2011年6月19日 (日) 掲載

◎函館競馬場 熱く開幕

 日本中央競馬会(JRA)「北海道シリーズ」函館競馬が18日、函館競馬場(駒場町)で開幕した。この日の函館の気温は今年最高の23・6度を記録。待ちわびた大勢のファンが市内や全国から訪れ、本道の夏の風物詩を満喫していた。

 同競馬場は1896(明治29)年に開設され、JRAの中では最も古い。昨年、「人と馬との距離が近い競馬場」をコンセプトにスタンドなどが新装された。本馬場に向かう時や、芝を走る競走馬の迫力ある肢体を間近で見ることができ、全面ガラス張りのパドックシートのほか、充実した遊具や乗馬試乗などもあり、家族連れで楽しむことができる。

 19日までは武豊騎手(42)が参戦するとあり、いす席、芝生席ともグループなどで埋まった。レースが始まるたび、ファンは大声で声援を送り、スタンドは熱狂に包まれていた。また、地元産の野菜が販売されるイベントもあり、場内は一日中にぎわっていた。(山崎純一)



◎高齢者集えるサロン新設 在宅介護支援グループ「絆21」

 函館市白鳥町6の在宅介護支援グループ「絆21」(大田夏美代表)が、地域のお年寄りが気軽に集えるサロン施設の建設を進めている。ゲームや裁縫など従来のサークル活動も続け、利用増を目指して8月1日にオープンする予定だ。

 絆21は、大田さん(71)が1999年に自宅を使って事務局長の朝野雅子さん(69)らと運営を始めた。健康マージャンや小物作り、コーヒー付きの懇談会など多様なサークルを有料で用意し、憩いの場となっている。

 年々利用者が増え、今では50代〜93歳の約90人が訪れる。施設新築は自宅が手狭になってきたためで、現在、向かいの更地に木造平屋建て約100平方メートルの「リビングハウスきずな」を建設中。24畳のホールや8畳の台所、8畳半の食堂などを設ける。  費用は約1400万円。施設で奉仕活動に励む介護ヘルパーや元看護師ら30人に加え、利用者も資金提供。数十万円の寄付を寄せた人もいたという。

 施設完成後もサークル活動を実施。利用者に限らず、興味のある人が気軽に立ち寄れるようにするほか、病気や障害を抱え外出が困難な高齢者のための配食サービスも検討中だ。

 「制約にこだわらず、利用者でなくとも自由に出入りできるのが魅力。こうしたニーズは増えている」と大田さん。「お茶を飲みに来てくれるだけでもいい。地域に根差した形で運営していきたい」と力を込める。

 また、施設新築に伴い、利用者の話し相手や料理の準備などを手伝うボランティアも募集する予定。問い合わせは絆21TEL0138・41・7058。(長内 健)



◎ふるさと納税 減少傾向 函館市

 函館市がまとめた昨年度の「ふるさと納税制度」の寄付金は47件、330万1172円だった。同制度がスタートした2008年度から減少する傾向が続いており、市財務部は寄付者に対し、本年度以降の継続を呼びかけている。

 同制度は地方税法の改正に伴い、08年5月に制度化。好きな自治体に5000円以上を寄付すると、現在居住している市町村の住民税、所得税から寄付額が控除される。

 昨年度の寄付金の用途を見ると、函館市全体を応援する目的で寄せられたのが152万7000円で、全体の半数弱を占めている。具体的な項目では、児童や高齢者、障害者福祉に76万5000円が充てられ、「すくすく手帳」の発行経費に使われた。人材育成や生涯学習の推進にも63万円が寄せられ、ものづくりの技能向上に向けた研修会などを行う「ものづくり匠塾」を開催した。

 また観光、商工業、農林水産業の振興にも27万円。昨年8〜10月のガイド付きまちあるきイベントや都市計画マスタープランの見直しにかかる関連経費に充てている。

 過去2年間の件数と金額は、08年度が77件、517万7000円、09年度は52件、474万5000円。本年度は5月28日現在で14件、134万5000円がすでに寄せられている。

 市財務部は寄付者に対し、確定申告の際にお礼の文書を送付して寄付の継続を呼びかけるほか、記念品を贈呈している。昨年度は観光トランプを贈っており、今後は毎年度ごとに記念品を変える考え。同部は「受け取った人に函館を思い起こしてもらえるよう、周知に努めたい」と話している。(千葉卓陽)


◎震災から100日 函館で法要 人形供養も

 函館市梁川町の高龍寺梁川法務所で18日、人形供養と東日本大震災の百か日法要が行われた。人形供養では市民から寄せられたひな人形などの供養が行われ、法要では隣接する国の華幼稚園の園児も加わり、震災の犠牲者を追悼し、復興を祈った。

 同法務所では毎年6月の第3土曜日に観音大祭と人形供養を開いているが、今年は震災を考慮して人形供養のみとし、ちょうど震災から100日目となることから法要を執り行った。

 人形供養は、屋外に設けられた祭壇に日本人形やこけしなど約100体が並べられ、永井正人住職(37)が読経し、参列した持ち主や檀信徒ら約20人が焼香した。人形は後日、市内でたき上げされる。

 次に、堂内で園児も集まって法要を行った。永井住職らがお経を唱和し、園児も手を合わせて焼香した。永井住職が園児に「皆さんの楽しいことを、被災地の人たちに分けてあげ、被災者の悲しい気持ちが無くなる日が来るようにお祈りしてください」と話すと、「はい」と大きな返事で答えていた。(山崎純一)


◎北雄ラッキー 道南初出店 人見町に

 スーパーマーケットの北雄ラッキー(札幌)は12月、函館市人見町に道南初の店舗を出店する。北海道ジェイ・アール都市開発が開発を進める旧住宅跡地で、施設の広さは約800平方メートル。同社としては比較的大きな規模だが、コープさっぽろひとみ店が近接するため扱う商品は衣料品に限るという。

 同社は道央・道東圏を中心に33店を展開し、衣料品のみの店舗もすでに7店ある。人見町の店舗は22日に着工し、12月21日の開業を目指す。

 コープとの競合を避けるため、ファミリー層向けの廉価な実用衣料を中心に展開し、男性、女性、子ども向けの普段着や下着などを幅広く扱う予定。同社は「打診を受けて出店を決意した」と話し、今後の道南の展開については「現在のところは予定していない」とする。

 人見ショッピングセンター全体の広さは約1万3300平方メートル。同都市開発が2008年から開発を進め、コープのほかメガネ店、100円ショップが並ぶ。周辺には団地や住宅地が広がる好立地。ラッキーの出店により残る区画は約500平方メートルの1区画のみとなった。(小泉まや)