2011年8月21日 (日) 掲載

◎子ども夢中「面白い!」 科学祭開幕

 科学の魅力を発信する「はこだて国際科学祭」(サイエンス・サポート函館主催、函館新聞社など後援)が20日、五稜郭タワーアトリウムで開幕した。多彩なプログラムを体験しようと、大勢の市民が参加、楽しく科学に触れた。28日まで行われる。

 五稜郭タワーを中心に、市内の複数会場で開催。3年目のことしは「はこだて・健康・みらい」をテーマに、科学と健康にまつわるさまざまな企画を用意している。

 ことしの目玉企画「絵本カーニバルin科学祭」のブースでは、科学や健康に関する絵本がずらり。体の仕組みや、さまざまな生き物が載った本など、わかりやすく描いた絵本に、訪れた子どもたちが瞳を輝かせた。

 絵本の中には、公立はこだて未来大の学生が作った「仕掛け絵本」も。各ページの1部分に専用のカメラをかざすと、目の前に置かれた液晶に登場キャラクターが立体的に飛び出すようになっており、子どもたちは「不思議だね」「絵が動いたよ」と夢中で楽しんだ。開発者の1人、相内祥平さん(3年)は「手足があるキャラクターを立体で動かすのは技術的に難しい。夜遅くまで頑張って開催を迎えた」と安どの表情。

 このほか、「科学屋台」ではカタクチイワシの解剖や、車イスの体験なども行われた。家族で遊びに来ていた函館ひかり幼稚園の佐々木奏ちゃん(5)は、Tシャツに科学祭オリジナルステッカーをつけ、「兄弟でおそろいだよ」と笑顔。「木の本を読んだ。面白かった」と楽しげに語った。(堀内法子)



◎過ぎゆく夏満喫

 函館と近郊で20日、地域を代表する恒例の夏祭りが開かれた。日中は雨にたたられる場面もあったが、来場者は過ぎゆく夏を惜しむかのようにさまざまなイベントを楽しみ、夜空に打ち上がる大輪の花火に酔いしれた。

 ■被災地復興願いも…湯の川温泉いさり火まつり

 ○…函館市の湯の川温泉街では、地元の夏祭りの最後を飾る「第46回はこだて湯の川温泉いさり火まつり」(実行委主催)が開催。花火大会をはじめ、源泉をみこしで運び湯倉神社(湯川町2)に奉納する「いさり火献湯行列」や灯籠(とうろう)流しが行われた。

 まつりは地域を支える源泉を湯倉神社に奉納する献湯行列で開幕。割烹旅館若松(湯川町1)で採湯式を行い、河内孝善実行委員長は「東日本大震災を受けて内外で厳しい状況だが、いつもの年に増して気持ちを込めてお湯を届けよう」と呼びかけた。

 各施設から持ち寄った湯がみこしの木樽に注がれ、50人超の担ぎ手が威勢よく練り歩いた。出発直後から激しい雨に見舞われたが、行列の熱気に沿道から大きな拍手が起きていた。

 夜には松倉川下流で花火大会が行われ、おなじみのイカ花火など3000発の大輪が大勢の観覧客を魅了した。また、この夏温泉街に滞在する被災地からの家族連れらには特別観覧席が用意され、大きな歓声が響いた。

 福島県郡山市の原田康堅(みちたか)君(8)は「面白い形の花火があってきれい。すぐ目の前で上がるのもすごい」とにっこり。母親の裕子さん(37)は「子どもたちが外で遊べることの幸せを感じ、観覧席を設けていただいたりと函館の皆さんへの感謝は尽きません」と話していた。(田中陽介)

 ■大歓声 カッター競漕…しかべ海と温泉のまつり

 ○…【鹿部】「第30回しかべ海と温泉(いでゆ)のまつり」(実行委主催)は鹿部漁港特設会場で開かれた。カッター競漕(きょうそう)や「演歌界の黒船」ことジェロさんのスペシャルライブ、豪華景品を用意したビンゴ大会など、節目の30回目にふさわしいさまざまなイベントで大勢の来場者を楽しませた。

