2011年6月20日 (月) 掲載

◎大沼でモニターツアー、セグウェイで自然散策

 【七飯】米国製の立ち乗り式電動二輪スクーターの「セグウェイ」を利用した自然散策のモニターツアーが19日、大沼森林公園で行われた。新たな体験型観光商品として、7月中旬から営業を開始するもので、函館市内の大学生ら3人がモニターとして参加。新感覚の走行感と森林浴を楽しんだ。

 同事業は町が緊急雇用対策事業の一環として、業務を大沼国際交流協会に委託。自然ガイドとして5人を新たに雇用した。一体感がある独特の走行感覚と大沼の雄大な自然を楽しんでもらう体験プログラムとして、観光商品化を目指している。

 セグウェイは、センサーがバランスを自動制御するため転倒する危険性は少なく、体重移動で前・後進や方向転換ができる乗り物。この日のモニターツアーでは、スタッフから基本的な乗り方を学んだ後、森林散策に出発。周辺の植生や森林の役割、駒ケ岳の噴火の歴史などのガイドを受けながら、起伏に富んだ遊歩道を走行した。

 参加した函館大学商学部2年生の石橋秀一さん(20)は「最初は動かし方がよくわからなかったが、自分の感覚で動かせるようになった。遊歩道も平地と変わらない感覚で快適に走ることができた」と話していた。

 チーフガイドを務める神名清文さん(40)は「セグウェイに乗ってもらうことで、徒歩の散策よりも魅力を高めることができる。自然の楽しさ、大沼の魅力を伝えられるツアーにしていきたい」と話していた。(今井正一)



◎函館ワン・ニャンレスキュー10年、犬猫救い続けて906匹

 函館の動物愛護団体「函館ワン・ニャンレスキュー」が8月、発足から10年目を迎える。同団体が保護した犬の散歩や餌やり、引き取り手を探すなどの活動を続け、これまで906匹が新しい家に引き取られた。関係者は「楽しい活動ではないが、最後まで責任を持ってくれる人がいたから続けることができた」と振り返る。

 「犬をもらいに行った時、保健所で見た犬の表情が忘れられない」という代表の自営業女性(55)が、2002年8月に立ち上げた。同団体の居間12畳を飼育施設の中心に、趣旨に賛同した3人と開始。市立函館保健所や渡島保健所から犬を引き取っている。

 朝夜の散歩に給餌、部屋の掃除…。代表の女性は子どもの頃から動物好きでさまざまなペットを飼ってきたが、05、06年には40匹もの犬を世話した。「物理的にも精神的にも世話は大変だった」

 保護する犬の中には目が見えなかったり、足を動かせなかったりとハンデを背負うものもいる。引き取り希望者の多くは人間に懐く犬を求めるという。「真剣に犬猫の尊い命を考えてくれる人と、そうでない人がいた」と女性は話す。

 それでも906匹には飼い主が見つかった。現在はボランティアの男女10人と7〜15歳の雑種12匹を飼育するが、新しい飼い主に加え、一日2回の散歩や餌やりを手伝うボランティアを募っている。改行 活動内容を知って同団体の家の前に犬猫を置いていく人もいるため、住所や名前は公表していない。問い合わせは同団体TEL090・6997・6744。(長内 健)



◎「イカ墨食塩」と人気漫画キャラがコラボ、商品を限定発売

 人気漫画キャラクターの応援でイカ墨食塩≠全国区へ—。八雲町熊石地区のミネラル豊富な海洋深層水で仕上げた食塩に、イカ墨を加えた調味料の商品パッケージに、週刊少年チャンピオンの人気漫画「侵略!イカ娘」が登場した。限定販売で、関係者は「この商品はどんな料理とも相性抜群。ぜひ試してみてほしい」と話し、道内初となるコラボ商品に期待を寄せている。

 イカ墨と食塩を加えた商品は、札幌市の「山本産業」(山本孝一社長)が3年前にご当地調味料として開発した。「まっ黒いんでなイカい?」の印象に残る商品名と、インパクトあるまっ黒な食塩は、観光客や地元客から愛される人気商品だ。

