2011年7月6日 (水) 掲載

◎はこだて観光圏 魅力満載…セブン―イレブン・ジャパンとじゃらん

 コンビニエンスストアのセブン―イレブン・ジャパンと、旅行情報誌を発行するリクルート北海道じゃらん、道南滞在型観光を促進するはこだて観光圏は、道南旅行を促す「おでかけGO!GO!」キャンペーンを企画した。道南の食材を使用した新商品を発売し、情報誌で道南のドライブコースや見どころなどを紹介。この夏の道南旅行へいざなう。

 食を通じて道内を元気にする目的で企画。各地をエリアごとに紹介する内容で、7月号では上川エリアを取り上げた。はこだて観光圏の道南は19日発売の同誌8月号に掲載し、9月号では釧路エリアを取り上げる予定。

 ドライブコースでは函館のほか鹿部や森、知内、福島の見どころなどを掲載。同コンビニで19日に発売する福島町産黒米を使ったおむすびや、函館産ガゴメ(トロロコンブの仲間)を使った「冷やし天ぷら蕎麦」、26日発売の「函館牛乳の至福のふわとろっとミルクプリン」を紹介し、これらは道内全831店の店頭に並ぶ。また函館市内の飲食店など4店で提供する、これらの食材を使った特別メニューも載せた。

 函館市内では5日、関係者を対象に同コンビニで扱う3品の試食会が行われた。じゃらん営業推進課の梅辻ひとみさんは「これを通じてはこだて観光エリアや道南の食材のことを伝えたい」と話し、セブン社函館地区担当の安部公成さんは「震災後の函館、渡島を元気にしたい」とした。(小泉まや)



◎市民体育 全面建て替え60億円

 函館市議会第2回定例会は5日、工藤寿樹市長の就任後初めての代表質問を行い、3会派3氏が登壇した。この中で、工藤市長が政策に掲げた市民体育館の全面建て替えについて、市は総事業費が現在の案の約1・7倍となる、60億円規模に膨らむとの見通しを示した。近日中に新たな整備基本計画の素案を公表する方針。

 福島恭二氏(民主・市民ネット)、茂木修氏(公明党)の質問に答えた。  市教委は現体育館を改修しサブアリーナとして残すとともにメーンアリーナを増設し、建設費を約35億円とする方針を掲げていた。工藤市長は「数十年に一度の施設整備。中途半端で使い勝手の悪い付け足し増築ではなく、コンベンションにも対応できる多目的アリーナとして再整備すべき」とし、現体育館を解体する意向を説明した。

 合併特例債の有効期限(2014年度末)まで期間が短いため、今年10月にプロポーザル(提案型公募)を行い、年内に設計業者を選定する考え。総事業費を約60億円とした場合、約20億円が市の自己負担となる。

 また、山本真也教育長は新体育館について「バスケットボールコート3面が設置可能なメーンアリーナ、同コート1面が設置可能なサブアリーナ、柔道場3面を構える武道場や小体育室、多目的会議室、トレーニング室を整備する」と説明。

 茂木氏は「現在の体育館はバスケコート2面が取れる。市民負担が高くなる一方で、サブアリーナが当初計画と比べて狭くなるのでは」とただし、山本教育長は「新築整備によって必要なスペースを確保する」と述べ、理解を求めた。(千葉卓陽)



◎子供の医療費助成 中学生まで拡大へ…函館市、来年4月から

 函館市は、子どもの医療費助成制度について、現在「小学校卒業まで」としている対象を、来年4月をめどに「中学校卒業まで」に拡大する方針を明らかにした。近隣自治体の手厚い制度に追随する形で子育て世帯の経済的負担を軽減し、少子化対策につなげる狙いだ。市の助成拡大は2008年4月以来4年ぶりとなる。

 5日の市議会代表質問で、吉田崇仁氏(市政クラブ)の「制度拡大の実施のめどはいつごろか」との問いに、工藤寿樹市長が「現状の厳しい子育て環境を少しでも向上させ、子育て家庭の経済的負担に配慮した。来年4月をめどに実施したい」と答えた。助成拡大は工藤市長が市長選で政策に掲げていた。

