2011年7月7日 (木) 掲載

◎野外劇、通しげいこ

 8日に開幕する第24回市民創作函館野外劇「星の城、明日に輝け」(NPO法人市民創作「函館野外劇」の会主催)のゲネプロ(通しげいこ)が6日、特別史跡五稜郭跡の特設会場で始まった。出演者ら約200人が参加し、全体の流れを確認した。ゲネプロは7日も行われる。

 函館野外劇は、黒船来航や戦争、大火など幾多の困難を乗り越え、現在に至った様子を伝える物語。五稜郭のロケーションを活用した壮大な歴史スペクタクルを75分間、毎年350人以上の市民が演じている。

 この日は午後7時半ごろ、特設会場に出演者らが集合。総合演出担当の松本啓さんが「今日は大いに間違ってほしい。どこがまずいのかしっかり覚えて本番まで直してくれれば」と激励。続いて同40分過ぎからゲネプロ開始。馬や船、大砲など本格的な舞台装置や衣装はほとんど使用しなかったが、メーンキャストから裏方までが各シーンやセクションごとの流れを確かめ合っていた。

 8日は午後6時50分から、函館観光大使の池田さなえさん、平田まりさんによるミニコンサートでスタート。同7時から主催者あいさつ、工藤寿樹函館市長の祝辞、七飯在住の作家新井満さんによる「星のまちHAKODATE」の合唱と続く。開演は同7時40分。(長内 健)



◎函館市議会、住宅リフォーム助成制度創設へ

 函館市議会第2回定例会は6日、代表質問を継続したほか、個人質問が始まり、3氏が登壇した。工藤寿樹市長は、市の住宅リフォーム助成制度について、来年度から実施する方針を明らかにした。防災や福祉、環境対策の観点で住宅の耐震化やバリアフリー化、省エネルギー化を促進することで、地場の建設関連産業を中心とした地域経済への波及効果も狙う。

 市戸ゆたか氏(共産党)の代表質問に答えた。

 市都市建設部によると、これまで個人住宅の新築や改修資金の利子を補給する「個人住宅建設改良資金」の融資制度があったが、近年は利用実績がなく、市の事業レビューで昨年度での廃止が決定。また、前市政では市税によって個人の資産形成につながるとして否定的な見解を示していた。

 工藤市長は「市民の安全・安心な住まいの実現や地球温暖化の防止につながる」との認識を示し、「一時的な経済対策ではなく、継続的に実施する必要がある」と説明。住宅の@耐震化Aバリアフリー化B省エネルギー化—に向けた改修工事に対し、国の交付金を活用して工事費の一部を助成する考え。

 対象は住宅の耐震補強をはじめ、高齢者らに配慮した段差の解消や手すりの設置などのバリアフリー化、壁や窓の断熱化などの工事を想定。1件当たり数十万円の限度額を設け、工事金額のうち一定割合を市と国が折半する形で助成する。道内では岩見沢市や北見市などでリフォーム助成を実施済み。函館市は年内にも対象工事や助成額、施工業者の要件などを取りまとめ、来年度予算に事業費を盛り込む方針。

 このほか、工藤市長が選挙政策に掲げた、市内亀田地区にある亀田福祉センター、亀田公民館、亀田青少年会館、美原老人福祉センターの4施設を統合した「市民プラザ」の建設について、市教委の山本真也教育長はいずれも築30年以上が経過し、老朽化が進んでいるとしたうえで「一元的に集約することで管理運営の効率化を図りたい」とし、同地区内に施設を新築する意向を示した。個人質問に立った北原善通氏(市政クラブ)への答弁。(森健太郎)



◎函館市、職員の研修派遣廃止へ

 函館市の工藤寿樹市長は6日、国や民間企業への職員の長期研修派遣を廃止する意向を明らかにした。人件費削減の一環で、現在派遣している9人のうち7人は来年3月末、2人は13年3月末で引き揚げさせる。

 市議会代表質問で、小野沢猛史氏(市民クラブ)の質問に答えた。改行 市総務部によると、本年度は総務省、観光庁など国の省庁のほか、金融機関や財政再建中の夕張市などへ計9人を派遣。任期は1〜2年で、中でも政策投資銀行には1989年、総務省には92年から行っているほか、北洋銀行とは08年から職員の相互交流を実施している。

 工藤市長は「(各派遣先と)結んでいる協定に基づく研修期間終了後に順次廃止する」と述べ、人件費が1人あたり約800万円、住宅費を含めると全体で約8200万円に上るとし、高い人件費が原因との見方を示した。

 小野沢氏はまた、職員給与の見直しに関し「どういった形で構築するのか」と質問。同市長は、地域の民間企業の給与と整合性の取れたものにするとした上で「企業が市に給与体系を教えてくれるかどうかの協力依頼から始めなくてはならず、きめ細かい調査が必要になる。全国にモデルはなく、2年くらいはかかる」と述べた。(千葉卓陽)


◎星余市高が函館の団体通じ被災地にうちわ送る

 後志管内余市町にある北星余市高校(安河内敏校長)が6日、これから暑さが本格化する東日本大震災の被災地へうちわ100本とタオル50本を送った。「被災地の子どもたちへ絵本を送ろう!」函館プロジェクト(森越智子代表)が6月下旬に行ったチャリティーイベントに協力したもので、生徒たちはうちわにメッセージを記して応援の気持ちを送り届けた。

 同プロジェクトのメンバーの一人で、同校の卒業生の親たちでつくる北星余市道南パドレスの会代表の寺島真須美さんが6月上旬、安河内校長にチャリティーイベントを紹介したところ、同校長も協力を申し出た。

 その後、高校の生徒会が毎年9月の学校祭の開催時に注文しているうちわを多めに購入し、生徒たちがうちわに応援メッセージを書き込んだ。うちわは黒を基調に白字で「躍動」とデザインされ、余白にはマジックで「がんばろー!日本!」「応援しています」などと書かれている。

 6日、発送作業が行われ、同校のうちわなどは、チャリティーイベントで集まったうちわ約200本と合わせて、宮城県石巻市と岩手県宮古市の計4カ所に送った。

 うちわは被災者に配られるほか、一部、石巻市で開催予定の食のイベントでも活用される予定という。

 寺島さんは「生徒の温かい気持ちに感謝です。節電対策の中、暑さも厳しくなるので、皆さんの応援の気持ちを込めたうちわで涼しくなってもらえれば」と話している。(鈴木 潤)