2011年5月21日 (土) 掲載

◎赤、白、黄色 サクラ鮮やか共演…的場中

 函館的場中学校(藤井壽夫校長)の中庭に植えられているサクラが、見ごろを迎えた。同校では美しい花の様子を見てもらいたいと、一般市民に来校を呼び掛けている。

 すでに開花しているのはウコン(鬱金)、カンザン(関山)、ジョウニオイ(上匂)。なかでもウコンは戦後間もなく植樹したといい、樹齢60年を超える。淡い黄色の艶やかな大輪に、来校者はうっとり。その隣には濃いピンク色のカンザンが並び、紅白の美しいコントラストも見どころのひとつ。また、中庭への出入り口に花を咲かせるジョウニオイは周囲に甘い香りを漂わせている。

 一方、ギョイコウ(御衣黄)は満開まであと少し。小さなつぼみが所々開き始めている。同サクラは植物のなかでも珍しい、緑色の花を咲かせる品種。最盛期には赤みが増してくるといい、日々の変化を楽しめる。

 近隣住人や卒業生を中心に毎年観賞を楽しみにしている人も多く、今年は一般開放開始後、3日間で100人が訪れた。藤井校長は「学校の思い出に黄色いサクラ≠あげる卒業生も多い。美しいサクラを、たくさんの方に見てもらいたい。今年は例年よりも少し開花が遅れている。一番の見ごろは25日前後」と来校を呼び掛けている。

 開放時間は平日の午前10時〜午後2時。問い合わせは電話0138-52-5108(同校)(堀内法子)



◎もちまきに歓声…中島三郎助まつり

 中島廉売恒例の祭り、中島三郎助まつり(中島町商店街振興組合、仲通り商店街主催)が20日、函館市内の同廉売で開幕した。21日までYOSAKOIソーランの演舞やスイーツの販売、各店の特売などさまざまな催しが繰り広げられる。

 町名の由来となった幕臣、中島三郎助の供養を目的に毎年5月に開催しており、今年で18回目。

 初日は中島三郎助祈願祭が行われ、僧侶による読経の中、同組合の役員らが順番に焼香した。続いて、もちまきが行われ、参加者は役員や来賓がまいたもちや菓子を拾い集めた。友達と一緒にもちまきに参加した函館中島小4年の小柏瑠聖君(9)は「たくさん取れた。面白かった」と笑顔を見せていた。

 廉売内の中島れんばいふれあいセンターでは毎月恒例の中島れんばい横丁も共同開催。トラベリングバンドひのき屋のライブなどが行われ、こちらもにぎわいを見せていた。

 21日は午後1時から、各店が1品100円で販売する「100円市場」を開催。同2時から函大付設調理師専門学校特製のスープを先着150人に振る舞うほか、同3時からはYOSAKOIソーランの演舞も行われる。(鈴木 潤)



◎環境大臣賞有馬さん

 野生鳥類の保護に尽力したとして、本年度の野生生物保護功労者表彰で環境大臣賞に函館市日吉町の有馬健二さん(82)が決まり、20日、渡島合同庁舎で渡島総合振興局の寺山朗局長から表彰状が伝達された。同賞は全国で3個人3団体が選ばれ、道内からは有馬さんが唯一の受賞。有馬さんは「元気な限り、この仕事を続けたい」と喜びをかみしている。

 有馬さんは、1986年から自宅で傷病鳥の治療、リハビリを行い、回復個体を放鳥している。これまでに926羽(41科129種)を保護・収容し、343羽を自然界に返した実績がある。

 また、日本野鳥の会函館支部長も務め、78年から函館近海で越冬するコクガンの調査を行っており、コクガン保護のための基礎資料作りに貢献した。

 有馬さんは「受賞に驚いている。野鳥の死亡率を下げることを目的に取り組んできたことが認められ、うれしい」と話している。

 このほか同表彰では、鳥獣保護員を務める森町砂原の小竹大実さん(62)、函館市船見町の小松俊男さん(60)に環境省自然環境局長感謝状が贈られた。同感謝状は全国で41人、道内は小竹さん、小松さんを含め4人。(山崎大和)


◎市町会連合会 新会長に奥野氏選出

 函館市町会連合会(市町連)の本年度定期総会が20日、マリエール函館(梁川町2)で開かれ、新会長に深堀町会長の奥野秀雄氏(74)を選任した。同氏は「課題は山積しているが、任務に全力投球したい」と意気込みを語っている。

