2011年4月9日 (土) 掲載

◎函館市病院局 医療救護班 気仙沼へ

 東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市に函館市病院局の医療救護班が、10日から16日まで7日間の日程で派遣される。道からの要請を受けたもので、被災地の避難所2カ所で救護活動に当たる。

 派遣されるのは、市立函館病院救命救急センター医師の武山佳洋さん(39)、同病院看護師の吉田亮太さん(32)と益子健さん(47)、同病院薬剤師の桜田穣さん(33)、同病院事務局の鈴木将宏さん(37)、恵山病院内科医の田谷智さん(41)。3月30日付けで道知事から派遣要請を受けた。

 救護班は、200人が避難している気仙沼市本吉町大谷地区の大谷公民館と、500人が身を寄せている同小泉地区の小泉中学校で医療活動を行う。風邪や体調を崩した被災者の医療活動に従事するとともに、被災したことによる精神的なケアも要望されている。

 兵庫県出身で阪神大震災を体験し医師を志した田谷さんは「必要とされることにはできる限り対応していきたい」と話し、被災地での活動経験のある桜田さんは「薬剤の提供はもちろん、経験を生かし、医師をサポートしていきたい」と意気込む。

 7日に起きた余震の影響で被災地の状況も変化している。益子さんは「情報が大切。後方支援隊と情報を共有して活動していきたい」と話す。一行は、10日午前6時45分に市立函館病院を出発し、フェリーで岩手県一関市に向かい現地入りする。(黒田 寛)



◎ボランティア登録開始 市社協

 東日本大震災の被災地支援が進められる中、函館市社会福祉協議会(市社協、谷口利夫会長)が運営する同市ボランティアセンターはこのほど、市総合福祉センター(若松町33)内のボランティア相談窓口で、被災地でのボランティア活動を希望する市民の登録を始めた。同センターのほか七飯町社協も実施に向けて検討している。

 被災地からのボランティア支援の要請があった場合、迅速に対応するための取り組みで、道社協が道内各市町村の社協に呼び掛けていた。

 同センターの登録対象は有志の市民。被災地までの交通費や宿泊費、食費、ボランティア保険料などすべての活動経費を負担することが条件。

 派遣先は岩手県で、被災地の災害ボランティアセンターからの要請を受けて道社協が各市町村の社協に打診する流れとなる。

 8日現在、登録者は7人で、これまでに被災地からの具体的な支援要請はない。市社協によると、避難所生活をしている被災者がまだ多く、今のところ家屋の片付けなどの要請は少ないといい、「登録が即活動の紹介に結び付くものではない。被災地支援の長期化が予想されており、円滑な情報提供を進めていきたい」としている。

 問い合わせは同センター電話0138・23・2226。



◎統一地方選 「自粛」で低下懸念

 統一地方選の前半戦となる道知事選と道議選は10日、投票が行われ、即日開票される。道議選では道南の4選挙区で激しい戦いが繰り広げられているが、東日本大震災の影響による自粛ムードの広がりで、投票率の低下が懸念されている。函館市区は各陣営とも、2007年の前回並みか数ポイント下回ると予想する一方、選管は若者へのアプローチを強めるなど、投票率アップに躍起だ。

 前回の道議選投票率は函館市区で58・44%と03年比1・17ポイント増ながら、全道21市中18位にとどまった。渡島総合振興局区は67・81%(同0・84ポイント減)桧山振興局区77・92%(同0・79ポイント減)、新設された北斗市区は62・84%だった。

 今回は震災の被災者に配慮し、民主、自民、公明の各陣営が選挙活動を自粛。遊説時間を午前9時〜午後6時に短縮するとともにマイクの音量を下げるなどしており、これに伴って投票率も下がると分析する陣営が多い。

 定数6に対し9人が立候補し、道内有数の激戦区となった函館市区。ある現職陣営は、投票率を55〜52%と予想し「9日間で27時間分の活動自粛は痛く、有権者への浸透の度合いも分からない。選挙カーのスピードを少し早めたり、個人演説会で若干長めに話してもらうしかなかった」と話す。

 現職陣営の中には無党派層への浸透よりも、もともとの支持者や組織固めに重点を置く戦術が目立つ。また、58〜55%と予測する新人陣営の幹部は、その要因を知事選の低調さにあると指摘。震災の影響については「全市的にみると被災地域は限られる」とみて、当選の最低ラインを1万6000票と読んで票固めを急ぐ。

 一方、函館市選管は投票率アップに向け若者をターゲットに啓発活動を展開。市内5つの大学・専修学校の各サークルに啓発グッズを配布し、友人らに徐々に意識を高めてもらう作戦を取った。9日には道選管と合同で、市内2カ所で啓発活動を行う。

 市選管は「震災の影響がないとは言えないが、こういう時こそ地域の課題に取り組む候補者をしっかり選んで投票してほしい」と話している。(道議選取材班)


◎熱いぞ自転車商戦 付加価値チャリが人気

 函館市内のホームセンターや専門店では、自転車商戦がピークを迎えている。例年同様、後方に荷台が付いた「ママチャリ」が圧倒的人気を見せる中、パンクを抑止するなど付加価値が付いた商品も増え、学生・新社会人らの新たな需要を掘り起こそうと各店とも意気込んでいる。

 戸倉町258の「ホーマックスーパーデポ湯川店」は、屋内外に約500台を陳列。パンクを抑止するため、タイヤに厚さ5ミリのゴムが入ったママチャリ(1万9800円)を今年初めて展示。夕方に自動点灯するLEDライトも付き、学生や社会人らの需要が急増しているという。ピンクやオレンジなどカラーバリエーションが豊富な子ども向けの三輪車(1万3800円)も人気だ。

 中川勝洋店長は「アルミ製のU字型ロックキーなど防犯対策用品も売れてきた」と話す一方、「近年は快適性や安全性を求め、自転車を長く乗ろうとする市民が増えている」と傾向を分析する。

 市内中道1の専門店「マルチモーター」は、常時約30台を展示。ワイヤが長いダブルループ付きのママチャリ(2万円から)がよく売れているという。「4月の商戦ピークが過ぎた後も、6月までは並べたい」と同店。

 ジャンボイエロー亀田店(亀田町21)では、ママチャリを中心に常時100台を並べる。「中高生の需要が目立つ」(同店)ほか、電動自転車も高齢者に人気だ。同店は「今年もそうだが、近年鍵を買い求めるなど防犯を意識する人が多い」としている。(長内 健、平尾美陽子)


◎大沼でミズバショウが咲き始める

 【七飯】大沼国定公園内の湿地で、ミズバショウが咲き始めた。同公園に早春の到来を告げ、本格的な観光シーズンの訪れを感じさせている。

 ミズバショウはサトイモ科の多年草で、仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる白い葉が変形した中に、円柱状の花を咲かせる。大沼の今冬は大雪で、1月下旬に最大積雪が90センチとなったが、2月下旬から雪解けが進み、今月2日には積雪ゼロに。このころから暖かい日が続き、白いかれんな姿が見られるようになった。

 自然公園財団大沼支部によると、今年はほぼ平年並みの開花で、見ごろは今月下旬という。(山崎純一)