2011年6月1日 (水) 掲載

◎大きな実を願い作業、リンゴ摘花盛ん

 【七飯】町内の果樹園ではリンゴの開花期を迎え、摘花作業が盛んに行われている。4〜5月の天候不順の影響で開花が若干の遅れ気味だったが、小さな愛らしい白い花が咲いた。秋に大きな実を付けるよう作業に汗を流している。

 町大中山6の「トトロの里冨原観光果樹園」(冨原孝一代表)では、約1000本のリンゴを栽培。「紅しぐれ」や今年から七飯町果樹組合が「ななみつき」のブランド名で売り出す「ぐんま名月」などを育成している。

 摘花は5〜6輪咲く花のうち、外側を摘み取り中心だけを残す作業で、栄養を集めることで大きな実に成長させることができる。摘花が終わった後は、実すぐりの作業が行われる。

 冨原代表(77)は「今年は花の量が少なく、咲かない木も出てきた。昨年の猛暑の影響か、木に疲れがたまっているのではないか」と話していた。(今井正一)



◎10月14〜16日に函館で全国朝市サミット

 全国の朝市が集う「第16回全国朝市サミット2011in函館」の日程や概要が決まった。31日に函館朝市で実行委員会が発足し、初回の会議を開催。委員長を務める函館朝市協同組合連合会の井上敏廣理事長は、東日本大震災により中止も視野に検討したが、「やるべきと判断した。お互いに励まし合い、函館朝市が元気だと全国にアピールしたい」と決意した。開催は10月14〜16日。

 同サミットは全国朝市サミット協議会(14団体)が主体となり、1988年に初回を開催。函館では2001年9月に初めて実施しており、今回が10年ぶり2回目となる。09年に長崎県佐世保市で行った第14回サミットで開催地として正式決定し、函館では2、3月に準備委員会を行って事前の調整を行ってきた。

 実行委は函館朝市協同組合連合会と道連合会青年部、渡島蔬(そ)菜農業協同組合、函館市、函館商工会議所、函館国際観光コンベンション協会など7者で組織する。初回の会議には約20人が出席。井上委員長は「成功のためには皆様のご協力が必要です」と呼びかけ、一丸となって震災からの復興を全国に発信する意気込みを伝えた。

主なスケジュールは、10月14日は前夜祭として歓迎レセプションや夜景観賞会などを企画。同15日には総会や交流会などを企画しており、最大で300人程度が参加する見込み。今後の協議会運営や組織のあり方について話し合う理事会は「サミットの意義を深めるために様々な討議をしたい」(井上委員長)と意気込む。同15、16両日の「ご当地グルメサミット」は朝市駐車場を会場に、全国の朝市の特産品などを販売。各店舗でも「特別バザール」を行う。

 詳細な内容はフォーラム、セレモニー、イベントの3部会に分かれて今後詰める。6月上旬から各部会を行い、その後10月上旬までに3回の実行委を開いて決定する。出席者は「震災後の気分を盛り上げたい」(函館商工会議所)、「知恵を絞り集客につなげたい」(函館国際観光コンベンション協会)などと期待した。事業費は約1000万円で、うち150万円ずつを市と道が負担する予定。(小泉まや)



◎ライオ二ズム大賞に「ユニバーサル映画祭実行委」「咸臨丸とサラキ岬に夢みる会」

 福祉や文化、まちづくりなどの分野で奉仕活動を行う団体、個人を対象にライオンズクラブ国際協会331—C地区(渡島、桧山、後志、胆振、日高管内)が顕彰するライオ二ズム大賞に、道南から函館の「北海道ユニバーサル上映映画祭実行委員会」(島信一朗代表)と、木古内町の「咸臨丸とサラキ岬に夢みる会」(久保義則会長)が選出された。22日に後志管内倶知安町で開かれた地区年次大会で顕彰式が行われ、2団体とも受賞を励みにさらなる活躍を誓っている。

 同賞は各地域のライオンズクラブの推薦に基づき、内部の選考委員会を経て受賞者を決定する。今回は道南2団体を含む6団体が選ばれた。

 映画祭実行委は函館グリーンライオンズクラブ(末永玲子会長)が、夢みる会は木古内知内ライオンズクラブ(繁田一義会長)がそれぞれ推薦した。

 映画祭実行委は2006年から障害の有無、種別に関係なく誰もが楽しめる視聴環境を整えた映画祭を開催している。映画祭では交流行事やワークショップなども行い、運営、準備は市民ボランティアによって行われている。

 島代表は「いろいろな人たちの善意で支えられている映画祭。思いやりの気持ちが芽生え、交流がさらに広がるよう長く継続させていきたい」と述べ、推薦した末永会長は「手探り状態から行動し続け、定着させたのは立派」とたたえた。

 一方、夢みる会はサラキ岬沖で沈没した幕末の軍艦「咸臨丸」をまちづくりに結び付けようと、町民有志が集まり活動。チューリップの花壇づくりなどサラキ岬の景観を生かした観光振興に取り組んでいる。また、今年は咸臨丸が沈没140周年の節目の年にあたることから9月に全国の同艦ゆかりの地から関係者を招き「全国まちづくりサミット」の開催も計画している。

 今回の受賞に、久保会長は「多くの人に活動が評価されたことがとてもうれしい。会員の励みになり、サミットに向けて弾みがついた」と喜んでいる。(鈴木 潤、松宮一郎)


◎渡島総合開発期成会総会、会長に高谷北斗市長

 渡島管内の首長と議会議長でつくる渡島総合開発期成会(事務局・渡島町村会)の定期総会が31日、函館市大森町のホテル函館ロイヤルで開かれた。任期満了に伴う役員改選では、会長に高谷寿峰副会長(北斗市長)を選任した。任期は2年。

 総会には会員と道南選出の国会議員、道議、渡島総合振興局、渡島教育局の関係者ら約45人が出席。高谷会長は「最重要課題である北海道新幹線や道縦貫自動車道の実現に向け、粘り強く要望活動に取り組む」とあいさつ。

 各市町から挙げられた重点懸案事項を取りまとめた来年度の主要要望事項を原案通り承認した。新規として松前半島道路の早期整備(木古内〜松前間の早期整備)、一般道道函館空港インター線(新外環状道路・函館IC〜空港ターミナル通間のインター線整備)、垣ノ島遺跡整備事業などを盛り込んだ。

 道新幹線については、昨年12月の新青森までの開業を受け、新函館までの早期開業のほか、札幌までの延伸を求めていくことを確認した。

 期成会は23日に、道開発局や道庁、JR北海道、鉄道・運輸機構など札幌関係機関へ要望を行う。東日本大震災の影響も見極めながら、後日、国会議員や関係省庁など東京への要望活動もする。

 役員改選では、副会長に工藤寿樹函館市長、川代義夫八雲町長(渡島町村会長)、能登谷公函館市議会議長、斉藤勝松前町議会議長(渡島町村議会議長会会長)がそれぞれ決まった。いずれも新任。(山崎大和)