2011年8月13日 (土) 掲載

◎観光情報は任せて 五稜郭公園に移動観光案内所

 函館市は12日、五稜郭公園周辺で移動観光案内所を開設した。観光客でにぎわうこの時期に開設し、パンフレットや散策マップ、地図を配るなどして情報提供に努めている。

 市内の主要観光施設の紹介や地図に加え、外国人向けの冊子など約10種類を用意。市内で発行しているフリーペーパーも並べた。市の職員や観光ボランティアガイドに加え、市が昨年から始めた「まちあるきセミナー」の受講者も、今回からボランティアとして1日5〜6人が接客している。

 五稜郭公園内の一の橋付近にテントを設置。「ゴールデンウイークと比較すると、入り込みは少ない」(市観光振興課)が、午前中から家族連れや個人客がマップを求めたほか、観光施設への行き道を尋ねていた。 セミナー受講者で、ボランティアで案内役を務めた市内上湯川町の寺島祥行さん(67)は「五稜郭やベイエリアはもちろん、寺が並ぶ西部地区の路地裏も見てもらえれば」と話していた。観光案内所は15日まで開設し、午前10時―午後3時まで(最終日は午後1時まで)。(千葉卓陽)



◎道南経済「持ち直しの動き」4〜6月概況

 函館財務事務所は12日、4〜6月期の経済概況「道南経済レポート」を発表した。東日本大震災の影響で観光が落ち込んでいる一方、個人消費や生産活動など「持ち直しの動きがみられる」として、景気の総括判断を5期ぶりに上方修正した。

 個人消費は「引き続き弱さがみられるものの、一部に持ち直しの動き」と、5期ぶりに上向き判断とした。主要大型店(7社)の売上高は節約志向が続く中で夏物衣料の動きが鈍く、前年同期比5.1%減だったが、ホームセンター(3社)は同0.3%増。地上デジタルテレビの完全移行に伴う駆け込み需要で、家電製品の売れ行きが好調に推移した。

 新車販売台数は震災後の供給不足が続いており、普通車、小型車、軽自動車合計で同27.9%減。ただ、6月に限れば軽自動車が前年同月比6.1%増、小型車が同0.6%増と「足元では回復してきている」(同事務所)としている。

 生産活動は「おおむね操業度を高めており、堅調」と判断。中でもセメント、生コンクリート、一般機械の分野で前年を上回る操業が続いているほか、電子部品産業も東北の供給拠点の復旧が進み、上向きの動きがみられる。  観光は震災の影響で低調に推移しており、全体で前年同期比29.1%減。フェリーは被災地への支援活動での利用が多かったとみる一方、JRは修学旅行客の利用、航空機は海外チャーター便の落ち込みを指摘。同事務所は「昨年は競馬場や箱館奉行所のオープンなどプラス要素があった。最近は宿泊予約も若干回復しており、底は脱してきている」とみる。

 このほか、公共事業は北海道新幹線関係の発注が相次いでおり、前年同期比11%増。住宅建設(函館、北斗両市)では貸家が伸び悩み、全体では同9.7%減だった。(千葉卓陽)



◎家族との再会に笑顔 帰省ラッシュ本格化

 お盆を古里で過ごす人たちの帰省ラッシュが本格化している。12日の函館空港(高松町)やJR函館駅(若松町)では土産や荷物を抱えた人たちが大勢帰省し、家族らとの再会を喜び合った。

 函館空港では、全日空の東京発函館行き853便など本州方面からの便がほぼ満席に。出迎える家族らは、混雑した到着ロビーで「お帰り」「元気だった?」などと帰省客を出迎えていた。

 東京の会社員、遠藤泰志さん(34)は「函館には3泊するので、妻子を連れて海水浴に行ったりと函館の夏を満喫したい」と笑顔で話した。  航空各社によると、帰省ラッシュは15日ごろまでで、東京や名古屋など本州方面へのUターンラッシュは15、16日をピークに20日ごろまで続くという。

