2011年7月4日 (月) 掲載

◎どさんこフェス、勇壮に流鏑馬

 「第6回どさんこフェスタin函館2011」(実行委主催)が3日、緑の島(函館市大町15)で開かれた。メーンイベントの「第6回全国やぶさめ競技函館大会」には、道内、東北、関西から32人が出場。武具をまとった選手がドサンコ馬にまたがり次々に疾走し、矢が的中すると観客から大きな拍手が送られた。

 本道の開拓に活躍したドサンコ馬(和種馬)の歴史や文化を知ってもらおうと2005年から開かれている。昨年は家畜伝染病、口蹄疫(こうていえき)の影響で中止となり、2年ぶりの開催。流鏑馬(やぶさめ)は、全長180bの走路にある3つの的を、疾走する馬上から射抜く。

 今大会は初心者から中級者までの一般個人戦とインストラクターなどによる選抜個人戦のほか、団体戦が行われた。選抜個人戦では、函館どさんこファームの池田賢治さん(29)が3位入賞。同大会4度目の優勝はならなかったが「大会準備が始まったころに東日本大震災が発生し、作業が遅れたが、たくさんの選手が集まってくれ、けが人もなく無事終わることができた。皆さんの協力のおかげで、来年も大会を開けるように頑張りたい」と話していた。

 このほか、会場では和式馬具の展示や乗馬体験などが行われ、子供らの歓声がこだました。結果は次の通り。(敬称略)

 ◇個人▽選抜@菊池茂勝(岩手県)A大堀直喜(剣山どさんこ牧場)B池田賢治(函館どさんこファーム)▽一般@中澤英次(道央流鏑馬会)A野澤英雄(函館どさんこファーム)B山本伊南海(道央流鏑馬会)◇団体@十和田A輪厚B函館 (山崎純一)



◎サロンで子育て支援充実

 函館市の深堀保育園(深堀町27)に本年度から、市内9番目の「子育てサロン」が開設された。3カ月が経過し、徐々に母親の口コミなどから広がり、1日平均で10組ほどの親子が利用している。また、町会館や公園で開くサロンも始まり、地域の子育て支援の充実が図られている。

 子育てサロンは、未就学児の子どもを対象に、親子が気軽に集える場所として、市の委託事業で市内保育所に開設されている。地域の子育て支援の拠点として、親子で遊びを楽しむほか、子育てに関しての情報交換、指導員が育児相談に応じるなどの活動をしている。

 従来の8サロンに加え、本年度に新設された「深堀子育てサロン」は、窓が一面に広がり開放的な空間の施設に。共有スペースと別の授乳室にはベビーシート、ベンチが設けられ、母親に配慮した作りになっている。夏は港まつりへの参加、秋は収穫体験などの行事を行う予定で、親子で楽しむ遊びの支援、育児相談などに取り組んでいく。

 同サロンの保育士、岩井直子さんは「母親がリラックスしたり、親子で楽しめるようなサロン作りに向け、一歩ずつ前進していきたい」と意気込みを語る。

 一方、市内の各サロンが合同で開く、「まめっこサロン」と「あおぞらサロン」も本年度からスタート。母親同士の仲間作りなどを支援するための新たな場所を設ける狙いがある。

 まめっこサロンは、市内の町会館に出張し、近所に保育園や児童館がない母親でも気軽に来れる場として提供され、通常の子育てサロンとほぼ同じ内容で、指導員が対応する。1〜2カ月に1度開かれる。

 あおぞらサロンは、市内の公園で開かれ、通りすがりの親子でも楽しめるようにとの願いから実施。屋外で親子が遊具などを使って、のびのびと遊びを楽しめることが特徴。2〜3カ月に1度、函館公園などで活動する。次回、青空サロンは7月20日、函館公園(青柳町17)、乃木町オレンジ公園(乃木町1)、旭岡公園(西旭岡町2)で開かれる。問い合わせは市子ども未来室子育て支援課TEL0138-21-3269。(平尾美陽子)



