2011年8月17日 (水) 掲載

◎藤原氏が道食品衛生協会会長に就任

 函館食品衛生協会会長を務める藤原厚さん(78)=兼政藤原水産会長=が、道食品衛生協会(札幌)の会長に就任した。道南の食品衛生協会から全道の会長に就くのは初めて。放射性セシウム汚染牛肉の流通など食の安全を揺るがす問題が相次ぐ中、会員の衛生管理を徹底し「安全で衛生的な道産食品を全国、世界にアピールしていきたい」と意気込んでいる。

 藤原さんは1987年から函館食品衛生協会会長を務めるほか、同年から道衛生協会副会長として、食中毒事故の防止や衛生管理の向上に尽力してきた。ことし5月に開かれた道食品衛生協会通常総会で会長に選任された。

 道協会には43支所あり、このうち道南には7支所。8月の「食品衛生月間」に合わせ、道南では2001年から7カ所の食品衛生協会と4保健所が協力し、各地で「ぐるり道南食品衛生」と題した食中毒を防ぐための啓発活動を展開している。

 全道の会長就任により「北海道は安心・安全を最重視し、食料基地としての使命を果たしていかなければ」と気を引き締め、東日本大震災で落ち込んだ観光需要回復策では「行政と協会が一体となり道産食品のおいしさ、安全性をPRする必要がある」と提言する。

 9月13日には札幌市内で約1000人が参加する道食品衛生大会、10月6、7両日には登別市内で道・東北ブロック協議会も開かれ、会長として大会運営の陣頭指揮を取る。ブロック協議会は自粛という考えもあったが「こういうときこそ、被災地を元気づけ、継続的に支援していく態勢づくりが必要」と開催を決めた。会長就任を機により一層、責任感を強くしている。(山崎大和)



◎工藤市長 30日にも大間原発初視察

 函館市の工藤寿樹市長は16日に開かれた市民団体の意見を広聴する「市長のタウントーキング」で、青森県大間町で建設中の大間原発について、今月30日にも建設地を初めて視察する考えを明らかにした。また、来年4月にも組織改革の一環で、現在、福祉部内にある子ども未来室を子ども未来部(仮称)に格上げする方針を示した。

 工藤市長が選挙政策に掲げ、市内で活動する各種団体のまちづくりに関する要望などを意見交換する場として、16日に初めて「タウントーキング」を開いた。この日は公募した12団体のうち、抽選で選ばれた8団体の代表らが市長室を訪れ、30分程度ずつ懇談した。

 工藤市長は新日本婦人の会函館支部(工藤時子支部長)との会談で、大間原発の建設反対を求める要望について、市として「無期限凍結」を求めていくことを強調した上で、30日にも現地を視察する意向を示した。工藤市長のほか、担当職員ら数人が日帰りで建設の進捗(しんちょく)状況を確認し、大間町役場も訪れる考え。現在、市議会とも調整中という。

 また、函館保育連絡会(加藤進会長)との意見交換では、国が目指す「幼保一体化」を柱とする「子ども・子育て新システム」について、工藤市長は「実情と合っていない」とする反対意見に同調。市として未就学児の教育や保健・福祉など市教委や福祉部、市立函館保健所などにまたがる業務を一元化し、「子ども未来部のように子どもに関わる業務を集約、独立させたい」とし、早ければ来年4月にも格上げする意向を示した。

 このほかの団体からは、景気低迷にあえぐ中小・零細企業対策として、土木・建築関連業への波及効果を狙ったリフォーム助成制度の拡充や、子どもたちに自ら暴力から身を守る方策を寸劇を交えて教える「CAP」の普及を求める声も聞かれた。工藤市長は会談後、「ごく普通の市民の声を市政運営やまちづくりに反映させたい」と述べた。今後、月1回程度開く予定。(森健太郎)



◎函館でもUターン始まる

 お盆を古里で過ごした人たちのUターンラッシュが16日、函館でも始まった。JR函館駅や函館空港は、荷物を抱えた家族連れらで混み合い、手を振って別れを惜しむ姿が目立った。各機関によると、混雑は今週末まで続く見通し。

 JR函館駅は、札幌や本州方面に向かう乗客で混雑。JR北海道によると、両方面とも午後からほぼ満席となり、「16、17日がピークで18日以降に若干の空席となる」。3泊4日の日程で群馬県から家族4人で来函した小仁田順紀さん(44)は「湯の川温泉に泊まって函館を満喫したが、思ったより函館は暑かった。青森から新幹線で帰ります」と正午前に新青森へたった。

