2011年7月3日 (日) 掲載

◎交流深める催し多彩…ロシア文化フェス

 「ロシア文化フェスティバル2011 IN JAPAN」(実行委主催)函館オープニングイベントは2日、「ピャトニツキイ記念国立アカデミー・ロシア民族合唱団〜創立100周年記念来日公演〜」のほか、関係者によるオープニング記念パーティー、聖ニコライ渡来150周年を記念したロシア人墓地慰霊文化祭などを行った。さまざまな訪問や芸術発表で、函館とロシアの文化交流を深めた。

 この日は、ロシア連邦大統領特別代理のミハエル・シュヴィトコイ氏、在日ロシア連邦特命全権大使のミハエル・ベールィ氏らが来函。午前中は函館ハリストス正教会(元町)やロシア極東大学函館校(同)などを視察、午後からはロシア人墓地(船見町)で開かれた聖ニコライ渡来150周年記念慰霊祭に参列した。シュヴィトコイ氏、ベールィ氏の献花、同正教会のニコライ・ドミートリエフ司祭による祈りに続いて、同フェス実行委副委員長で、女優の栗原小巻さんら参列者約50人が祈祷した。

 続いて函館国際ホテル(大手町)で、関係者約340人が出席して記念パーティーが開かれた。高橋はるみ知事、工藤寿樹函館市長、シュヴィトコイ氏らのあいさつに続き、同フェスを2016年まで行う調印式、ロシア大統領友好勲章授与式などが行われた。

 夕方からは市芸術ホールで、同公演が行われた。シュヴィトコイ氏がロシアのメドベージェフ大統領のメッセージを読み上げ、日ロ両国の歴史に特別な役割を果たした函館で同フェスを開けることや、同フェス収益金の一部を東日本大震災の義援金とする言葉に、会場から拍手が起こった。

 同合唱団の演技は30ものプログラムで、来場者は豊かな声量で歌う合唱と、多彩なステップの舞踊、民族楽器の演奏を楽しんだ。(山崎純一)



◎優雅な踊り 見物客魅了…江差かもめ島まつり開幕

 【江差】江差に真夏の訪れを告げる、第58回江差かもめ島まつり(主催・江差観光コンベンション協会)が2日開幕した。午後4時には、江差音頭千人パレードが新地町の繁華街を出発。日本海を望む北前坂を下り、かもめ島への道中を優雅に練り歩いた。

 パレードには、町内会、桧山振興局、町役場、江差高校などから、青、白、黄、黒といった、色とりどりの浴衣と編み笠の踊り手が参加。優雅な踊りで、沿道に詰め掛けた多くの見物客を楽しませた。

 同日は、かもめ島入り口にある「瓶子岩(へいしいわ)」で、漁業の繁栄を祈る大しめ縄飾りも執り行われた。長さ約30メートル、重さ約500キロもある大しめ縄を、下帯姿の若者たちが、約10bの高さがある瓶子岩によじ登り飾り付けた。

 2日目の3日は、かもめ島にある厳島神社のおみこし海上渡御が午前9時から執り行われる。同9時半には江差港南ふ頭で、第33回全道北前船競漕大会が開幕。午後2時には、演歌歌手の山内惠介さんらの歌謡ショーも同島で開かれる。入場無料。問い合わせは同協会TEL0139・52・4815。(松浦 純)



◎市町村初 東京のローソンに函館アンテナ店

 函館市は11月にも、函館の特産品を並べ、観光情報を発信する「アンテナショップ」を東京都内に開設する。大手コンビニエンスストアのローソン(東京)の1店舗に専用コーナーを設け、地場産品の販路拡大や観光客誘致を狙う。市は「国内最大のマーケットで函館の物産、観光を両面で発信したい」と意気込む。

 市などによると、ローソンが自治体と連携した店舗は都道府県レベルでは徳島や埼玉、長野など6軒あるが、市町村では初めての試み。都内では虎ノ門や新宿、築地など一等地にあり、東京以外にも沖縄が名古屋に、千葉が横浜、熊本が大阪にそれぞれ出店している。

 市は昨年2月から、職員の発案で準備を進めてきた。出店場所は未定だが、人通りの多い都心部を想定。店内の一角10〜12平方bを使い、函館産の水産加工品や菓子類のほか、粘り気が特長のガゴメコンブ(トロロコンブの仲間)製品など約80品目を販売し、観光パンフレットなどを置いて観光PRも図る。

 同社によると、都内に自治体単独でアンテナショップを開く場合には初期費用に1億円程度かかるが、「既存店舗を活用することで初期投資を抑えられ、店舗にとっても他店との差別化を図れるメリットがある」(法人戦略本部)。同様店舗の来店者数も提携前に比べて約10%伸びているという。

 市は本年度補正予算案に事業費380万円を計上。同社は「函館は全国的な知名度があり、地元でしか買えないような商品を扱いたい」と期待。市商業振興課も「単店では取引が難しい商品も集め、全国展開できるような函館発のヒット商品を生み出したい」としている。(森健太郎)


◎ようこそ函館へ…宮城・福島からツアー客

 JR東日本仙台支社は2日、東北新幹線の新型車両「はやぶさ」を使い、福島県新白河駅を始発とする函館・青森への観光ツアーを開いた。東日本大震災後初めて企画した道内ツアーで、被災地の宮城、福島両県から137人が函館を訪れた。

 「被災者に旅で元気になってほしく、東北全体に広がる旅行の自粛ムードを払しょくしたい」と同社が企画。午前7時30分過ぎに新白河駅を出発、はやぶさが普段停車しない福島県内の郡山、福島、宮城県内の白石蔵王、古川、くりこま高原の各駅に停車して集客した。青森からは特急「スーパー白鳥」に乗り継いで訪れた。1泊2日の日程で市内の観光名所を回り、湯の川温泉に宿泊。

 JR函館駅では、市や函館国際観光コンベンション協会の職員ら7人のほか、観光PRキャラクター「イカール星人」が盛大に出迎え、ガゴメコンブを使ったキャラメルやイカの折り紙などのプレゼントを配った。

 仙台市泉区の文屋達史さん(42)は妻と娘の3人で参加。「はやぶさと青函トンネルが目当てだった。函館では五稜郭を見るのが楽しみです」と笑顔で話していた。(千葉卓陽)


◎「ちびっこ広場」300人満喫

 函館市が主催する「ちびっこあそびの広場」が2日、サン・リフレ函館(大森町2)で開催された。風船などを使った数種類のプールをはじめ、絵本の読み聞かせや工作コーナーなども設置。市内近郊の親子約300人が訪れた。

 市内9カ所にある地域子育て支援センター子育てサロン≠フ合同企画。就学前の子どもと保護者を対象に、遊びを通しての情報交換や親子の時間を持ってもらおうと数年前から年に2回、合同イベントを開いている。

 会場には、チラシやペットボトルのキャップ、風船など身近な物を使った手作りのプールが設けられ、子どもたちは大はしゃぎ。また今回は、大型レゴブロックコーナーが新たに加わり、子どもたちは、積み重ねたり、城を作ったりとそれぞれの遊び方で楽しんだ。

 兄弟で来たという大塚彩音さん(8)は「たくさんのプールやおもちゃがあるし、妹と一緒に遊べてとっても楽しい」とにっこり。児童館のチラシを見て初めて訪れた主婦の岡田いづみさんは「あまり家でできない遊びに子どもも夢中。来てよかった」と笑顔で話していた。(平尾美陽子)