2011年7月13日 (水) 掲載

◎松前にも ゆるキャラ現る マグロ漁師と武士イメージ「大漁くん」

 【松前】松前町と観光協会は、町のPRを担うゆるキャラ「大漁くん」を作った。マグロの漁師と松前藩の武者をイメージした着ぐるみも完成。町の特産と歴史をアピールするキャラクターとして人気を集めそうだ。17日にはお披露目イベントも開催する。町商工観光課では「かわいらしさがウリ。子どもたちに人気が出そうだ」と話している。

 これまで町をPRするためのキャラクターがなく、現在ブームのゆるキャラを作ることになった。「大漁くん」は、同町出身の漫画家、さとう輝(てるし)さんが描いた道の駅「北前船松前」のイメージキャラクターをかわいらしくアレンジした。

 着ぐるみを着せ替えることでマグロ漁師と松前藩の武者にもなり、イベントに合わせて使い分ける。町外のイベントにも積極的に出向き、町の魅力を紹介する。現在、恋人≠フキャラクターも制作中という。

 17日のお披露目イベント「大漁くん祭り」(実行委主催)は、道の駅(沖の口広場)下の海岸で午前10時から行う。同11時半からは大漁くんが山車に乗り込み、町内をパレードするほか、松城商店街の老舗をめぐる「新発見! 歴まちウォーク」、磯遊び体験、マグロの解体と試食など多彩な催しが繰り広げられる。実行委では「大漁くんと触れ合うことができるイベント。漁期を迎えた松前のクロマグロも味わってほしい」と来場を呼び掛けている。

 実行委では山車の引き手や歴まちウォーク、磯遊び体験などの参加者を募集している。問い合わせは観光協会TEL0139・42・2726。(松宮一郎)



◎函館市議会 9月に財政再建推進会議設置へ

 函館市議会の予算特別委員会(松尾正寿委員長)が12日から始まった。本年度補正予算の総務常任委員会所管分を審議し、市は工藤寿樹市長が選挙戦の政策に掲げた「財政再建推進会議」を9月に設置することを明らかにした。行財政改革の推進に向け、より具体的な目標を盛り込んだプランの策定に結び付ける考え。また、女性や若者の意見を市政に反映させる目的の「まちづくり会議」も10月中に立ち上げる方針だ。

 財政再建推進会議は、今年2〜5月に行われた行財政懇話会からの「目標を明確にすべき」との提言を踏まえ、赤字地方債と基金の取り崩しに頼らない財政運営に向けた計画作りを目指す。

 市総務部は同会議について小野沢猛史氏(市民クラブ)の質問に対し、「学識経験、経営分析など有識者のほか、公募を含め10人程度としたい」と説明。

 現在の行財政改革新5カ年計画(2008〜12年度)では目標値として、職員数の650人削減と160億円の効果額を定めているが、上戸慶一総務部長は「5カ年計画は財政フレームの目標は設けておらず、具体性に乏しい。会議からの提言を尊重し、できる限り具体的な数値目標を定めたい」と述べた。

 また、市長が示している職員給与の見直しについて、市人事課は「5%削減で年間7億5000万円、10%削減で同15億円の効果が見込める」とした。北原善通氏(市政クラブ)への答弁。

 一方、まちづくり会議は女性と若者各10人ずつで構成し、2カ月に1回のペースで夜間や休日に開く考え。市計画調整課は9月から委員を公募する方針で「若者の定義があいまいな部分も残っており、公募までに整理したい」とする。

 また、地区ごとに構成する「地域経営会議」の設置に向け、市計画調整課は既に同種の会議を展開している藤沢市(神奈川県)や長野市を視察する意向を明らかにした。松宮健治氏(公明党)の質問に答えた。(千葉卓陽)



◎札響 優雅な調べ函館で響かせ

 今年創立50周年を迎えた札幌交響楽団(札響)の函館公演が12日、市民会館(湯川町1)で開かれた。ソリストにバイオリニストの松田理奈さんを迎え、チャイコフスキーの「バイオリン協奏曲ニ長調」を演奏。優雅で味わい深い響きを引き出し、来場者約1200人を魅了した。