 敦賀敬之前会長(豊川町会長)の辞任に伴い、3月下旬に西部、中央、東央、北部、東部の各地区協議会のメンバーでつくる会長候補者推薦委員会を設置。4月27日に無記名投票を行った結果、新会長に立候補していた奥野氏の推薦が決定。市全域の町会長ら141人が出席した総会で追認された。

 奥野氏は町会加入率の減少について「市民に関心を持ってもらえる市町連づくりを進めて歯止めをかけたい」と述べたほか、「東日本大震災の教訓を生かした防災体制構築も魅力的な町会づくりにつながる」と力を込めた。

 総会では昨年度の事業報告や収支決算を承認。本年度の事業計画案では、来年度に市町連創立50周年を迎えることから、記念準備会を設置することが報告された。また、震災被災者への義援金として19日現在、147町会から2381万円5799円、市町連としても10万円を寄せたことが紹介された。  質疑応答では、大間原発の安全性についての勉強会開催を要望する声もあり、今後常任理事会で検討するとした。 (長内 健)


◎企画「命を見つめて」糖尿病編@ 合併症、兆しなく進行

 函館市内に住む元教員の男性(80)は64歳の時、突然息苦しくなる症状が続き、病院へ行った。医師が告げた病名は「心筋梗塞」。糖尿病の典型的な合併症状だった。

 40代前半に糖尿病と診断された。血圧は高めだったが、体に異変もなく、病気の実感もわかなかった。「酒もたばこも吸わないけど食べるのは大好き」

 60歳で定年退職してから食事、運動療法を始めた。妻(76)が作る野菜中心の食事で一日1680キロカロリーに制限、毎朝のウオーキングは欠かしたことはなかった。

 それでも長年の蓄積が影響し、心筋梗塞を患った。心臓バイパスを入れる手術で男性は治癒した。体重は99キロから56キロにまで落ちた。8年前には、白内障にもかかった。

 糖尿病は、放っておくと脳卒中、網膜症などの合併症を引き起こす。患者に合った適度な運動、食事療法の実践が効果的な治療とされている。

 兆しもなく病状が進行する怖さを思い知った男性は「生活習慣の改善を心掛けるようになって体調は落ち着いている。もうこれ以上病気になりたくない」と、日々の生活を大切に生きる。

 市内に住む主婦(66)は5年前、喉に渇きを覚えて突然倒れ、救急車で病院へ運ばれ、糖尿病と告げられた。

 予兆はあった。1990年に「胃カルチノイド」を患い、闘病の末、治癒したが、手術で臓器を切除し、その影響で血糖を調整するインスリンが分泌されなくなっていた。「あの時医師から『いずれ糖尿病になる』と告知されていたけど…」

 この時、不整脈や狭心症、高血圧症も発症していたが、事態を冷静に受け止め、これを機会に生活の改善を試みた。

 毎日30品目の食品を摂取し、約8000歩歩くようにした。5年前に300を数えた血糖値は数年前から130と安定。かかりつけ医の指導もあり、合併症を起こすこともなく、今は比較的落ち着いている状態だ。

 この主婦は積極的に奉仕活動もしている。「生きがいを持つのも症状の改善につながっている気がする」と前向きな気持ちを持ち続ける。

 厚生労働省などによると、国内の糖尿病患者は1955年の25・4万人から右肩上がりで増え、2007年には35倍の890万人。予備軍を含めると2210万人に達し、年間1万4000人の死者を出しているという。糖尿病は生活習慣が大きく影響し、生活習慣病の最たる病気といわれる。

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 「命を見つめて」第2部は「糖尿病編」とし、糖尿病医療の最新事情や地域の課題を探ります。(医療問題取材班)

 ◆糖尿病=血糖値(血液中のブドウ糖の数値)を下げるインスリンの作用が低下し、血糖値が異常に高くなる病気。多くの場合、無症状で始まるが、のどの渇きや体のだるさ、体重の減少など症状が現れ、悪化すると神経障害や糖尿病腎症、網膜症などの合併症を引き起こす。体内のインスリン量が絶対的に足りない1型糖尿病と、インスリンの出る量、作用が低下する2型糖尿病があり、国内ではほとんどが2型のタイプ。