2011年7月10日 (日) 掲載

◎イカール星人グッズずらり、公式ショップオープン

 函館の観光PRキャラクター「イカール星人」の公式ショップが、函館市豊川町のはこだて明治館内にオープンした。すべてのグッズを置ける場所として開設し、約80アイテムを販売。ここでのみ入手できる商品もあり、若者を中心に観光客でにぎわっている。

 キャラクターを制作した映像編集会社シンプルウェイ(坂口あき子社長、同市本通)が設置した。イカール関連グッズは、市内の観光土産物店など20か所で扱われているが、各店のスペースには限界がありこれまで全商品を置けるところはなかった。

 店舗の広さは約26平方メートル。商品はTシャツやハンカチ、帽子、キーホルダーなど身につける物のほか、「イカール星人の干物」と名付けたスルメ、「イカール星人の丸焼き」とした焼きイカなどユニークな商品が並ぶ。限定グッズは色紙やうちわなど10種類。なかでも「侵略旅情シリーズ」と銘打ったポストカードは、星人が函館観光を楽しむ様子を表現した。

 坂口社長は「函館観光は今元気がないが、心に残る驚きや笑いを提供したい」と話し、今後は体験スペースを設けるなどさらに内容を充実させたい考え。(小泉まや)



◎カナモリブリックラボ1周年、利用好調

 函館市豊川町の金森洋物館内にある「カナモリブリックラボ」が、設立から1周年を迎えた。無料でさまざまなブロックを自由に遊べる施設で、一日平均で約60人が利用。地元住民をはじめ、修学旅行生や観光客から愛されている。関係者は「親子や家族と一緒に遊ぶ場として年代を問わず、これからも多くの人に利用してもらえるような施設を目指したい」と意欲を見せている。

 同施設は、館内に年代を問わず楽しめる体験スペースを設けようと、2010年7月5日に金森商船(函館)が開設。1年間の来場者数は2万2000人に達した。

 同施設には、3種類の大きさのさまざまなブロックパーツや、基礎盤といわれるプレートを壁に貼り付けた幅4メートルのブロック壁が設置されている。一面に広がるブロック壁に、名前やキャラクターの顔などオリジナルの作品を作り、記念に撮影する人も。来場者が制作した作品を展示するコーナーを設け、家や乗り物、文字など多彩な作品を目にすることができるのも魅力の一つだ。

 金森商船の笹井完一主任は「たくさんのブロックがそろっているので、子どもから大人まで多くの人が楽しめる。今後はイベントや作品コンテストなどを企画していきたい」と話している。

 1周年を記念し9、10日には来場者50人(小学生以下の子ども対象)にブリックラボ特製キーホルダーをプレゼントする企画を用意している。(平尾美陽子)



◎華やかに浴衣商戦

 花火大会や夏祭りなどのイベントを前に、函館市内の百貨店などでは浴衣商戦が本格化してきた。近年は華やかな浴衣にレースやコサージュ、帯などの小物で自分流にアレンジした着こなしが主流。各店とも女性だけではなく、男性の浴衣や小物にも力を入れている。

 道南最大級の品ぞろえを誇る棒二森屋(若松町17)の呉服専門店「きものサロンつねかわ」では、600点以上のカラフルな浴衣、小物などを豊富に取りそろえている。数年前からの傾向として、若者にはラメの入ったきらびやかな浴衣、OL層には綿絽(めんろ)の素材や変わり織りなどの浴衣が人気という。また、浴衣購入者には着用当日まで品物を預かり、着付けや配送などを無料で行う安心サポートが付き、同店の恒川啓店主は「近年では、長い間着れるようにと、いい物を選び買う男性客も多い」と話す。

 一方、テーオーデパート(梁川町10)では、柄や素材にこだわった浴衣を7000円台から販売。レース素材の足袋、帯板、帯飾りなど小物類もそろえている。「兵児帯(へこおび)や、半幅帯など結び方を自在に変えられる帯が人気」と同店。花火大会当日に浴衣を購入する男性客が見られることから、信玄袋などの小物を取り入れ、コーナーを充実させている。

