートを実施。1091人が回答した。回答者のうち、70歳以上が76・5%に上る。

 センターを利用する目的(複数回答)について、880人(80・7%)が「風呂」と回答。このうち入浴施設がある湯川、谷地頭、美原の利用者では85・5%が入浴目的としている。利用回数の設問では「1週間に3〜4日」が411件(37・7%)で最多で、「5〜6日」が359件(32・9%)で続く。

 利用料への考え方に関する質問では、「有料にすべき」が106件(9・7%)で、「多少の負担は仕方ない」497件(45・6%)を合わせると55・3%が肯定。無料のままを求める回答も353件(32・4%)寄せられたが、無回答も103件(9・4%)あった。

 負担方法としては「風呂利用の場合に限り負担する」とした回答が414件(37・9%)と最多で、入館料としての負担が285件(26・1%)。浴室利用料とした場合の料金設定は100円が456件(41・8%)、無回答が405件(37・1%)と多かった。

 市福祉部は、レビューの総合評価と今回のアンケート結果を踏まえ「新年度に他都市の状況を調査しながら、検討を進めていきたい」(介護高齢福祉課)としている。(千葉卓陽)


◎函館にプロサッカーチームの誘致計画

 函館市を拠点とし、Jリーグにつながる日本フットボールリーグ(JFL)の加盟を目指すプロサッカーチームを誘致する計画が持ち上がっている。東京の大手企業がスポンサーとなり、昨年11月に道サッカー協会から函館サッカー協会にJFL参入の打診があったが、競技場の専用使用をめぐって関係団体の協議が難航しており、計画は暗礁に乗り上げている。

 複数の関係者によると、昨年10月末、東京都内に本社を置く企業から、千代台公園陸上競技場を本拠地とするチームを結成し、同競技場で年間12試合のホームゲームを開催したい意向がサッカー協会に示された。

 JFLに参加するには道サッカーリーグに加盟する必要がある。同リーグを勝ち上がった上で全国地域リーグ決勝大会の上位2チームに入ることが条件となる。

 しかし、リーグ参加以前に競技場の使用という難題が立ちはだかる。函館市内でJFL参加要件を満たす5000人以上が収容できる施設は同競技場しかなく、土、日曜日は陸上競技の大会などでほぼ日程が埋まっている。函館サッカー協会は計画が浮上して以降、市教委と数度の交渉を重ねたが、陸上競技が優先されて日程が組み込まれているため不調に終わっている。

 市教委は「陸上競技場は1999年開場前年の98年に関係団体が集まり、陸上競技に支障のない範囲で他種目の使用を認めることを確認している」とする。函館サッカー協会の永沼秀興会長と、道南陸上競技協会の桜庭辰弥会長とが直接会談したが、折り合いはついていない。

 陸上競技の大会や練習会によって毎年全国トップクラスの選手を輩出し続けているのも事実。道南陸協の岡部寿一理事長は「12試合の開催によって陸上大会ができなくなり、選手育成や教育にも大きな支障が出てくる。記録を計る機器がそろっているのは千代台しかなく、ほかの競技場での大会は公認記録として認められない」と話す。

 一方、函館サッカー協会関係者は「グラウンドの許可さえ出ていれば実現した話」と市による調整を訴える。「この話が今後どうなるかはわからないが、可能性を高められるよう継続して話し合っていかなくては」と望みをつなぐ。市教委の妹尾正白生涯学習部長は「ハードルが高過ぎるが、どういうことが可能なのか、陸協とも話し合いの場を設けていきたい」と話している。(小林省悟、千葉卓陽)