 今回は従来のパッケージに、インパクトあるキャラクターを取り入れたいとの考えから商品を開発。漫画の主人公は年齢問わず人気が高い萌え系≠ニ呼ばれる美少女で、若い世代をターゲットに新たな顧客獲得を目指す。

 人気キャラを取り入れた「まっ黒じゃなイカ?」(1本750円、40グラム)は1800本の限定販売。ブラックペッパーのようなおしゃれな黒い塩はどんな料理にも合い、味を引き立てる。また、近年話題になっている「弁当男子」や「スイーツ男子」といった男性の料理のレパートリーを増やす、新たな調味料としても活躍しそうだ。

 同社は「刺身やスープなどの料理もおいしいが、アイスにかけた塩スイーツがお薦めです」と話している。

 函館の土産店で6月末から店頭に並ぶ。問い合わせは同社TEL011・778・1230。(平尾美陽子)


◎佐藤孝行さんをしのぶ会、別れ惜しむ

 5月18日に胆管がんのため死去した旧道3区(現8区)の自民党元衆院議員で、総務庁長官などを務めた佐藤孝行さん(享年83歳)をしのぶ会が19日、函館市大手町の函館国際ホテルで行われた。佐藤さんの同級生ら有志が発起人となって企画し、工藤寿樹函館市長ら道南の首長や現職時代の支援者、友人約500人が故人の冥福を祈った。

 しのぶ会では、故人が闘病中、3月11日に発生した東日本大震災の被災状況を常に心配していたことから、冒頭、犠牲者に黙とうがささげられた。

 発起人を代表し、佐藤さんと旧制中学校の時から約70年の親交がある山田悟郎さんと斎藤正一さんがあいさつを述べた後、盟友・中曽根康弘元首相からの弔文を次男の健治さんが紹介。「日本が今必要なのは粘り強く確かな仕事をする気骨な政治家。佐藤君はまさにその人だった」と、思い出と感謝の気持ちが記された哀悼文を読み上げた。

 参列者を代表し、旧瀬棚町議会の元議長、柳田真さん、元奥尻町長の鴈原(がんばら)徹さん、佐藤さんの旧砂原町後援会の婦人部長を務めた岡田和代さんが弔辞をささげ、それぞれ懐かしい思い出を語った。岡田さんは「普段着のまま、そのままでよいと激励されたことが印象深い。温かな言葉や励ましが脳裏に焼きついている。一言一言が生きる糧だった」と振り返った。

 佐藤さんが政治家として活躍した映像を放映した後、長男の功さんが闘病中の様子を報告しながらお礼のあいさつを述べ「がんを告知された父が主治医に『治療法の選択を与えてくれてありがとう』と言った。多くの出会いがあり、自分の力で切り開いてきたからこそ言える言葉だと感じた。その時のことが心に残っている」と述べた。

 その後、参列者は祭壇に一輪ずつ献花し、故人に別れを告げた。別室では、佐藤さんの愛用品や写真などが展示され、参列者は懐かしそうに見入っていた。健治さんは「元気な時のころしか思い浮かばない」としんみり語っていた。(鈴木 潤)


◎路面電車の運転体験

 一般市民らを対象とした路面電車の運転体験会が19日、函館市駒場町の駒場車庫構内で開かれた。約30人が実際に運転操作をして電車を走らせ、満足感を味わった。

 6月10日の「路面電車の日」にちなんだイベントの一つで、函館市企業局交通部の主催。市外からの参加者も多く、遠くは兵庫県や大阪府から来た人もいた。

 午前と午後の計2回に分けて行われ、最初に電車に乗り、運転士が操作している様子を見学。その後運転体験に移り、事前の乗務講習で操作方法を教わった参加者は運転席に座って電車を運転。機器を動かし、同車庫構内の約100メートルの直線路を3回にわたって走行した。

 運転体験のほかに構内の見学も行われ、参加者には運転体験証明書や白手袋などがプレゼントされた。市内広野町の平沢朋美さん(46)は「前から楽しみにしていた。ブレーキの掛け方が難しかった」と話していた。(鈴木 潤)