2011年8月20日 (土) 掲載

◎海水浴と温泉満喫、椴法華小が海浜学習遠足

 函館椴法華小学校(古川邦彦校長、児童39人)が19日、水無海浜温泉で海浜学習遠足を行った。児童たちは大喜びで地元の海を満喫した。

 地域の海を教材に、自然に触れることや、学年を超えた交流を深めることを目的に毎年行っている。ことしは全学年混合の「縦割班」を作り、校舎から水無海浜温泉までの約5`の道のりを歩いて向かった。

 この日は天候に恵まれ、絶好の海水浴日和。シュノーケルをつけて海中をじっくり観察したり、岩場ではイカを糸の先に結んでカニとりに挑戦した。しばらく遊んで体が冷えたら、海水が満ちてたっぷりと湯がはった温泉スペースでひと休み。「気持ちいい。あったまるね」「ずっと入っていたい」と、顔をほんのり赤くしながら温泉を堪能した。

 1年生の佐々木雄哉君(7)は「前にも来たことがある。泳いだりもしたけど、やっぱり温泉が一番楽しかった」と大満足。思いきり遊んだあとは、同遠足では恒例のカレーライスを全員で味わい、笑顔で頬張りながら楽しい夏の思い出を作った。(堀内法子)



◎谷地頭温泉の売却予定額5億円

 函館市企業局は19日、民営化に向けて売却する方針を固めている市営谷地頭温泉(谷地頭町)の売却予定額が約5億1000万円(税抜き)となる試算を明らかにした。10月にも譲渡先の事業者の公募を始め、来年1月にも売却先を選定する。

 19日に開かれた市議会の経済建設常任委員会(松宮健治委員長)で報告された。6月下旬に開かれた市上下水道事業等経営審議会で素案が初めて示され、7月には売却の方針を近隣町会や市浴場協同組合などに説明し「一定の理解、了承が得られた」(上下水道部温泉課)とした。

 売却額は不動産鑑定評価額を基に算出し、土地、建物を含めた最低価格となる見込み。売却方針を打ち出した2008年度には売却額は簿価で約8億円に上り、業者からも「高すぎる」との指摘があった。売却後の入浴料については「現在(大人420円)の料金で推移する見通し」(同部)という。

 今後は9月の定例市議会で補正予算案を提出し、10月から提案型の公募を開始し、学識経験者を交えた選定委員会で選定する。井田範行氏(市民クラブ)が「プロポーザル方式にしたのはなぜか」とただし、佐野肇行同部長は「安定経営に向け、価格以外の要素を総合評価したい」と述べた。来年3月の引き渡しを目指す。(森健太郎)



◎「函館平野西縁」延長上の海底活断層調査始まる

 【木古内、北斗】北斗市内に位置する「函館平野西縁断層帯」の延長上に位置する海域部の活断層調査が19日、始まった。海底下数百b程度の地質構造を調べるマルチチャンネル音波探査で、機材を積み込んだ漁船に調査員ら6人が乗り込み、木古内町の泉沢漁港を出港。北斗市当別の沖合などで、海域部の地層の状態を確認するのに必要なデータを収集した。

 同断層帯の海域部の本格的調査は今回が初めて。調査は、文部科学省が進める「沿岸海域の活断層調査」の一環で、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)と道立総合研究機構地質調査研究所(札幌、小樽市)が受託。活断層の分布と活動時期を解明し、得られたデータを文科省の地震調査委員会が評価する。

 調査を担当する総合地質調査株式会社(東京)の畑山一人技術部課長によると、「ブーマー」と呼ばれる機材を船尾からえい航し、海底面に音波を出し、音波の浸透や跳ね返り具合で、地層の境界のずれを見極め、断層の有無を判断。データは船内のパソコンに転送され、画像処理されるという。

 マルチチャンネル探査は順調にいけば、8月30日で終了を予定。その後、道立総合研究機構が主体となって、海底の比較的浅い部分の音波探査や、堆積構造や地層の年代を特定する柱状採泥調査が行われる。(今井正一)


◎「すしの街」函館PRで市はパンフ作製

 函館こそ「すしの街」―。地元の新鮮な海の幸を生かしたすしを新たな観光ブランドにしようと、函館市がPRに本腰を入れ始めている。今年に入り、市内のすし店や地元ならではのネタを紹介するパンフレットを初めて作製し、旅行代理店などへの売り込みを強めている。市ブランド推進課は「道内では小樽が有名だが、函館のすしのおいしさを知ってもらいたい」と、PRに懸命だ。