 市市民部によると、現在、市では0〜3歳未満や市税の非課税世帯の子どもの医療費を初診時一部負担金(医科580円、歯科510円)のみとし、3歳以上から小学校卒業までを1割負担とする助成を行っている。この1割負担を来年度から中学生までに拡大する。

 対象拡大により助成の受給対象者は約5300人増え、助成額は年間で約6億6000万円と、現在より約9000万円の支出増となる見込み。市は12月の定例市議会に条例改正案を提出し、来年度予算から拡大分を増額する。市医療助成課は「家計への負担を軽減し、子育て支援の一助になれば」としている。

 道内では多くの自治体が道の基準に合わせ、就学前までの乳幼児の医療費を1割負担としているが、函館の近隣では北斗市が「高校卒業まで」、七飯町が「中学卒業まで」の医療費を「全額」助成している。函館市は近隣との医療格差≠フ是正につなげ、少子化と人口流出に歯止めをかけたい考えだ。(森健太郎)


◎大韓航空が9、10月に運航計画

 大韓航空が、東日本大震災の影響で運休している函館―ソウル(仁川)間の定期航空路線に、チャーター便を飛ばす計画を立てていることが分かった。函館市や函館商工会議所、旅行代理店などの協力を得て集客し、9、10月の週末などに合わせて4往復を目指す。関係者は10月27日まで運休が決まっている定期便の呼び水として期待する。

 同路線は週3回(火・木・日曜日)の定期便だが、ゴールデンウイーク期間の3回を除き、震災後3月22日から止まっている。同社によると、韓国国内では日本での放射能汚染に対する懸念が大きく、路線利用者の多くを占めた韓国からの集客を見込めないという。

 10月末までの運休は6月中旬に決定した。その後工藤寿樹市長や松本栄一同会議所会頭らが韓国の本社を訪問し、早期再開を要請する中で今回の計画が浮上した。

 9月は韓国の旧盆期間に当たる10、13日に各1往復ずつを予定。10月の日程は未定だが、日本の連休に合わせて7、10日とする案やビジネス向けに平日に飛ばす案とがある。機材は通常同路線で使用する定員約150人規模の予定。

 同商工会議所の酒井康次専務理事は「チャーターで実績を付けて運休を解いていきたい」と期待し、経済関係者を通じて積極的に協力を要請中。函館市港湾空港部は「客がこれだけいると示していくことが必要だ。路線にかける函館の姿勢を見せたい」と意気込む。

 同社函館支店は「現在代理店に協力を要請している」と話し、チャーター便の内容次第で前倒し再開の可能性もあると示唆した。(小泉まや)


◎被災児童に辞書手渡す…はこだてギャラリー・落合さん

 函館市時任町のはこだてギャラリー(落合良治社長)はこのほど、5月に市内で開いた「東日本大震災チャリティー美術展」で購入した国語辞典などを、岩手県の大槌町立吉里吉里(きりきり)小学校(佐藤良校長)へ寄付した。同校を訪問した落合さん(63)は「児童に直接渡すことができたことは大きかった。復興支援は続けることが大切で、これからも企画できれば」と話している  同チャリティー展(函館新聞社後援)は、同月21日から31日までテーオーデパートで開催。国内外の著名な作家の絵画や陶磁器などを販売した。落合さんが、作家の故井上ひさしのファンで、井上の長編小説「吉里吉里人」でなじみのある地域に役立てればと企画した。同校に寄付を申し入れたころ、快諾を得たという。

 落合さんは6月23日、京子夫人(59)と共に、東北新幹線新花巻駅からレンタカーを利用し、約2時間かけて太平洋に面した同町の高台にある同校を訪れた。約400b先に美しい海が広がるが、校舎との間にある町はがれきの山だったという。近隣の学校が損壊したため、現在、同校を含め計4校が校舎を利用しているという。

 落合さんは同校3年生28人に辞書を1冊ずつと、佐藤校長に益金の一部を手渡した。「前向きに頑張って、良い青年になってください」と声を掛けると、児童たちは「頑張ります」と元気に返事したという。帰函後、佐藤校長からお礼の手紙を受け取った落合さんは「震災の被害に対して、学校へは補助金は無いようで、今回の支援は喜ばれた。元気な子供たちに会え、本当に良かった」と話している。(山崎純一)