2011年8月19日 (金) 掲載

◎海王丸入港 市民ら歓迎…オーシャンウィーク開幕

 海に親しむ市民参加型イベント「オーシャンウィーク」(函館国際水産・海洋都市推進機構など主催)が18日、函館市で開幕。独立行政法人航海訓練所の練習船「海王丸」(2556トン)が函館港西ふ頭に接岸し、市民ら大勢が歓迎した。  オーシャンウィークは、水産・海洋の祭典として2年に一度開催。「海とのふれあい」をテーマに28日まで、体験教室やシンポジウムなどを予定している。

 海王丸は日本最大級の帆船で、高さ50b級のマスト4本を備える。18日午前に函館港に入り、函館巴太鼓の勇壮な響きで歓迎した。

 歓迎式で工藤寿樹函館市長は「函館は海、港とともに発展してきた。将来のまちづくりでもこのオーシャンウィークは重要で、皆さんの素晴らしいパフォーマンスも期待している」とあいさつした。

 帆船には海上技術学校の実習生80人と甲斐繁利船長ら乗組員計157人が乗り、接岸中の日没から午後10時まで、船体のイルミネーションを輝かせる。「函館夜景を一層美しく彩れれば」と甲斐船長は語る。

 船の交流は20日午後1時から帆を広げる訓練「セイルドリル」、21日は一般公開(午前9時〜同11時、午後1時〜同3時半)。東京へ向けて出港する22日は、実習生が帆を支えるヤードにまたがって見送りの市民に「ごきげんよう」と呼びかける最高級の儀式「登檣礼(とうしょうれい)」を行う。午前10時すぎを予定している。

 入港をビデオで撮った市内青柳町の越浦正則さん(62)は「初めて見たけど、見事で素晴らしい」と話していた。(田中陽介)



◎東京に函館観光物産館…市が来年度開設へ

 函館市は来年度、首都圏をターゲットに函館の特産品や観光情報を発信する「函館観光物産館」(仮称)を東京都内に開設する。中央省庁との連絡調整が主だった従来の東京事務所とは一線を画し、「シティーセールス」(市商業振興課)として積極的に函館を売り込み、地場産品の販路拡大や観光客誘致につなげる狙いだ。

 市が東京に拠点を設けるのは4年ぶり。計画では、東京事務所を復活させ、物産館を併設する。都内の主要駅の周辺で、通りに面した賃貸ビルの1階に開設する予定。観光、物産両面で函館をPRし、コンベンションや企業、研究所などの誘致にも力を入れる。本年度は調査費として¥30¥万円を予算計上し、現在は市経済部が物件の選定に当たっている。

 物産館では函館を中心とした道南の水産加工品やスイーツなど飲食物を中心に販売し、函館発の特産品の消費・販路の拡大につなげるほか、最新の観光名所やイベントなどを紹介する観光PRのためのブースも設ける。同じ建物内には函館の飲食店などにテナントとして入居してもらう構想もある。既に市内数社から商品を取り扱ってほしいとの引き合いもあるという。

 物産館の管理運営を行う東京事務所には、市職員を1人以上配置。工藤寿樹市長も7月の市議会一般質問で「物産館の開設とセットにして数人を配置し、首都圏在住の民間人で適切な方がいれば配置したい」と述べた。運営方法については提案を公募するプロポーザル方式も検討していて、現在、他都市の先進事例を調査中だ。

 市は本年度中に入居物件や運営体制などを固める方針。同課は「物件探しは難航しているが、首都圏で積極的に函館のまちの魅力をアピールすることで、地域経済の活性化に寄与するはず。国内最大のマーケットで函館の観光需要を掘り起こし、地場産品の販路拡大にもつなげたい」としている。

 市は2008年3月、事務所の賃借料や人件費など年間約3200万円に上るランニングコストを背景にした費用対効果を理由に、都内千代田区にあった東京事務所をいったん廃止。当時は次長級を筆頭に3人の市職員を配置していた。工藤市長は東京事務所の復活と観光物産館の開設を選挙政策に掲げ、首都圏でのPR戦略を打ち出している。(森健太郎)



