2011年7月20日 (水) 掲載

◎肉供養灯籠、準備着々

 【七飯】大沼公園で30、31の両日行われる「第102回大沼湖水まつり」(七飯大沼国際観光コンベンション協会、町主催)に向けて、供養灯籠(とうろう)の制作が進められている。同公園周辺の空き店舗で19日から、灯籠に申込者の名前や供養者の戒名などを書き込む作業が始まり、ボランティアのスタッフが一つ一つ丁寧に文字を書き入れている。

 湖水まつりは1906(明治39)年に大沼で行われた水難者供養を起源とする伝統行事。今年は水難者供養、先祖供養のほか、3月11日に発生した東日本大震災犠牲者の追善供養と早期復興を併せて祈願するため、30日午後6時45分から灯籠行列が行われ、地元9寺院の住職らのご詠歌に送られて、湖水に供養灯籠を流す。

 19日までに、同協会には200件ほどの灯籠の申し込みがあり、当日までに1000個を準備する予定。この日は、高瀬宣夫さん(63)と丹野絢子さん(71)の2人が作業を行った。2人は「申し込まれた人の気持ちを考え、心を込めて書いています」と話していた。

 供養灯籠は1個1000円。申込書は大沼国際交流プラザ、町役場などで配布している。問い合わせは、同協会TEL0138・67・3020。(今井正一)



◎なでしこ・熊谷選手の祖父母「よくやった、最高の孫」

 「紗希、本当に頑張ったね」—。サッカー女子ワールドカップ(W杯)決勝のPK戦最終キッカーとなり、「なでしこジャパン」の世界一を決めた熊谷紗希選手(20)の祖父で函館市在往の銀佐久さん(86)と妻のトシさん(77)が19日、函館新聞社の取材で孫の健闘をたたえた。

 熊谷選手の父敏夫さん(54)は函館東高(現市函)出身。バドミントン選手としてインターハイでも活躍していた。熊谷選手は札幌市で生まれ、幼いころから敏夫さんゆずりの負けん気や、友だちへの思いやりが強かったという。「幼稚園の時は自分のおやつを友だちに分けてあげ、小学生の時は勉強や競争で負けたら家で大泣きしていた」とトシさん。

 熊谷選手は小学校3年の時にサッカーを始めた。当時、大会で函館を訪れた時、「じいちゃん、今からお金ためておいて。紗希は大きくなったら、外国に行くから」と語ったという。「自分の夢をかなえた。最高の孫」と2人。

 なかなか函館には来られず、最後に会ったのは3年前という。今大会、銀佐久さんらは全試合、テレビ観戦した。チーム最長身171センチの守備の要。姿が映るたびに名前を呼び続けたと言う。熊谷選手は大会前の親善試合で頭部を5針縫うけがを負い、初戦は頭に包帯を巻いて出場。トシさんは「髪が長くて、まとめたのかと思った」と振り返る。熊谷選手は両親らを心配させないように、けがを伝えていなかった。

 決勝戦のPK。4人目で登場した時は「まさか紗希とは。ハラハラした」と2人。決めた時は飛び上がって喜んだという。「私の名前(銀)以上、孫は金メダルを獲得した。こんな幸せはない」と銀佐久さん。

 熊谷選手は8月から、ドイツ1部のフランクルトに移籍する。「将来は、沢(穂希)選手のように、なでしこを引っ張る存在になってほしい。そのためにもけがをせず、ドイツでプレーして。頑張ってね紗希」。トシさんは壁に貼った孫の写真に語りかけた。



◎ゲートボール離れ進む

 函館市内のゲートボール愛好者の減少が止まらない。1985年創立の「函館市ゲートボール協会」(星川嘉克会長)では、ピーク時に1029人いた会員は89年から減少に転じ、今年6月現在で69人にまで激減している。団体競技のゲートボールから、個人競技のパークゴルフに人気が流れており、星川会長(75)は「競技人口を増やすのは容易ではないが、若者にも通じるゲームの奥深さ、楽しさを伝え続けるのは協会の責任」と力を込める。

 ゲートボールの普及振興や健康増進を目指して発足した同協会は、各町の老人クラブを中心とした団体などで構成。当初は会員935人、53クラブで始まり、88年には1029人、69クラブに膨らんだが、翌年から減少の一途をたどり続ける。公式試合が可能な施設も今では千代台公園多目的広場(千代台町)のみだ。