 JR北海道函館支社によると、帰省客で混雑するのは14日まで。Uターンラッシュは、15、16日をピークに本州、札幌の両方面行きとも20日まで続く見通し。(長内 健)


◎水鉄砲大会で地域活性化! 27日に中島廉売で開催

 函館市中島町にある中島廉売の活性化を図ろうと、函館市内の学生らのグループ「イン・ザ・ループ函館」(川崎修歩代表)が、中島町商店街振興組合やNPO法人「日本障害者・高齢者生活支援機構(JLED)などと協力し、27日午後2時から同廉売の大通りで水鉄砲の競技大会を開く。1チーム5人のチーム対抗戦で、2チームの選手が水鉄砲を打ちあい勝敗を競う。同グループは「国際大会にまで発展した壮瞥町(胆振管内)の雪合戦のように函館を代表するニュースポーツに育てたい」と意気込みをみせている。(鈴木 潤)

 同グループは道教育大函館校、公立はこだて未来大、北大水産学部の学生、卒業生ら約50人が加入。

 大会名は「廉売の乱、第1回水鉄砲サバイバルin中島れんばい」。4月中旬に中島れんばいふれあいセンターで開かれた、若者を対象としたシンポジウムの懇親会で、参加した学生らが水鉄砲の競技会を発案。中島廉売の活性化や地域交流事業に取り組むJLEDなども賛同し、実施に向け検討を進めてきた。

 6月中旬、関係者が同廉売で試験的に競技会を開いたところ、参加者がその面白さを実感。終了後、商店街の事業者や地域住民に意見を聞いた結果、「若い人たちが商店街に集まるのはいいこと」「もっと宣伝した上で開催を」などとおおむね好意的な反応だったという。

 競技方法は、選手全員水鉄砲を持ち、金魚すくいで使う「ポイ」を頭に付けて出場。縦横30b×40bのコートで水鉄砲を打ち合い、頭上のポイを射られた選手は退場、制限時間内で残った人数の多いチームが勝ちとなる。

 大会はトーナメント形式で優勝を競い、3位まで表彰する。参加全チームには中島廉売の商店街で使える商品券1000円分を贈呈する。子どもから高齢者まで誰でも参加可能で、同グループの宮川潤也副代表(21)は「多くの人に参加してほしい。まずは勝ち負けに関係なく楽しんで」と呼び掛ける。

 参加費1チーム1000円。水鉄砲を持参すること。申し込み、問い合わせは実行委事務局電話0138-51-0026。


◎「楠公山」「豊栄山」公開 姥神大神宮渡御祭で活躍

 【江差】開館2年目を迎えた江差山車会館(中歌町193の3)で12日、3日間にわたる姥神大神宮渡御祭を終えたばかりの「楠公山(なんこうやま)」と「豊栄山(ほうえいざん)」の公開が始まった。2基の山車は、来年の祭礼まで1年間展示される。

 同会館は、昨年4月にオープン。毎年の祭礼を境に町内13基の山車を2基ずつ交代で展示する。12日には、磨き上げられた2基の山車が搬入された。さっそく訪れた観光客らは、迫力ある人形や豪華な水引幕に彩られた山車の迫力に驚きの声を上げていた。

 津花町の「楠公山」は、明治以前の製作とされる南北朝時代の武将、楠木正成の人形を中心に、正成の軍旗「非理法権天」の文字を染め抜いたのぼり旗や、菊水の家紋をあしらった馬印などで飾った山車は迫力満点。豊川町の「豊栄山」は、1950年に製作された、日本の神話に登場する農業の神、ニニギノミコトの勇壮な人形が目を引く。

 江差追分会館に併設された山車会館は、共通入館券(大人500円、小中高生250円)で、双方の展示を見学できる。開館時間は午前9時〜午後5時。10月末までは無休で、11月〜3月は、年末年始のほか、月曜日と祝日の翌日が休館日。問い合わせは江差追分会館電話0139-52-0920へ。(松浦 純)