2011年6月9日 (木) 掲載

◎どさんこフェス2年ぶり開催へ

 宮崎県内で猛威をふるった家畜伝染病、口蹄疫(こうていえき)の影響で昨年中止になった「第6回どさんこフェスタin函館」が7月3日、緑の島(大町15)で2年ぶりに開かれる。馬上から的を射る目玉競技「全国やぶさめ競技函館大会」では、これまでの個人戦に加え、選抜選手権、団体戦が初めて行われる。

 本道を開拓してきた「ドサンコ馬」「和種馬」でまちおこしをしようと2005年から開催。「どさんこワールド函館」をつくる会実行委員会(池田茂代表)が主催しており、毎年3000〜4000人が来場する。東日本大震災発生を受け、当初は自粛も考えたが「こういう時こそ函館を盛り上げよう」と開催を決めた。

 流鏑馬(やぶさめ)は騎射の一種で、鏑矢(かぶらや)で的を射る日本古来の伝統武芸。同大会は、従来の個人戦(一般予選・決勝戦)と選抜選手による個人戦、団体戦。いずれも約180メートルの走路で、50メートル間隔にある的への的中率とタイムを競う。

 今回初開催の選抜選手権には、過去の同大会優勝者や全国のインストラクターらプロが大勢出場。「前向き」「真横」「後ろ向き」と、走者にとって的の向きがこれまでと違い難易度が高い。同じくプロらの出場する団体戦は、3カ所に向きが異なる的を3つ並べ、1チーム3人が続けざまに疾走して矢を放つルールで、ハイレベルな戦いが繰り広げられる。

 一般予選部門には全国から約40人がエントリーする予定。また、乗馬体験(200円)や和式馬具の無料展示会、ひづめ鉄投げ、さらには、障害児が乗馬を披露するアトラクションも初めて披露される。

 実行委事務局長で、同大会で3度の優勝経験を持つ池田賢治さん(29)は「プロ同士の技術に加え、これまでになかったチームならではの協調性も楽しむことができる。人馬一体の迫力を楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。

 同フェスタは午前9時半から開会式。同10時の一般予選から競技が始まる。午後3時半表彰式。入場無料で雨天決行。問い合わせは実行委TEL0138-54-1340。 (長内 健)



◎市民体育館整備 全面建て替えへ再考

 函館市教育委員会は、今年2月に素案を示した市民体育館整備基本計画の練り直しに着手した。4月に就任した工藤寿樹市長が全面建て替えを政策に盛り込んでいることから、現体育館を残してメーンアリーナを新設する計画の見直しを図るもので、7月以降に新たな素案を示す考え。一方では財源のさらなる増加が必至で、活用を予定する合併特例債の期限が残すところ3年に迫るなど、2015年度の供用開始に向けた課題も残っている。

 市民体育館の整備は、09年度に開かれた有識者による懇話会での検討内容を踏まえ、湯川町1の現在地でメーンアリーナを新設するとともに現在の施設を改修し、サブアリーナとして残す方針が示されている。総事業費は合併特例債を活用して、約35億円と試算した。

 今年2月の素案ではメーンアリーナの広さをバスケットボールコート3面が取れる約2400平方b(61メートル×40メートル)とするほか、天井の高さをバレーボール大会開催に対応した12・5bと設定。これに加え、多目的会議室や約300台収容の立体駐車場を整備するとしていた。

 工藤市長はこれに対し「使い勝手の悪い付け足しではなく、コンベンションにも対応できる多目的アリーナに再整備する」との考えを示している。市教委は「市長の意向を酌むとともに、競技団体からの要望内容を踏まえて取り組みたい。スポーツ以外のコンベンション機能をどこまで付加できるかも課題」(生涯学習部)と話す。

 当初の方針では7月から基本設計のプロポーザル(提案型公募)を実施する考えだったが、計画変更で作業が遅れる半面、2014年度までとなっている合併特例債の活用期限を見据えた素早い取り組みが必要となる。市教委は「いかに作業を短縮し、(市民や関係団体などからの)納得が得られるかが重要。パブリックコメント(市民意見)を再度募集し、本年度中に設計業者を決定したい」としている。  (千葉卓陽)



◎函館の安全性確認 香港の旅行会社が視察

 香港の旅行代理店職員ら8人が8日、ツアー企画の可能性を探るため函館市内を訪れた。参加者は函館朝市やトラピスチヌ修道院、五稜郭公園などを訪れ、函館の観光地の様子や安全性を確認していた。

 東日本大震災後の道内観光を活性化させようと、全日本空輸(ANA)が企画した。同社は5月にも北京から同様の招へい事業を行っており、震災後に函館が対象となるのは2回目となる。今回参加した旅行会社は8社で、同社香港支店の社員2人が引率。7日に現地を出発し、8、9日は函館市内や大沼、小樽を、10日は札幌や富良野方面を回る。