 「渡島ゲートボール連絡協議会」所属の各市町の団体も、組織数減少に歯止めがかからない。函館・近郊以外の町に存続するのは1、2団体程度。2年前には桧山管内所属の4、5団体を編入合併させている。

 「高齢者のスポーツ」「チーム内で争いが起きる」「ルールが複雑」─。競技を離れる人は口々に漏らす。星川会長は「老人クラブ加入が試合参加の条件と考える40、50代が協会の創立当初から大勢いた」と振り返り「後継者になるはずだった愛好家対策をしっかり打ち出せなかった責任もある」と唇をかむ。

 一方で、個人記録で勝負するパークゴルフに転向する人は右肩上がりで増え続ける。時代の流れとともに強まる個人主義、簡単とされるルール。現在、50代〜97歳の同協会会員の9割がパークゴルフにも親しむが「ゲートボールのルールや面白さを知る人は絶対やめない」(星川会長)という。

 ゲートボールには@比較的簡単な施設でできるA知的好奇心を喚起するB運動量が少ない|といった特徴がある。星川会長は「頭脳を使うところは実は若者向け。魅力さえ知ってくれれば必ず競技人口は増える」。パークゴルフが盛んな本道と違い、広大な敷地が少ない関東以西では「10、20代の初心者が増えていると伝え聞く」とも。

 同協会では昨年、若者向けの教室を初開催した。迅速な競技進行や運動量の増加を目指した数人1組のチーム対抗戦だ。若い世代は集まらなかったが会員の間では評判で、今年も8月27日に千代台公園で開く予定という。

 星川会長は「ゲートボールは消滅寸前だが、一方で『国体競技』の一歩手前である『公開競技』にまで認められている。少しでも興味のある人、初心者を歓迎したい」と教室への参加を呼び掛ける。

 問い合わせは星川会長TEL0138・55・9413。(長内 健)


◎稲わら汚染で道南37戸を調査へ

 道が、道内の畜産農家約650戸を対象に稲わらの利用実態について緊急調査を行うことになり、渡島総合振興局と桧山振興局は今週中に、管内の農家への聞き取り調査を実施する。該当する肥育牛農家(繁殖、肥育一貫経営を含む)は渡島27戸、桧山10戸(いずれも2010年2月1日現在)。

 両振興局は、既に肥育経営をやめたり、新規に始めたりした農家がいる可能性もあるため、JAや農業改良普及センターと連携し調査を進める方針。

 調査では、3月11日の福島第一原発事故後の稲わらの使用実態や購入先(産地)、導入日などを聞き取る。放射性セシウムを含む稲わらが見つかった都県から稲わらを購入していた場合は、放射性物質の有無を調べる。

 渡島総合振興局は「飼料業界の話によると、道内は福島を含む本州産の稲わらを購入している畜産農家は少ないようだ。念のため実態を把握したい」(農務課)とする。

 福島県の畜産農家が出荷した牛肉から、国の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された問題を受け、18日に開かれた道食の安全・安心推進本部の会議で、全道規模の調査を行うことが決まった。(山崎大和)


◎江差町議選、12人が無投票当選

 【江差】任期満了に伴う江差町議選(定数12)は19日告示され、午後5時の締め切りまでに、現職11人と新人1人以外に立候補の届け出はなく、定数通り12人が無投票当選を決めた。町議選が無投票となったのは、町選管に資料が残る1955年の江差町と泊村の合併以降は初めて。

 党派別議席数は、無所属が8人、自民党、公明党は1人で、新人を擁立した共産党は2議席に増やした。当選回数は、改選前まで副議長を務めた小笠原満氏(72)が最多の10回。打越東亜夫氏(67)と薄木晴午氏(62)が7回。24日の選挙会で当選が確定。26日に当選証書を交付する。(松浦 純)

 江差町議選当選者(届け出順)

 横山 敬三(67) 無現A
 萩原  徹(43) 無現A
 小笠原淳夫(73) 無現C
 小林 栄治(53) 共新@
 若山 明廣(62) 公現A
 小野寺 眞(58) 共現E
 室井 正行(62) 自現D
 飯田 隆一(64) 無現E
 小笠原 満(72) 無現I
 打越東亜夫(67) 無現F
 大門 和子(61) 無現A
 薄木 晴午(62) 無現F

 ※氏名、年齢、党派(無=無所属、共=共産、公=公明、自=自民)、現職、新人別、丸数字は当選回数