 まつりの見せ場のひとつ、伝統のカッター競漕には、男子20チーム、女子6チームの総勢260人が参加。8人で舟をこぎ、中間地点の救命胴衣を拾い上げて往復180メートルのタイムを競った。観客からも盛んな声援を受けながら、息を合わせてオールをこぎ、水しぶきを上げていた。

 男子の部優勝の「ユキオとゆかいな仲間たち」は、「宮浜A」として出場した昨年に続き連覇を達成。タイムは2位の「宮浜B」に約8秒差をつけての圧勝で、代表の滝野行央さん(29)は「おれと仲間たちのおかげです」。

 女子の部は「渡島リハビリ」が2分33秒97のタイムで4連覇。同じ職場の男子チームをわずか約0・5秒差で上回った。監督の小野ひな子さん(55)は「男子チームに勝てたことがうれしい。来年、『打倒女子』を目指してほしい。5連覇に向けて頑張ります」と話していた。

 会場には、さまざまな屋台が並んだほか、近海の生きた魚やタコなどを放したミニ水族館コーナーなど、家族連れが楽しんでいた。夜には盛大に花火大会が行われ、2500発の花火が夜空を彩った。(今井正一)



◎大舞台でも自然体で 来月全国童謡歌唱コン道決勝大会

 9月3日に札幌で開かれる「第26回全国童謡歌唱コンクール」の道ブロック決勝大会に、函館の声楽家、島聖子さんが指導している教え子3人が出場する。3人は「大舞台で自分の思いを自然体で表現したい」と話し、練習に励んでいる。

 歌唱力や発音、表現力などを競う同大会には子ども、大人、ファミリーの3部門があり、最優秀賞を受ければ全国大会に出場できる。島さんの門下生は予選選考のテープ審査を受け、函館短大付属幼稚園年長組の佐藤優成ちゃん(5)、函館ラ・サール中1年の青野希君(12)と、一般の水島真澄さんが全道大会へ進んだ。

 3歳から歌を習い始めた優成ちゃんは同コンクール初挑戦。今年4月、「カワイうたのコンクール」全道大会の未就学児部門で見事銀賞に輝いた。「幼児にしては音域が広く、発音もいい」(島さん)と、関係者の期待も膨らむ。

 子ども部門に出場する優成ちゃんは「『おなかのへるうた』を歌います。元気に、楽しく歌いたいです」と話している。

 青野君は童謡コンクール全道大会出場は5回目で、今回は大人部門に出る。2年前には優秀賞も受賞しているだけに「歌詞や曲の持つ雰囲気を大切にしながら、全国大会を目指したい」。

 水島さんも同部門に出場し、今回で7回目の挑戦。過去2回優秀賞を受けており、「大人が歌う童謡の難しさを毎回痛感しているが、童謡の持つふんわり感や優しさを自分なりに精いっぱい表現できたら」と目を輝かせている。(長内 健)


◎てくてく歩いて魅力を再発見!

 函館市内の散策コースを観光ボランティアガイドの案内で歩いて巡る街歩きイベント「てくてくはこだて特別版」が20日、始まった。初日は市民ら約10人が参加し、西部地区の主要な見どころを約1時間半かけて回り、隠れた魅力を再発見した。

 「てくてく—」は市が策定した観光ルートをガイドとともに散策する街歩きイベントで、昨年から本格的に開始。今年は10月10日までの毎週金、土、日曜と祝日の計25日間行い、散策ルートも13コースと昨年よりも拡充。市内の飲食店約80店でクーポンとして使えるリストバンドも配布する。

 初日は「これぞ王道!元町散策コース」があり、函館観光ボランティア「一會(いちえ)の会」の佐藤喜久恵会長(67)がガイド。東本願寺函館別院ではコンクリートに真水を使ったことが建物の強度につながっていることや、元町カトリック教会の魔よけとして六角屋根の上に雄鶏が据えられている裏話を紹介しながら歩いた。

 友人と2人で初めて参加した七飯町の主婦佐久間良子さん(66)は「ただ歩くより勉強になることばかりで、函館の良さを見つめ直すことができた」と笑顔だった。参加費は500円(小学生以下無料)。申し込みは希望日前日の午後5時までに函館観光コンシェルジュセンターTEL0138・26・0300へ。