 函館空港でも終日、混み合った。航空各社によると、16日は全便でほぼ満席。全日空(ANA)は「14日から21日までの上りがほぼ満席で、空席があるのは22日から」、日本航空(JAL)も連日の満席だが、「17日の遅い便で、若干の空席が出てくる」という。

 津軽海峡フェリーは、函館と青森、大間の両間を結ぶ各便で混雑し、「21日までピークは続く」とみる。函館—札幌間を走る高速バス「はこだて号」も14日から満席が続き、全便2台運行で対応。

 道警函館方面本部交通管制センターによると、例年混雑する七飯町西大沼付近の国道5号では、14、15日に札幌方面へ向かう車で渋滞したが、16日に混雑は見られなかったという。

 お盆期間中は観光施設も一定の入場者があった。五稜郭タワー(五稜郭町)は、昨年(13〜15日)比609人増の1万6496人。3日間の曜日が違うため単純比較はできないものの、「震災の影響で観光客が少なかったゴールデンウイークに比べれば上向いてきている」とし、「道内より東北など本州方面からの人出がかなり増えた」と話している。

 箱館奉行所(同町)は、13〜15日に計6416人が来場した。オープンから間もない昨年同時期に比べて約4000人少ないが「曜日も違うし単純比較はできない。家族や個人などさまざまな旅行客で混み合った」としている。(田中陽介、長内健)


◎元職3氏返り咲き 佐藤卓氏トップ当選…福島町議選

 【福島】任期満了に伴う福島町議選は16日、投票が行われ、即日開票の結果、11人の新しい顔ぶれが決まった。激戦の中、元職の3氏が返り咲きを果たした。投票率は83・27%で、2007年の前回選挙(78・02%)より5・25ポイント上昇した。

 今回から定数が1減り、11議席を現職10人と元職3人の計13人で争った。当選したのは現職8人、元職3人。当日有権者数は4464人(男性2073人、女性2391人)。(松宮一郎)

 ◇福島町議選投票結果◇
 =選管確定
 当 695佐藤 卓也49 無元A
 当 552溝部 幸基63 無元H
 当 367平沼 昌平55 無元B
 当 281佐藤 孝男64 無現E
 当 266木村  隆31 無現B
 当 266花田  勇70 無現A
 当 221加藤 雅行62 無現E
 当 219熊野 茂夫62 無現A
 当 189川村 明雄65 公現A
 当 184平野 隆雄63 無現D
 当 166滝川 明子69 共現F
   156藤山  大36 無現
   132杉村 志朗62 無現

 ※得票(案分票は切り捨て、同数得票は届け出順)、候補者名、年齢、党派(公=公明、共=共産、無=無所属)、現職、元職別、丸数字は当選回数


◎「松前マグロ三色丼」20日からリニューアル

 【松前】松前町内の飲食店3店で提供しているご当地グルメ「松前マグロ三色丼」が、20日から料理の内容をリニューアルする。丼の中を「漬け」「揚げ」「サラダ風」に統一し、3店それぞれが趣向を凝らした味を提供。各店では「進化したマグロ三色丼を食べてほしい。3店の食べ比べもおすすめ」と話している。

 松前マグロ三色丼は、2009年の道の駅「北前船松前」のオープンの目玉として販売を開始。道の駅内の北前食堂とレストラン矢野、和風レストラン浦里で提供している。松前で水揚げされた本マグロを一度に3つの味で食べることがきるとあって、ご当地グルメとして観光客らに人気がある。

 道の駅の北前食堂のリニューアルのテーマは「シンプル&ヘルシー」。これまで竜田揚げとそぼろ、ユッケ風の3種類を出していたが、タマゴとやまかけをのせた生のマグロ漬け、天ぷら、ほぐし身とキュウリ、大根を使ったサラダ風の3品を考案した。調理マネージャー、熊谷弘恵さんは「生のマグロの本来の味を楽しむことができるように工夫した。ほかの丼も試行錯誤を繰り返し完成させた自慢の丼なのでぜひ食べてほしい」とアピールしている。

 三色丼にはフノリのみそ汁と松前漬も付く。値段はこれまでと変わらず1200円。問い合わせは松前観光協会TEL0139・42・2726。(松宮一郎)