2011年6月5日 (日) 掲載

◎五稜郭と奉行所の関係は/見学会で建築の経緯説明

 「五稜郭・箱館奉行所見学会」が4日、函館市の現地で開かれた。30人が参加し、五稜郭が建てられた経緯や、箱館奉行所の内装などの説明に聞き入った。

 箱館奉行所(加納裕之館長)の来館者から、五稜郭と奉行所を同時にガイドしてほしいと声が上がり、初開催した。はじめに元中学校教員の茂木治さんが五稜郭について説明。「もともと奉行所は元町にあったが、函館山から内部を見られたりするため、移動することになり、川の近くで水の便が良いことなどで、この場所が選ばれた。城でも要塞(ようさい)でもなく、奉行所を守るために作られた」などと話した。参加者から石垣の積み方について質問され、谷積み(落とし積み)であると紹介。このほか、奉行所を一周するように散策し、井戸跡やアカマツの由来なども解説した。

 奉行所内は沼崎孝男副館長が案内し、大広間の畳や、柱、はり、内壁の素材や工法などを説明。「全国から職人が集まり、当時の工法を再現した貴重な建物」と話した。

 この日初めて奉行所を訪れたという市内中道の主婦、三上慶子さん(72)は「子供のころから見ていたアカマツの歴史、石垣の細かい部分など、初めて知ったことが多く、とても有意義だった。大広間の畳が部屋ごとに違うのにも驚いた」と話していた。

 なお、同見学会は11、18日にも予定されているが、両日とも定員に達している。(山崎純一)



◎函館市10年度、情報公開請求者が過去最多

 函館市がまとめた2010年度の情報公開制度と個人情報保護制度の利用状況によると、情報公開制度に基づく公文書の公開請求者は延べ191人で、1991年の同制度開始以来過去最多となった。請求内容に該当した公文書は1万5056件と、過去2番目の多さ。学校長の裁量で自由に使える「知恵の予算」に関する公文書が全体の4分の3と突出しており、その使われ方への高い関心がうかがえる。

 請求のうち、公開された公文書は1万1098件。プライバシー保護などの理由で一部非公開となったのは3820件、非公開122件、申請者が取り下げたケースは16件だった。

 過去3年間の請求人数と受け付け件数は、07年度147人2287件、08年度92人2821件、09年度156人4456件。決定に対する不服申し立てはなかった。市文書法制課は「知りたい情報を行政が持っていることが周知されてきており、請求に対する垣根が低くなってきている」とし、制度が浸透しているとみる。

 請求の多かった公文書は、前市長の目玉政策だった知恵の予算関係文書が1万1966件と、全体の75%弱を占めている。同課によると、学校の事業実施にあたっての物品購入費や、外部講師への報酬費などに関する請求が多かったという。このほかでは例年同様、建築計画の関係書類(744件)や街区符号・住居番号の決定通知書(549件)の請求が多かった。半面、政務調査費の関係文書は117件と、前年度の626件から大きく減少している。

 個人情報保護制度の運用状況は2760件。市が新たな業務などで個人情報を収集する場合に取られる手続きで、市長部局が1992件と全体の7割以上を占めている。市から他の官公庁へ提供された個人情報は11万5725件で、財務部税務室が4万9598件、福祉事務所介護高齢福祉課が4万3862件と多い。また、自身に関する個人情報の開示請求は11人から19件あり、12件が開示、1件が一部開示。非開示は5件で、1件は申請者が取り下げた。

 情報公開請求と個人情報開示請求は、市役所6階の文書法制課が窓口となり、原則として14日以内に開示するか否かを決定する。(千葉卓陽)



◎高校野球春季道大会、函大有斗8年ぶり決勝へ

 【札幌】高校野球の第50回記念春季道大会(道高野連など主催)第5日は4日、札幌市の円山球場で準決勝を行い、第1試合で函館支部代表の函大有斗がエース・堤口竣太(3年)の快投などで、道栄(室蘭支部)を3|0で完封し、決勝進出を果たした。函大有斗の決勝進出は2003年以来8年ぶりで、函館支部としては07年の函工以来4年ぶりとなった。

 昨年10月の秋季道予選で10点差で大敗した北照(小樽支部)を初戦で打ち破り、準々決勝の武修館(釧根支部)も7回コールドと勢いがあった。前2試合ともに無安打の1番・遠塚谷真也主将(3年)、3番・増川航太(同)の安打で先制し、優位に試合を運んだ。

 決勝は5日午後1時に同球場で白樺学園(十勝支部)と対戦する。23年ぶり3回目の優勝を果たして、甲子園が懸かる夏の選手権への弾みにしたい。遠塚谷主将は「秋に悔しい思いをしたからこそ、ここまで成長できた。ただ、まだ足りないところがある。自分たちのスタイルを大事に一生懸命プレーしたい」と意気込んだ。(小林省悟)


◎函短大で親子講座、食べて「食育」学ぶ

 函館短大主催の食育講座「北海道のじゃがいもで、おいしく楽しく地産地消」が4日、函館市高丘町の同短大で開かれた。小学1、2年の親子12組が道産ジャガイモを使った調理実習や講義などを通して、食事の大切さを学んだ。

 食育月間の6月に合わせて地域の食育を推進していこうと昨年に続き企画した講座で、大学や食品関係団体などでつくる日本フードスペシャリスト協会(東京)の支援を受けて開講した。地産地消と家族団らんの食事の啓発が狙い。

 講座では、同短大の教職員のほか、保育学科、食物栄養学科の学生約20人もボランティアで参加し、子供たちの指導に当たった。

 最初に同短大の保坂静子専任講師が理想的な食生活について講義し、「年齢に応じた、適正なエネルギーでバランスの良い食事をして。家族一緒の食事は子供の食べる意欲と好奇心を育て、野菜嫌いをなくす有効な方法」とアドバイスした。

 その後、親子別々の講座へ移行し、親たちは函館や道南で生産された野菜を使った調理実習を体験。ジャガイモ料理の「いももち」と、ニンジンやゴボウなどを具材とした「根菜のごま汁」を調理した。

 児童たちは学生が企画した講座を受け、野菜にかかわるクイズに答えたり、絵本の読み聞かせを楽しんだ。調理実習の手伝いもし、調理器具を使ってニンジンの型取りやごまのすりおろしをした。

 料理が出来上がると早速試食し、親子一緒になって味わった。函館金堀小2年の佐藤岳都君(7)は「クイズが面白かった。料理もおいしい」と満足した様子。保坂講師は「きょうのメニューを参考に家でもいろいろ工夫してもらえれば」と話していた。(鈴木 潤)