◎道南ゆかりのおいしい4商品…ローソンで「シスコライス」など販売

 コンビニエンスストア大手のローソン(東京)は、道内551店舗で「『北海道グルメフェア』第10弾〜『どうなん・追分シーニックバイウェイルート』『函館・大沼・噴火湾ルート』編」と題し、カリフォルニアベイビー(函館市末広町)監修の「シスコライス」など道南ゆかりの4商品を、29日まで販売している。道南ならではおいしいメニューが手軽に味わえるほか、シーニックバイウェイが提供する道南の観光・イベント情報も入手できる。

 同フェアは、道とシーニックバイウェイ北海道が共同で行っており、道内各地の食材を利用した商品販売と、地域の観光・イベント情報の発信により地域活性化を応援する企画。また、道とローソンは2008年2月に包括連携協定を結び、食の振興や環境の分野で活動している。

 今回の商品はシスコライス(498円)のほか、函館産ガゴメコンブのおにぎり(120円)、上ノ国町産フルーツポークを使ったサンドイッチ(260円)、函館麺厨房あじさい監修のレンジ塩ラーメン(450円)。地元の人にも観光客にもおなじみのシスコライスは、バターライスにフランクフルトをのせ、ミートソースをかけた商品。

 商品に張られたQRコードを読み取ると、道南の観光・イベント情報などが掲載された携帯サイトを見ることができる。  渡島総合振興局は「こうした機会を通じ、もっと道南食材をPRしていければ」(商工労働観光課)としている。(山崎大和)


◎渡島、各作物とも順調、桧山はほぼ平年並み…15日現在の管内農作物生育状況

 渡島総合振興局と桧山振興局は18日、15日現在の管内農作物生育状況を発表した。8月上旬の好天により、渡島は各作物とも順調に生育しており、桧山は引き続き露地ジャガイモとビートが遅れているが、その他はほぼ平年並みとなっている。水稲の生育は両管内とも順調に推移している。

 水稲は、渡島で平年より5日早い。登熟は順調に進んでいる。草丈は平年並み、葉数、茎数とも平年よりやや少ない。桧山で3日早く、草丈はやや長く、葉数、茎数とも平年並み。

 ジャガイモは、渡島で収穫が順調に進み、進ちょく率は29%。桧山の露地は前回調査(8月1日現在)より1日遅れを取り戻し、10日遅れ。マルチ栽培は収穫が2日遅れ、進ちょく率は58%。

 ビートは、渡島で2日早く、根部の肥大は平年並み。桧山で前回より2日遅くなり9日遅れ。高温、少雨により根部の肥大が遅れている。

 牧草は、渡島で2番草の収穫は6日早く進み、進ちょく率は72%。桧山で収穫は3日遅れ、進ちょく率は30%。少雨で生育が緩慢になっている。

 家畜飼料用トウモロコシは渡島で平年並み、桧山で3日遅れ。このほか、渡島のリンゴは3日早く、果実肥大は順調。桧山の大豆は平年並み、小豆は前回より2日遅れを取り戻し、平年並みまで回復してきた。秋まき小麦は1日遅い7月31日に収穫を終えた。

 渡島総合振興局は「稲の登熟期に入っているので、水管理をしっかり行ってほしい」(農務課)、桧山振興局は「病害虫対策をきちんとして収穫に備えて」(同課)と呼び掛けている。(山崎大和)


◎北方領土返還を訴え…渡島総合振興局が署名活動

 北方領土返還要求運動強調月間(1〜31日)に合わせ、渡島総合振興局は18日、函館市五稜郭町の五稜郭公園で署名活動を行い、462人分が集まった。

 毎年、同月間に合わせ同所で実施している。署名実績は2009年度が314人だったのに対し、箱館奉行所がオープンした10年度は787人と大きく伸びた。

 この日は同振興局のほか、函館市、北方領土復帰期成同盟渡島地方支部(村上幸輝支部長)、千島歯舞諸島居住者連盟函館支部(坂上範夫支部長)から10人が参加。同公園一の橋広場にコーナーを設け、観光客や市民に署名を呼び掛けた。集まった署名は全国の分と合わせ、衆参両院に提出予定。

 渡島地方支部の駒井惇助事務局長は「地域住民、観光客とも北方領土問題への関心が高まり、署名に応じてくれる人も増えている」と手応えを感じていた。

 このほか、関連行事として渡島合同庁舎1階道民ホールに署名コーナーを31日まで設置しているほか、北方領土フォト川柳作品の展示(同ホール、19日まで)、無料電車「北方領土返還号」の運行(17日)を行った。(山崎大和)