2011年7月21日 (木) 掲載

◎園児ら銭湯「たのしい!」

 函館市湯川町2の老舗銭湯「大盛湯」(牧野康宏代表)で20日、高丘幼稚園(玉利達人園長)の年長児34人を招いた体験入浴会が行われた。

 銭湯に行く機会の少ない子どもたちに公共マナーや銭湯の楽しさを知ってもらおうと、大盛湯が1992年から幼稚園や小学校を対象に無料の体験入浴会を実施。同園では95年から同入浴会に参加しており、この日は保護者約10人も同行した。

 牧野代表はせっけんをつかった遊び泡ブクブク≠披露。水を入れて濡れタオルをかぶせたカップにせっけんをぬって息を吹き込むと、泡が盛り上がってくるという遊びで、子どもたちは大喜び。また、10年以上前から使っている手作り紙芝居で、銭湯のマナーを学んだ。

 浴場では友だち同士で背中を洗い合ったり泡ブクブク≠ナ遊んだりと大にぎわい。みんなで湯につかり数を数えて体の芯まで温まった。

 最後に園児たちは牧野代表から伝授されたかっこいい乳酸菌飲料の飲み方≠ナ飲み物を味わった。左手を腰に当てグイッと飲みほし「ああ、うまい」。子どもたちの歓声が脱衣所に響いた。

 山田乃英瑠ちゃん(5)は「銭湯に来たのは初めて。みんなで背中ゴシゴシしたよ。ブクブク楽しかった」と笑顔を浮かべていた。(堀内法子)



◎函館市議会、大間原発凍結求める意見書を可決

 函館市議会第2回定例会は20日、本会議を再開。青森県大間町で電源開発(東京)が建設中の大間原子力発電所の凍結を求める意見書を全会一致で可決したほか、総額18億2300万円の本年度一般会計補正予算案など議案24件を原案通り可決し、閉会した。大間原発の凍結を求める趣旨での意見書可決は、道内で初めて。

 意見書では福島第一原発の事故を受け、大間原発が函館中心部から約23キロと近く、プルトニウムとウランを混合して作るMOX燃料を全炉心で使うことから「より危険性の高い原子力発電所」と指摘。巨大な活断層が存在する可能性があり、火山帯の中に建設されるとした。

 その上で、「福島と同様の事故が起これば、遮蔽(しゃへい)物のない函館は存亡の危機にさらされることは明白だ」とし、政府に対し同原発の無期限凍結とともに、エネルギー政策の転換を求める。採決では市民クラブの1人が退席した以外は、全会一致で可決した。

 市議会では過去に、「同原発建設への慎重対応を求める意見書」(2007年7月)、「建設に関わり函館市民への安全性に関する説明を求める意見書」(08年6月)を可決したが、今回はより踏み込んだ内容とした。

 工藤市長は議会終了後に報道陣の取材に答え、「議会と足並みがそろい、市としての意思が統一されたことは心強い。渡島・桧山の首長とも足並みをそろえたい」と述べた。9月議会前の大間町への視察を示唆するとともに、今後については「建設中、計画中の原発に関する国の議論が始まっておらず、見極めながら発言したい」とした。

 可決された議案は、「元気いっぱい商店街支援交付金」などを盛り込んだ一般会計補正予算のほか、市長給与の50%カット、大口需要向け下水道使用量の累進度のほか、青果物、水産物の地方卸売市場の施設使用料をそれぞれ引き下げる条例の一部改正など。人事案件では、函館湾流域下水道事務組合議会の補充議員に本間勝美氏(共産党)を選任した。(千葉卓陽)



◎ミシュラン掲載記念、23日からクイズラリー

 世界の観光地を格付けした旅行ガイドの日本編「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に函館など道南の観光地が掲載されたことを記念し、函館圏の観光関連事業者で組織する「箱館会」(中野晋会長、約50団体)はクイズラリー「函館の星を探せ!」を開催する。23日から12月30日までの間に市内近郊の10カ所を巡り、スタンプを集めたりクイズに回答すると記念品をもらえる。

 函館が開港150周年を迎えた2年前、ペリー提督を基にしたキャラクター「ぺロリ君」を作り、スタンプラリーやクイズラリーなどを開催してきた。3年目となることしは、ミシュランに掲載された観光地を訪れることで函館・近郊の魅力について市民や観光客らに知ってもらう。

 クイズ・スタンプラリーのチェックポイントは10カ所で、最高評価の3つ星を獲得した函館山(眺望)をはじめ、2つ星の五稜郭跡、旧函館区公会堂、大沼など。スタンプやクイズ正解数に応じてぺロリ君のグッズと交換できる。スタンプ1つはシール、スタンプ2個とクイズ5問正解はストラップ、スタンプ4個とクイズ8問正解で木製パズルをプレゼントする。

 また「ぺロリ君 顔はめ看板ラリー」も同時に開催する。五稜郭タワーや函館山山頂などにこれまで設置した8枚に加え、今回新たに津軽海峡フェリーターミナル(港町)にも新設。2カ所以上で撮影した写真を函館国際観光コンベンション協会のホームページから応募すると、抽選で記念品が当たる。

 スタンプを押すラリーシートは、JR函館駅構内などの観光案内所、函館市地域交流まちづくりセンター、大沼国際交流プラザ、函館市内の観光関連施設で配布する。中野会長は「ミシュラン掲載は素晴らしいこと。多くの人に函館の魅力を知ってほしい」と参加を呼び掛ける。(小泉まや)


◎生活交通確保対策協、12年度は37バス路線に助成

 公共交通路線への助成などを決める「渡島地域生活交通確保対策協議会」(会長=三角清志渡島総合振興局地域政策部長)が20日、渡島合同庁舎で開かれた。10月からの2012年度も37路線に引き続き助成することを決定したが、助成額の算出方法が変更されたことで函館バス(函館市高盛町)からは不安の声もあった。

 毎年1回、国、道や沿線自治体などの関係者、補助を受ける事業者で開いている。

 公費で補助金を支出して維持する地域間幹線系統(これまでの生活交通路線)などの運行実績や収支改善計画などを函館バスが報告。国と道が助成する地域間幹線系統は25路線、道と市町が助成する準生活交通路線は12路線。今回新たに対象となったり廃止されたりした路線はなかった。

 地域間幹線系統の12年度の助成額は2億5049万円となった。国の制度変更で、これまで最終的に出た赤字額を助成していたのに対し、12年度からは2カ年前の輸送実績を踏まえて年度当初に助成金を支出することになった。営業努力で余剰金が生じた場合は返還しなくとも良い半面、赤字額が予想を上回る場合はこの処理が課題となる。現在、燃料の高値や東日本大震災により観光需要が低迷していることなどから、同社は「事業者としては不安に感じる」とした。(小泉まや)


◎夏の高校野球南北海道大会、函館勢姿消す

 【札幌】夏の甲子園をかけた第93回全国高校野球選手権南北海道大会(道高野連など主催)第3日は20日、札幌円山球場で1回戦1試合、準々決勝2試合を行った。第1試合は5年ぶりの函中部が1回戦に登場したが、道尚志学園に1—3で惜敗。第2試合は函大有斗が春センバツベスト8の北海に挑み、終盤に踏ん張り切れず2—6で敗れた。第3試合も知内が苫小牧中央に1—4で敗れ、函館支部勢は3校とも姿を消した。