2011年7月25日 (月) 掲載

◎福島の「海峡横綱ビーチ」海開き

 【福島】道が町月崎に整備した人工海水浴場「海峡横綱ビーチ」の海開きの式典が24日行われ、関係者らがビーチのオープンを祝った。この日は午後から晴れ間が広がり、絶好の海水浴日和となり、オープンを待ちわびた家族連れら約3500人が詰めかけ、ビーチに歓声が響き渡った。

 道が約36億円をかけ1993年から整備してきた。遊泳区域が全長約360メートルの突堤に囲まれた「海のプール」になっているのが特徴。シャワーやトイレを備えたビーチハウスも設置されている。

 式典で村田駿町長があいさつした後、テープカットを行った。ステージでは北斗市のご当地アイドル「北斗夢学院・桜組」のライブやもちまきがなど多彩なイベントが繰り広げられた。

 セレモニーを終え、海開きが宣言されると、子どもたちは浮き輪を手に一斉に海に駈け出していった。家族4人で訪れた北斗市の会社員、高森直樹さん(42)は「突堤で囲まれているので子どもを安心して遊ばせることができる」と語り、長女の樹里さん(6)も「海水浴にまた来たい」と笑顔で話していた。

 海水浴ができるのは8月21日までの1カ月間で、時間は午前10時から午後4時まで。(松宮一郎)



◎地デジ完全移行、道南混乱なし

 テレビのアナログ放送が終了し、地上デジタル(地デジ)放送に切り替わった24日、道南の移行支援に当たる総務省北海道南テレビ受信者支援センター(デジサポ道南、函館市新川町)では、市民からの相談対応に追われた。市内の家電販売店では切り替えを済ませていない市民の駆け込み購入が見られた。

 地デジ移行の相談に備え、デジサポ道南はスタッフ約20人が事務所に待機し、市民からの電話相談に応じたほか、函館市や北斗市、江差町など6カ所に臨時相談コーナーを開設し、専門スタッフが対応した。

 デジサポ道南には、午後7時までに23件の問い合わせや相談が寄せられ、ほとんどが操作方法や受信不良に関する相談、購入先の問い合わせで、アナログ放送終了に対する苦情は無かったという。

 臨時相談コーナーでも6カ所で60件の相談があったが、いずれも購入方法、操作方法に関するものだった。

 アナログ放送終了時、テレビ画面にコールセンターの電話番号が表示され、多くの問い合わせがこちらに集中したとみられる。

 デジサポ道南の青木繁夫センター長は「地デジの移行はほぼ浸透したとみられるが、未対応でありながら相談にこない“サイレント層”が気になる。25日以降も引き続き地デジ化を呼び掛けていきたい。受信や操作方法で気になることがあれば臨時相談コーナーやデジサポ道南に相談を」と話す。

 函館市内の家電販売店では、地デジ対応のテレビを求める客が相次ぎ、地デジ移行に合わせて特価セールを行う量販店もあり、商戦も過熱。

 ただ、アナログテレビに取り付ける地デジ専用チューナーや10万円以下の地デジ対応テレビは品薄、品切れ状態。陳列品には「予約済み」「売り切れ」のシールが張られており、それを目にして困惑する客が見られた。

 テーオーデパート(梁川町)内の家電売り場担当者は「地デジに関する問い合わせは毎日のように寄せられ、駆け込み購入が相次いでいる。10万円以下の商品は8月以降まで入荷できない」と話す。

 市内の量販店で3台目の地デジ用テレビを購入した男性(77)は「チューナーの使い方が分からなくてやむなく買った。地デジ化は国策とはいえ、見られるテレビが無駄になるし、余計な出費がかかるので好ましくない」と話していた。(鈴木 潤、田中陽介)



◎北斗市夏まつり盛り上がる、演歌歌手ジェロさん登場

 【北斗】第6回北斗市夏まつり(実行委主催)が24日、JR上磯駅近くの市商業活性化支援センターエイド03を主会場に行われた。歌謡ショーや山車行列、花火大会などが繰り広げられ、会場は熱気に包まれた。

 今年の目玉は、米国出身の演歌歌手ジェロさんのステージ。会場には約4000人が押し寄せ、和の心をしみじみ歌うジェロさんに大きな声援が飛んだ。歌の合間に、ジェロさんは「ホッケが好物」と明かし会場の笑いを誘った。また、ステージでは地元の子どもたちの吹奏楽や民謡、ダンスステージなどもあり、終始盛り上がった。

 夕方からは恒例の山車行列で、女性団体などの踊り手も加わり、市役所から主会場までの道のりを華やかに練り歩いた。プログラムの最後に上磯漁港付近から800発の花火が打ち上げられ、心地よい夜風の中、観衆を魅了した。

 森町から家族7人で来場した会社員、手代森聖二さん(46)は「素晴らしい歌謡ショーで家族皆で楽しめた」。市内押上の女性(57)も「ジェロの歌が最高に良かった」とご機嫌だった。(田中陽介)