 函館・道南地域は津軽海峡や太平洋、日本海と漁場に恵まれ、すし文化が栄えた土地。今年1月に東京・築地の初競りで3249万円の史上最高値を付けた戸井マグロや、鮮度の良さが自慢のスルメイカ、身の引き締まったミズダコなど、食材も豊富にそろう。

 市は、函館市内ですし店が約120店あり、小樽よりも約30店多いことに着目。「函館の景観や歴史を紹介する冊子は官民問わず数多くある。食の集大成であるすしの魅力を伝え、観光客呼び込みのツールに使いたい」(ブランド推進課)とパンフの作成を決めた。

 パンフでは市内を8つのエリアに分け、協力が得られた一般すし店と回転ずし店68店舗を掲載。海産物が捕れる季節をまとめたカレンダーや、地場産ねたの味の秘けつ、道南発祥の米ふっくりんこなどを紹介している。

 A5判29ぺージ。1万部を作製しており、道内外の旅行代理店に配布している。同課は「旅行商品をつくる際の参考にしてもらえれば」と話しており、反応を見ながら増刷も検討する考え。(千葉卓陽)


◎道新幹線開業に向け広域観光ルート創設へ

 道は本年度、青森県と連携し、道新幹線開業に向けた広域観光ルートの旅行商品づくりに乗りだす。10月と来年1月に首都圏の旅行代理業者をそれぞれ10人程度招き、2泊3日で青森と道南を巡るモニターツアーを実施。既に開業した東北新幹線・新青森駅に加え、2015年度に予定される新函館駅(仮称)開業により、駅北側地域への大きな波及効果が見込まれるため、七飯、鹿部、森の環駒ケ岳3町が受け皿となる商品開発を目指す。

 青森と道南の広域観光振興を目的とする「青函広域観光推進協議会」が、これまで首都圏などで青函観光PRをしてきた実績を踏まえ、新幹線効果を最大限に引きだす狙い。渡島総合振興局が本年度から3カ年で「道新幹線開業に向けた広域観光推進事業」として取り組む。初年度の予算は337万円。

 ツアー第一弾は10月23〜25日に実施予定。初日は新幹線でJR東京駅を出発し七戸十和田駅(青森県七戸町)で下車。牧場「金子ファーム」(同町)でジェラートを楽しんだ後、恐山や薬研(やげん)温泉渓流を散策し、下風呂温泉(風間浦村)に宿泊。2日目は佐井港(佐井村)での乗船観光などを経て、大間港からフェリーで函館入り。函館国際ホテル(大手町)で開催中の「食と観光ブランドフェア」(24、25日)に特別参加。道内外バイヤーに交じり、道南一次産品などの魅力を肌で感じてもらう。夜には城岱牧場(七飯町)で函館山夜景を裏から眺める「七つ星夜景」を満喫。宿泊は大沼プリンスホテル(同町)。

 最終日は、大沼公園でセグウエイ乗車体験などを行った後、日本初の冷凍食品工場「ニチレイフーズ工場」(森町)を見学。出来澗漁港から鹿部漁港まで漁船で移動、しかべ間歇(かんけつ)泉公園(鹿部町)で足湯を楽しむ。1日オープンの函館市縄文文化交流センター(臼尻町)を見学し、空路で東京へ戻る。

 第二弾は、来年1月に道南から青森を巡るルートを設定、道南では大沼公園でのワカサギ釣りやスノートレッキングなどを予定している。

 同事業ではほかに、八雲町、長万部町、せたな町、今金町をはじめ、後志管内島牧村、黒松内町、寿都町、蘭越町を対象に、観光エリアとしての可能性を探る見学会・相談会を10〜11月に実施。札幌の観光専門家を招き、振興局単位で計3回、観光資源の調査・発掘などを行う。

 また、9月に高島屋大宮店(さいたま市)で開かれる道物産展で、観光PRとして渡島のガゴメ、桧山の江差追分、後志のニセコ(アウトドア)を紹介する。10月にも、高島屋横浜店(横浜市)で開催される道物産展で青森と道南の観光を売り込む。

 同振興局は「新幹線の開業効果を最大限に活用するため、食と観光が一体となり、他の地域とも連携しながら道南観光の活性化につなげたい」(商工労働観光課)と意気込む。(山崎大和)