2011年5月17日 (火) 掲載

◎木古内・薬師山、シバザクラ鮮やか

 【木古内】木古内町の町中公民館裏にある薬師山(72b)のシバザクラが見ごろを迎えた。山頂の斜面は鮮やかなピンクに染まり、観光客や散歩に訪れた町民の目を楽しませている。

 薬師山を彩るシバザクラは同町の初夏の名物。約400平方メートルの斜面に2万6000株を超すシバザクラが植えられている。町によると、今年は気温が低かったため、例年より開花が遅れていた。

 山頂からは木古内町の街並みと津軽海峡を見渡せるほか、知内まで続く海岸線、その先の矢越岬まで望むことができる。シバザクラの美しさと相まって、毎年この時期には多くの観光客らが訪れている。

 函館市から訪れた女性は「毎年咲くのを楽しみにしている」と笑顔。町では「シバザクラは5月いっぱい楽しめるので、きれいな花と山頂からの眺めを満喫してほしい」と話している。(松宮一郎)



◎昨年度の函館市、一般会計8億8100万円の黒字

 函館市は16日までに、2010年度各会計の決算見通しをまとめた。それによると、一般会計は8億8108万円の黒字となった一方、特別会計のうち国民健康保険事業、自転車競走事業の2会計は累積赤字を解消できず、市は23日開会の第1回市議会臨時会で両事業に関し、11年度の歳入を前倒しして赤字補てんする補正予算案を提案する。

 市財政課によると、一般会計の黒字は市税収入が年度当初予算(320億4500万円)から約2億6000万円上回ったほか、特別交付税額が見込みよりも約2億6000万円増加したことが主な要因。また、庁舎の維持管理費節減や退職者が当初見通しから少なかった点なども挙げられる。

 この結果、約10億円を予定していた退職手当債の借り入れは、行わずに済む見通し。通常は黒字額の半分を財政調整基金などに積み立て、残り半分を本年度補正予算の財源に充てるが、同課は「まだ扱いは決まっていない」と話している。

 一方、国民健康保険は単年度で4億6812万円の黒字を計上する見通しだが、累積では1億8189万円の赤字。自転車競走事業は10年度、大規模なレースが相次いだが、長引く不況の影響で単年度で2763万円の赤字。累積赤字額は5億8000万円となっている。

 同課によると、国民健康保険特別会計は1998年度から、自転車競走事業特別会計は05年度から赤字が続いている。(千葉卓陽)



◎「函館は安全と伝えたい」、台湾の旅行・報道関係者が視察

 新千歳―台北線の定期便や函館―台北線のチャーター便を運航する台湾のエバー航空が招いた現地のメディア・旅行関係者らが16日、東日本大震災後の観光地を視察するため函館入りした。一行は津波被害を受けた市内ベイエリアや函館山の夜景を見て回り、函館観光の安全性を確認した。

 視察団は道内観光の安全性を台湾でPRしようと、同社が15日から3泊4日の日程で企画。震災後、台湾からの同様の視察団の函館訪問は中華航空主催の4月に続いて2回目。函館滞在は16、17日の2日間の日程で、今回は現地の大手旅行会社と報道機関の関係者ら27人が訪問した。

 一行は16日夕方、登別からバスで到着し、「熱烈歓迎」の横断幕とともに工藤寿樹市長らの出迎えを受けた。工藤市長は「函館は震災で津波被害があったが、既に復興して平常な状態に戻った。震災前には台湾から多くの方が訪れていただけに、戻ったら函館は問題ないと積極的にPRしていただきたい」と語った。

 台湾当局は震災後の原発事故を受け、道内への渡航自粛勧告を出していたが、4月中旬に解除。エバー航空の陳啓弘営業本部長は「函館は大自然があり、人もすごく優しい。震災後の復興状況を自分の目で確認し、心配している台湾のお客さんに北海道・函館は安全だと伝えたい」と述べ、7〜8月にチャーター便を再開する検討に入る考えを示した。

 一行はこの日、歓迎会が開かれた湯の川地区のホテルに宿泊。17日に五稜郭タワーや函館朝市などを巡った後、大沼を経由して札幌に移動し、18日に帰国する。(森健太郎)


◎函館バスが21日に婚活応援イベント

 函館バス(函館市高盛町、寺坂伊佐夫社長)では、これまで4回の婚活応援イベント「HAPPYバスツアー」を開催し、このうち3組が結婚につながった。交際への進展を含めると多い時には1回に4組のカップルが誕生しており、同社は「かなりの高確率」と自信を深めている。21日には5回目の開催を予定しており、現在参加者を募集中だ。

 2007年夏に初開催して以来不定期で行っている。くだもの狩りなどのイベントを充実させたり、座席の組み合わせをランダムに替えることで多くの人と接するチャンスがあるという。希望の相手に自分から接近できない場合には、秘密兵器の「リクエストカード」に相手の名前を記入して同社の社員に託すと、席の割り振りの時に希望を反映させるなどの配慮もする。

 過去4回で延べ約110人の参加があり、うち結婚報告があったカップルは3組。社員が結婚式に招待されたこともあり、この時は社長から記念品を贈った。参加者の年齢は30歳前後が多かった。同社は「『婚活』をうたっていますが、友人を増やすくらいの気楽な気持ちでもいい」。

 5回目となるツアーは21日にJR函館駅前発着で開催する。午後1時20分に同駅を出発し、北海道昆布館(七飯町)での買い物や、大沼公園でのボート乗船と散策を楽しんだあと、函館市内に戻りアートキャンドル作りなどを行う。夕食は津軽海峡フェリーのターミナル(函館市港町)でお好み焼きを作る。同社は「アルコールも提供しますので、ロマンチックな雰囲気のターミナルで会話を弾ませてください」と参加を呼び掛けている。

 対象は20〜40歳の男女各15人ずつ。当日に免許証などで年齢を確認する場合がある。参加費用は男性8000円、女性5000円。申し込みの締め切りは19日。問い合わせと申し込みは同社TEL0138-51-3137。(小泉まや)


◎桧山南部・市街地周辺、ヒグマの出没増加

 【乙部】桧山管内南部では今春、市街地周辺でヒグマが出没するケースが増加。狩猟関係者は「ヒグマが人を恐れない傾向が強くなった」として、ヒグマを呼び寄せる家庭ゴミや農漁業廃棄物などの管理徹底が必要としている。

 乙部町では9日、花磯の民家近くに親子とみられるヒグマ3頭が出没。15日も2頭の子グマが豊浜の国道229号沿いの斜面に現れた。1頭はハンターが駆除した。ヒグマは人の様子を気にしながらも平然とした様子で餌を探すなどしていた。4月22日に上ノ国町小砂子に出没したヒグマも、パトカーのサイレンなどを気にせず国道脇から立ち去らず、町職員が爆竹を鳴らしてようやく追い払った。

 地形が険しく平地が少ない桧山南部は、ヒグマの生息域と市街地など人が活動する場が重なり合う。だが、高齢化でハンター人口の減少も続いており、狩猟関係者は「ハンターに追われる恐怖を知るヒグマが減った」とし、若いクマが、好奇心や餌にへの執着心から、市街地に接近する傾向が強まっているとみる。

 上ノ国町では4月、小安在の山林で山菜採りをしていた男性(63)がヒグマに襲われて死亡。江差署や桧山振興局は、入山時には人の存在を知らせる鈴や笛を携行するなど対策が必要と指摘。民家周辺に置いた生ゴミや堆肥を作るコンポスト容器、農漁業に伴う廃棄物が、ヒグマをおびき寄せる原因にもなるとし、管理の徹底を求めている。(松浦 純)