 函館に到着した一行は、津波の被害を受けた朝市へ。海産物の販売も行う飲食店では、自由に具材を選べるどんぶりを注文。写真を撮影して記録し、新鮮な海の幸を堪能した。参加したJTB香港支店のサイモン・リーさんは「震災後の状況を自分の目で確かめ、ツアー作りに役立てたい。函館では夜景を一押しにと考えている」と話していた。 (小泉まや)


◎「高田屋嘉兵衛まつり」中止

 毎年7月に函館市西部地区で開かれていた「函館高田屋嘉兵衛まつり」(実行委主催)が、東日本大震災や景気低迷の影響で協賛金収入が減少することが危惧されるため、中止されることが決まり、実行委も解散することとなった。

 高田屋嘉兵衛(1769―1827年)は、北方領土開拓の先駆者。国後島と択捉島の間に安全な航路を開き、漁場を開拓した。同祭りは嘉兵衛の没後150年に当たる1976年、功績をたたえることにより、北方領土がわが国固有の領土であることの認識を広め、領土返還運動の機運を高めようと始まった。2006年8月にはその運動内容が認められ、実行委が当時の沖縄北方担当相から表彰を受けている。

 毎年、市内宝来町の嘉兵衛像の前で顕彰・慰霊式、「高田屋嘉兵衛まつり音頭」など舞踊奉納などを行っている。このほか近年では、嘉兵衛の古里・淡路島の特産品フェアも開催してきた。

 今年の開催に当たり5月下旬に実行委を開催したところ、景気低迷により協賛金収入が年々減っている上、震災の影響でさらに減少が予想されることや、実行委自体が弱体化し、中心になって祭りを推進していく企業が減少、事務局の引き継ぎも困難であることから、祭りの中止と実行委の解散が決まった。今後は嘉兵衛の顕彰についての形式を、関係有志と協議したいとしている。

 高田屋嘉兵衛の7代目、高田嘉七さん(79)は「震災などを受け、時世がら、祭りの中止はやむを得ないと思うが、民間が中心となって行ってきたことにも問題はあったのではないか」と話している。  (山崎純一)


◎ヒラメ74センチ 佐々木さん陸釣りから超大物

 佐々木元史さんが5日、長万部町の海岸で投げ釣りし、74センチ、4.28キロのヒラメをゲットした。シーズンイン直後の快挙で、人生初の超大物に佐々木さんは「最高だ、最高だ」と喜びを爆発させている。

 佐々木さんは前日の4日に続き、今期2回目の釣行で長万部に入った。午前5時半ごろからキャスト開始。「岡Craft LT21 サケ稚魚アカキン」のルアーで挑んだ。

 風は穏やかだったが、手前60bは多少うねりがあり、潮回りも良くはなかった。初めに反応があったのが同7時15分。「ヒラメか?」と引き上げると巨大なコンブがかかっていた。諦めずにキャストを再開した。

 その25分後、再び反応があった。沖合約70〜80bで、水深は5メートルほど。「ガンガン」と突然襲い掛かる感触があったが「またコンブだろう」と思った。それでも、うねりを利用して強引に寄せてみると、引いた波の中からコンブではなく巨大なヒラメが見えてきた。あまりの出来事にすぐには実感がなかったが、次第に喜びが沸いてきた。

 現場で投げ釣りをしていた友人2人が祝福。この後は「これ以上の釣果はないだろう」と思い、同9時半で切り上げた。

 「あれから数日過ぎた今も興奮している」と佐々木さん。ヒラメを狙い続けて5年。これまでの釣果は62センチが最高だった。4日、道南のある海岸でヒラメを狙ったが、アタリがなかった。車中泊をして長万部まで走ったのが大正解だった。

 ヒラメは刺し身にしておいしく食べた。生きていた時は「80センチに届いていたかもしれないほどの大きさ」だったという。佐々木さんは「今月はヒラメの釣行でびっしり。再度大物を狙いたい」と意気込んでいる。

                   = ◇ =

 北斗市七重浜4の釣り具店「フィッシング・ショップ・インパクト」によると、先週末は長万部や八雲など噴火湾沖で40〜50a台後半のヒラメの釣果が続いたという。後志管内の岩内港では5月末から好調だ。

 また、昨年同店に寄せられたヒラメの釣果は78aを頭に70センチ台が3枚出ていた。今年はシーズン入りからほどなくの超大物だけに、同店は「今後も大いに期待できるのでは」と話している。(フィッシング・ショップ・インパクトTEL0138-48-7400)