 また、ネイルサロン「シンディ・スウィール」(富岡町3)でも、夏を迎え、足元のおしゃれを楽しもうという女性が増えている。吉田雅美店長は「今年はターコイズブルーやクラシカル風なロココ調のデザインがトレンド。浴衣に合う赤やオレンジなど濃い色も人気」と話す。(平尾美陽子)


◎4月の函館、生活保護9000世帯突破

 函館市の4月の生活保護世帯数は過去最多の9002となり、ついに9000世帯を超えた。同月末の全世帯数14万3065(住民基本台帳)に対する割合は6・3%。20世帯に1世帯以上が保護を受けている計算となり、受給者の増加に加え、急速に核家族化が進む状況も浮き彫りになった。

 同市で生活保護を受ける人は長期的には増加傾向にあり、特にここ数年は経済状況の悪化などを背景にさらに増加の度合いが増している。4月の保護世帯数は前月比では4増えた。

 前年同月比では、保護者数は3・8%(434人)増だが、保護世帯は4・5%(387世帯)増となっている。長期的には8000人台となった2008年10月と比較すると、人数ベースでは9・3%(1077人)増に対し、世帯ベースでは12・1%(975世帯)増えている。

 この状況について函館市福祉事務所は、単純に受給世帯が増えていることに加え、「核家族化が大きく関連している」と指摘。核家族化で1世帯当たりの収入が減ることで保護申請が増え、保護費の増加につながることなどから、「これまでよりさらに深刻な事態を迎えている」とする。

 同市の4月の保護率は44・8‰(パーミル=人口1000人当たりの被保護者数)で、前月(45・1‰)より若干減少したが、前年同月(42・9‰)よりは増加しており、長期的な傾向に変化はない。4月は保護を受けやすい夏期(4〜10月)を迎えることから、例年若干の減少がある。

 ただ保護者ベースでの前月比は、09年度は110人減、10年度は121人減だったのに対し、本年度は69人減とほぼ半数。例年よりも減少幅が少ないことについて同福祉事務所は「経済背景はより厳しくなっている」として警戒感を強めている。

 全道の市部での函館の位置は変化なく、最も高い釧路(53・6‰)、三笠(45・5‰)に次ぐ3番目の高率。北斗市は前年同月比0・8ポイント高い16・9‰だった。道南の町部では、渡島管内は同0・7ポイント増の23・2‰、桧山管内は同1・2ポイント増の32・9‰だが、鹿部や福島、木古内など7町で同マイナスとなった。(小泉まや)


◎高齢者ら対象、旧4町村の交通料金助成を検討

 函館市は、東部4支所管内の高齢者や障害者を対象とした交通機関乗車料金助成制度を来年度から実施する方向で検討に入った。現在は合併前の旧市域での実施に限られているが、市内全域に広げて制度の不均衡を解消する考え。一方で助成額が高額となり、バスの運行形態の違いも依然として残っていることから、実施には綿密な制度設計が必要となりそうだ。

 市は1973(昭和48)年から交通機関の利用料金助成を実施。現在は旧市域の70歳以上の高齢者と身体障害者に市電と函館バスの半額・無料利用証を交付しているほか、精神障害者も障害の程度に応じて無料・半額としている。

 市福祉部によると、本年度は約4万2000人に利用証を交付。一方で東部4地域については、合併時の協議で財政負担の問題に加え、地域福祉バスの存在など旧町村ごとにバス運行形態に違いがあることから、「当面の間現行のまま」として制度の統一が見送られ、各地域審議会などで要望が上がっていた。

 工藤寿樹市長は7日の市議会個人質問で、「合併後6年を経過しており、すべての地域の高齢者や障害者が同様に助成を受けられることが望ましい」として、来年度からの導入方針を示している。

 函館中心部と4地域を結ぶバス路線は、長距離を走るため運賃が高額な上、人口減とともに利用客の減少が続いており、一部路線では運行に際して補助金を支出している。市介護高齢福祉課は「財政負担や地域性も含めて検討を進めていく」と話している。(千葉卓陽)