 節目を記念し市文化・スポーツ振興財団などが主催。松田さんはドイツのニュルンベルク大学で教授アシスタントを務める傍ら、日本でも精力的に演奏活動を展開。この日は全2曲がチャイコフスキーの作品で、同団音楽監督の尾高忠明氏が指揮を務めた。

 同協奏曲は、叙情性に満ちた人気曲。第1楽章の甘美な主題や独奏カデンツァで高い技術を披露した松田さんは、第2楽章で哀愁たっぷりのピアニシモ(最弱音)を響かせると、ロシア風の農民舞曲が取り入れられた第3楽章では力強く熱い響きを伝えた。札響も松田さんを引き立たせながら、海外公演で磨き上げた緩急自在のサウンドで聴衆を魅了、万雷の拍手を受けていた。

 後半は「交響曲第4番」を演奏した。(長内 健)


◎北ガス創業100周年に 100万円を函館市に寄付

 北海道ガス函館支店(函館市万代町、梅村卓司支店長)は12日、創業100周年を迎えたのを記念し、市の「ふるさと納税」制度の寄付金として100万円を寄付した。梅村支店長らが同日、函館市役所を訪れ、工藤寿樹市長に寄付金を手渡した。

 同制度は2008年から始まり、好きな自治体に一定額を寄付すると、事業所を置く市町村の法人税が一部控除される仕組み。同社は12日で創業100年を迎え、本社・支店のある札幌、函館、小樽、など5自治体への寄付を決めた。

 函館では観光振興や中心市街地活性化など経済振興に役立ててもらおうと「元気なまちのために」と寄託。梅村支店長は電力不足や節電意識の高まりから「市民のガスへの関心が高まっている。長年地域に支えられてきたので、少しでもお役に立てれば」と話した。

 同支店は1911(明治44)年10月に仮事務所が完成し、翌12(大正元)年からガス供給を開始。工藤市長は「市政の発展に大きく寄与する」と感謝状を贈り、「今後も末永く寄付してもらえるよう、地域に根ざして事業を続けてほしい」とエールを送った。(森健太郎)


◎大丸札幌店であすから「道南食材特集」

 渡島総合振興局と桧山振興局は、大丸札幌店(札幌市中央区北5西4)が13〜26日(20、21日は除く)に開催する夏の逸品食材探しの人気企画「ディスカバリー北海道」で、初めて「道南食材特集」を組む。同企画で特定地域が紹介されるのは初めて。道南産品の販売だけではなく、食材を活用した総菜、レストラン街でのメニューも登場。札幌駅と大通を結ぶ札幌駅前通地下歩行空間での「大丸産直マルシェ」(13〜18日)にも出店、販路拡大を目指す。

 2009年度から3カ年で取り組む「道南食のブランドづくり事業」の一環。集大成の本年度は、これまで発掘・磨き上げを行ってきた産品の販路拡大、情報発信に力を入れる。大消費地に道南の食を発信するため、札幌随一の集客を誇る同店に働き掛けた。道南から出店16社、出品35社、アイテム数は約230品を予定している。

 自ら出向いて販売するのは16社で、福田農園(七飯町)の「しいたけboy」のほか、昨年の「浜の母さん料理コンテスト」で最優秀となり今春に商品化された「ほたて昆布巾着(きんちゃく)」を作る砂原漁協女性部(森町)と、ガゴメ加工品を扱う「函館がごめ連合」のアンテナショップ「ねばねば本舗」(函館市)は札幌初お目見え。

 出品35社は、青函トントン(同市)の「函館男爵黒豚」が精肉コーナーや総菜、レストランで提供され、中標津産「中標津ミルキーポーク」とおいしさを競う。ひやま漁協(乙部町)は、道内消費がほとんどない隠れた逸品である桧山産エゾバカ貝(あおやぎ)、シロガイ、アワビを売り込む。

 大丸は、地下1階食品売り場「ほっぺタウン」内に道南産品の催事場を設けるほか、同売り場内にある鮮魚、青果、精肉コーナーで各商品を販売。地下歩行空間でのマルシェには5社が出展する。

 渡島総合振興局は「集大成として札幌圏に紹介することで道南産品の良さを再発見してもらえれば。道南をモデルに、開催意向のある上川、空知など全道各地に波及してほしい」(商工労働観光課)と期待を込める。(山崎大和)