◎地域活性化へ縄文遺跡活用、渡島総合振興局が本腰

 渡島総合振興局は本年度、函館市大船遺跡や森町鷲ノ木遺跡などの歴史的価値の高い縄文遺跡を活用した地域振興に本腰を入れる。昨年度の認知度向上対策から一歩踏み込み、本年度は縄文文化や遺跡活用に向けた人づくりに取り組む。サポーターを育成する「縄文講座」を9〜12月に計4回、初めて開催するほか、昨年度に続き中高校生を対象にした遺跡をめぐるバスツアーを9月に実施。いずれも参加者を募集している。

 大船遺跡と鷲ノ木遺跡を含む北海道、青森、岩手、秋田各県にある15遺跡は「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」としてユネスコ世界遺産暫定リストに掲載され、4道県が連携し2015年の世界文化遺産登録を目指す。同振興局は登録に向け、地域の盛り上がりが必要だと判断、多彩な取り組みを展開している。

 縄文講座は9月3日、10月2日、同15日、12月3日の4日間。地域イベントの手伝いや遺跡への来訪者への説明などを行うサポーターを育てる狙い。内容は縄文文化や世界文化遺産に関する講義のほか、鷲ノ木遺跡ストーンサークル見学、縄文式土器の野焼き製作体験、10月1日オープンする函館市縄文文化交流センター(臼尻町)の展示室見学も。高校生以上が対象で、20人を募集。テキスト代1200円が必要。希望者は官製はがきかファクスで名前、年齢、性別、住所、職業(所属)、電話番号を記入、〒041・8558 函館市美原4の6の16、渡島総合振興局地域政策課へ申し込む。締め切りは27日。

 2回目となるバスツアーは9月10日、中高生40人を集めて行う。函館市内(JR函館駅、市民会館、同振興局)を出発。鷲ノ木遺跡から出土された土器などを展示する森町遺跡発掘展示館を見学後、鷲ノ木遺跡ストーンサークル、大船遺跡を訪れる。その後、南茅部公民館で土笛づくり体験をする。帰りも市内3カ所で下車できる。昼食は各自持参、雨天時も実施。参加無料。

 希望者は名前、年齢、性別、住所、学校名・学年、電話番号、バス乗降車場所、保護者の承諾を記入の上、郵送かファクス(0138・47・9205)で同振興局環境生活課へ申し込む。締め切りは29日(当日消印有効)。

 このほか、8関係市町・団体で構成する「縄文文化普及・活用検討ワーキンググループ」の定期的な開催、縄文関連イベントを一体的にPRするポスターやチラシ、ホームページの作成、4〜10月に管内9市町で「北の縄文パネル展」を開催する。

 同振興局は「本年度は縄文遺跡の認知促進に加え、人づくりに力を入れる。人材育成により、将来的に観光活用など地域活性化につなげていきたい」(地域政策課)としている。

 講座の問い合わせは同振興局地域政策課TEL0138・47・9429、バスツアーの問い合わせは同環境生活課TEL47・9435へ。(山崎大和)


◎災害に備えしっかり訓練、ボランティア研修会に市民参加

 本年度ボランティア研修会が24日、函館市総合福祉センター(若松町33)で行われ、110人が参加した。「災害支援と防災活動〜今、私たちができること〜」をテーマに、炊き出しの実践、震災被災地の復旧ボランティア報告、防災講演で災害時における地域の連携や助け合いの大切さを学び、日ごろの備えを改めた。

 研修会は、市社会福祉協議会と市ボランティアセンターの主催。炊き出しは、道南地区赤十字防災ボランティア・リーダー会(玉地国雄会長)がカレーライスづくりを指導。災害救援用の炊飯袋で米を炊き、大鍋でカレーを作り、テント設営から後片付けまでの一連を訓練した。

 参加者は分担作業で協力し「ご飯を食べるまでには結構な時間がかかる。今日は訓練だから平常心でできるが、災害時に落ち着いてできるか心配」という声もあった。

 炊き出し訓練に先立ち、東北復旧ボランティア活動の報告会が行われ、NPO法人北海道坂本龍馬記念館の三輪貞治館長と同協議会の阿知波健一さんが現地での活動内容を伝えた。また、防災講話では、玉地会長(70)が「自分の身は自分で守る。普段できないことはいざというときもできない。自然災害が起きる可能性や自分の住む場所の特徴、地域の支援対策など個人の防災力も含めて日ごろの備えの大切さを感じてほしい」と強調した。

 函館大付属有斗高校3年の浜田拓実君(17)は「被災地の復旧ボランティア活動の様子を知り、自分も参加したいという気持ちになった」、古川町会の西村洋子さん(70)は「大勢で炊き出しの訓練を行うのは貴重で、多くの町会関係者と情報交換もできたので今日は参加して良かった」と話していた。(田中陽介)