2011年8月22日 (月) 掲載

◎富岡町一丁目町会に寺子屋 「子どもと地域の交流の場に」

 子どもの居場所づくりを目的とした函館市の富岡町一丁目町会(坪川英司会長)の新事業「町会寺子屋」が19日、同町会館(富岡町1)で始まった。初日は近隣の児童5人が参加し、講師のもとで和気あいあいと国語や算数を学んだ。坪川会長(68)は「地域と子どもの絆を深め合う場に発展させたい」と意気込んでいる。

 函館では、昨春から市の事業として中島、深堀の両児童館で寺子屋が開かれているが、小学校校長や児童館館長を務めた坪川会長が「町会館でも何かできないか」と発案。児童の成長を地域全体で支える町会事業の一つとして、小笠原雅副会長(69)を中心に昨秋から準備してきた。同町会によると、町会単独の寺子屋は初の試みという。

 漢字や計算問題、軽スポーツなどを学習内容に、同町1の小学2年生を対象として町会館で第1、3金曜午後3時から実施。参加無料で、講師は元臼尻小校長の森武一幸さん(64)と元木直小校長の前田昭佳さん(69)らがボランティアで務める。

 この日は函館亀田小2年生5人が集まり、1学期に学んだ足し算や漢字の復習問題に取り組んだ。「できた!」とすらすら解いていく子もいれば、解き方が分からない子も。森武さんと前田さんの親身な指導に「分かった」などと理解を深めていた。

 川島悠詩(うた)さん(7)は「勉強が好きで参加した。新しい友達もできるし地域の人も優しい。毎回参加したい」と笑顔だった。

 坪川会長は「昔の子どもは地域住民から物を教わった。触れ合いと絆を大切に長く続けていきたい」とし「最初は児童中心だが、いずれは昔遊びを取り入れ、大人やお年寄りら三世代が参加できる交流の場を設けたい」と話している。(長内 健)



◎楽しく自分の健康測定 市総合保健センターでイベント

 夏も元気に健康づくり—。第23回市民健康まつり(実行委主催)が21日、函館市五稜郭町23の市総合保健センターで開かれた。大勢の市民が訪れ、骨密度などを計測する検査体験や栄養バランスが取れた料理などを楽しみ、健康増進の大切さを学んだ。

 楽しいイベントを通して、健康づくりの関心を深めてもらおうと、市医師会、函館歯科医師会などが協力し、毎年開催している。今回は「はこだて・健康・みらい」がテーマのはこだて国際科学祭2011(28日まで)に合わせ、連携事業として時期を早めて実施した。

 同センターの1階から4階までに各種コーナーが設けられ、薬剤師による薬の相談コーナーや口腔内の健康を紹介するブースに人気が集まっていた。また、骨密度測定には行列ができ、終了すると「カルシウムを摂取しないと」と、用意された牛乳を飲む人たちの姿も目立っていた。

 ヘルシー食堂で野菜たっぷりのカレーを食べたという市内の女性(58)は「おいしくて健康になれるなら、家でも作りたい」と話していた。(小杉貴洋)



◎道南竜将戦 15代王座に中浜さん

 将棋の第15回道南竜将戦(函館新聞社主催、日本将棋連盟函館中央支部共催)が21日、函館市港町の同新聞社3階大会議室で開かれた。有段者13人がトーナメントで競い合い、中浜佑介さん(20)が15代目の「竜将」を勝ち取った。同時に行われた日本将棋連盟初段免状獲得戦は19人が出場し、函館中部高校1年、長内淳紘さんが優勝。道南小学生竜将戦は13人が参加し、函館港小6年の野田省吾君が熱戦の末、チャンピオンに輝いた。

 2年目の挑戦で見事に道南竜将に輝いた中浜さんは「これまで失敗を恐れて攻めを間違えたケースが多く、今日は思い切ってやろうと思った。準決勝まで良い展開ができたので、決勝では緊張感を持つことができ、良い将棋で勝てた。昨年まで6連覇していた坂木祐介さんと同じ名前なので、“第2のユウスケ”と言われるよう、精進していきたい」と喜んでいた。

 初段免状獲得戦を制した長内君は「(函館中部高の)部活で指導して頂いた先輩のためにも優勝できうれしい。初段獲得は目標だったが、これに満足せず、着実に段位を上げていきたい」と笑顔を見せていた。

 プロ棋士を目指し、一日約5時間練習に励むという野田君は「優勝できてとてもうれしい。来年に向け、これからも毎日の練習を頑張りたい」と喜びを語っていた。(平尾美陽子)

 各大会の上位は次の通り。(敬称略)

 ▽道南竜将戦@中浜佑介A松谷香奈B斉藤航輔▽初段免除獲得戦@長内淳紘A金谷翼B佐藤龍之介▽道南小学生竜将戦@野田省吾A大内大季B蒔田瑛功C野田匠D植野椋太


◎サッカーJ2コンサドーレ 函館で6年ぶり勝利

 サッカーJ2公式戦「コンサドーレ札幌対京都サンガFC」が21日、函館市千代台公園陸上競技場で開かれた。年に1度の函館開催に地元や札幌などから約6300人が来場。試合はコンサドーレが後半に逆転し、2—1で勝利。2005年以来、6年ぶりとなる函館での白星にファンは大喜びした。

 前半に先制されたコンサドーレは、後半の立ち上がりにジオゴ選手がミドルシュートをたたきこんで同点とし、続いて近藤祐介選手が逆転のゴールを決めた。この日の函館は晴れ間が広がり、27・0度まで上がった気温とともに、ファンの熱気も増していった。

 会場では今年、コンサドーレのダンスドリルチーム「コンサドールズ」の道南初メンバーとなった函館の藤島沙希恵さん(19)がパフォーマンスを披露。“勝利の女神”役を果たした。試合後、藤島さんは「この日を楽しみにしていた。コンサドーレが勝ってくれて、本当にうれしい」と話していた。(山崎純一)


◎オーシャンウィーク 海の生物にタッチ人気 海王丸はきょう出港

 海をテーマとした市民参加型イベント「オーシャンウィーク2011」(函館国際水産・海洋都市推進機構など主催)で、函館港西ふ頭に停泊中の大型帆船「海王丸」(2556トン)の一般公開と屋外イベントが21日、同ふ頭で行われた。多くの家族連れらが船内見学や「タッチプール」など多彩な催しを楽しんだ。

 一般公開では、来場者が普段見られない帆船内部の見学や、訓練生と交流をした。函館市五稜郭町の主婦(35)は「船上から見る景色が素晴らしかった」と話していた。

 屋外イベントでは、ナマコやウニ、コンブなど海の生物に直接触れられるタッチプールが子供たちに大人気。函館旭岡小学校3年の岩船春菜さん(9)は「ナマコはニュルニュルして気持ち悪かった。ツブは固くて石みたいだった」と笑顔を見せていた。

 このほか、チンドン屋やフォークソングを中心としたバンド演奏、アフリカンパーカッション&ダンス、YOSAKOIソーラン演舞などで会場を盛り上げた。

 同帆船は22日、東京へ向け出港する。(山崎大和)