◎函館市9月に事業仕分け、委員6人を公募

 函館市は、事業の必要性や有益性を精査する「事業仕分け」を9月上旬をめどに実施することを決めた。工藤寿樹市長が掲げる財政再建策の一環で、来年3月までに土、日曜日を使い、3〜4回程度行う考え。市は実施に当たり、1日から委員6人を公募している。

 昨年度実施した「事業レビュー」では、市の内部仕分けで「改善が必要」「外部委託が可能」と判断された20事業を市が選び、学識経験者と公募委員の計8人が審査。評価結果を事業の事後評価の方法として用いた結果、過去5年間利用実績がなかった1事業を廃止した。

 工藤市長は財源の確保を視野に「不要不急の事務事業の見直しが必要」と、聖域なき事業仕分けの実施を打ち出している。今回は約2000ある全事業の中から、取り上げる事業を委員に選んでもらう。

 昨年度は分科会を設けず、7〜9月に1週間ずつ通しで行ったが、今回は複数のグループに分けた上で土、日曜の実施を1回とし、少なくとも3〜4回行う考え。委員は有識者を含めて10人程度とし、男女3人ずつ公募する。市行政改革課は「市民目線をより強め、予算に反映できるものは順次、反映していく」と話している。

 公募は市内に住む18歳以上で、土、日曜日の連日開催を3〜4回、午前9時から午後5時までの間に参加できることが条件。申し込みは14日までで、市役所本庁舎1階や各支所などで配布する所定の申込用紙に必要事項と応募の動機を記入の上、〒040・8666、函館市東雲町4の13、函館市総務部行政改革課まで郵送または持参する。問い合わせは同課電TEL0138-21-3668。(千葉卓陽)


◎犬の気持ち考えしつけを、入交さんが講演

 飼い犬の心情を読み、コミュニケーションづくりの手立てとする講演会「犬の気持ちを知ろう!」(函館イカ倶楽部主催)が3日、函館山山頂のクレモナホールで開かれた。110人が参加し、専門家の解説に耳を傾け、ペットへの愛情を深めた。

 北里大学で動物行動学を教える入交(いりまじり)真巳さんが講師を務め、犬の心理を科学的根拠に基づき伝えた。

 犬が言うことを聞かないのは人間をばかにしているのではなく、理由があると紹介。ほえたり、かみついたりするのは恐怖や不安があるほか、ほえることで嫌なことを止めてもらえると学習したものや「脳神経が育つ前に親から離れたことによる不安傾向が考えられる」と伝えた。

 犬の怖がりや不安、自信のない様子の見極めに▽唇をなめる▽あくびをする▽理由なく飛び上がる―などを挙げ、「問題行動は犬のわがままではない。飼い主が直前の行動を見極めることで穏やかに接し合うことができる」とした。

 しつけについては「体罰や圧力で飼い主が威厳を保ち、恐怖を与えるのではなく、問題行動の理由を把握しながら正しい学習を導いてあげることが重要」と述べ、「犬の気持ちを考えて一緒に楽しく生活できるように願っています」と結んだ。(田中陽介)


◎子どもが座禅で精神統一

 曹洞宗北海道第一宗務所第一教区(太田広康教区長)主催の「第49回 小・中学生のための禅の集い」が、2日から1泊2日の日程で、函館市亀田中野町136の潜龍寺で行われた。函館近郊から小中学生26人が参加。子どもたちは座禅の組み方や食事作法の学習、法話を聞くなどさまざまな体験に興味津々の様子だった。

 子どもたちに規則正しい生活と、集団生活の楽しさを味わってもらおうと企画。開会式で、太田教区長は「座禅をしたり、花火をしたりと友達の輪を広げ、たくさん楽しんでもらえれば」とあいさつした。

 座禅では、足の組み方や目線の置き方、背中を伸ばすことなどのポイントを学び、鐘の音を合図に約20分組んだ。慣れない姿勢に苦労しながらも、心を落ち着かせ、静かに精神統一をした。  初めて参加したという清田瑠捺さん(13)は「座禅や法話を聞くのも初めて。これからある数回の座禅に耐えられるか少し不安もある」と緊張の様子。今回で6回目の参加となる工藤莉花さん(12)は「座禅をしているとあっという間に時間が過ぎていく。組むことにはもう慣れた」と話していた。(平尾美陽子)