2011年8月29日 (月) 掲載

◎地場産ブランド黒豚堪能 銭亀沢でバーベキュー祭り

 函館市銭亀沢地区の一大イベント「第13回黒豚バーベキュー祭り」(函館商工会議所銭亀沢地区青年部主催)が28日、同市赤坂町の志海苔ふれあいひがし広場で開かれた。好天に恵まれ、バーベキューには大勢の人が集まり、地場産ブランド豚「函館男爵黒豚」の炭火焼きを堪能した。

 同青年部が「地域ににぎわい創出を」と、1998年から毎年この時期に企画。ことしは「がんばろう東北、がんばろう函館」と銘打ち、売り上げの一部を東日本大震災への義援金として寄付する。

 函館巴太鼓の力強い演奏でオープニングを飾った後、同青年部の石田大樹部長が「ことしも無事に開催できてよかった。きょう一日存分に楽しんで」とあいさつ。来賓の備前悟市経済部長が祝辞を述べた。

 肉は、同市鶴野町の養豚業「青函トントン」(木村敏也社長)が生産した純粋バークシャー種で、脂に甘みがあり、あっさりとした味が特徴。この日は300グラム×800人分(240キロ)を用意。会場には約400人席を設け、来場者は肉や野菜のほか、会場内で販売された黒豚ソーセージなどを焼き、ビール片手に次々とほお張っていた。テニス仲間12人で訪れた同市大手町の会社員、久保みづきさん(27)は「天気も良く、肉もおいしいので最高です」と笑顔を見せていた。

 会場ではブラスバンド演奏や、スイカとかき氷の早食い、フリーマーケット、抽選会などもイベントを盛り上げた。(山崎大和)



◎はこだて国際科学祭閉幕 科学の魅力感じる9日間に

 ショーや実験など、多彩な催しを通じて科学の魅力を紹介する「はこだて国際科学祭in2011」(サイエンスサポート函館主催)は最終日の28日、市民会館(湯川町1)を拠点に各種イベントを開催。20日から9日間にわたって開かれた科学の祭典は、盛況のうちに幕を下ろした。

 ことしのテーマが「はこだて・健康・みらい」だったことから、同館大ホールでは「サイエンスQoo『ちゃんとたべよう体操』」を実施。函館大谷短期大学「光る影絵サークル」の学生らがコーラスなどを織り交ぜながら進行し、コカ・コーラの人気キャラクターQooちゃんとキュートナミューちゃんを迎えて、体操を披露。「丈夫で健康な体を作るために、ちゃんとご飯を食べよう」と呼びかけた。ホールに集まった子どもたちは「Qooちゃんが来た」と大喜び。思いきり体を動かして楽しんでいた。

 また、同館小ホールでは「青少年のための科学の祭典」、同館展示室では「函館高専メカニズムフェスティバル」なども行われた。多彩な実験・体験ブースが用意され、子どもたちは楽しみながら科学に触れた。函館駒場小3年の古卿野乃花ちゃん(9)は「高専のホバークラフトという車が面白かった。学校でも理科の授業は好き。今日はスライムも作りました」と笑顔だった。(堀内法子)



◎企画「命見つめて」うつ病編D…心の健康 重要性高まる

 自殺予防対策の基礎資料にしようと市立函館保健所は昨年、20〜59歳を対象にさまざまな項目の調査を実施し、今年3月「こころの健康調査」としてまとめた。

 それによると、この1年間で大きな悩みやストレスを感じたという人が62%に上った。また、過去1週間のうつ状態の深刻度を図る「疫学的うつ病評価尺度(CES—D)」では、25%がうつ症状を抱える結果を示した。特に若い世代ほど割合が高く、特に20代が男性35%、女性41%に上った。地域や職場のメンタルヘルス(心の健康)に対する取り組みが求められている。

 「物静かだった人が明るく自分のことを話すようになった。何でも話せる間柄が生まれているから参加するお年寄りも増えている」と語るのは、函館市の万代町会館を利用した交流サロンを運営する永沢和枝さん。

 昨年12月、同町在宅福祉委員会の有志30人で高齢者ら地域住民が気軽に集え、交流の場を持とうと設立。週1回、土日に懇談会などを開いている。うつ病など心の病気を予防する活動ではないが、永沢さんは交流を通して得られる気持ちの充足感がメンタルヘルスに貢献していると実感する。社会福祉士の湯浅弥(わたる)さんは「地域住民の昔ながらの近所づきあい、つながりこそが心を通わす社会の礎となり、自然な形でゲートキーパーのような役割を果たす」と話す。

 一方、函館市は国の策定した指針に基づき2006年7月から職員に対するメンタルヘルスを進める。全職員を対象に個人ストレスチェックを年1回行い、臨床心理士による「こころの健康相談」などを実施。

 長期休職職員の復職支援も行い、その中で休職期間に行う試験就労を導入している。試験就労は産業医などの判断のもと、職場に通い段階的にリハビリ的な仕事をしていく制度で、「職場の調整、合意が必要だが、再発の防止と、休職前に近い状態での復帰が可能」(職員厚生課)という。

 試験就労までこぎつけた職員はほとんどが復職を果たし、一定の成果を挙げているが、うつ病など心の病気で休職する職員は増加傾向で、休職者全体に占める割合も年々高まっているという。

 国が自殺や過労死の防止対策の一環として職場のメンタルヘルス対策を進め、大手企業も取り組みを進めているところがあるが、人員がそれほど多くない中小企業や教員などの専門職、非正規雇用者に対しては、復職支援などが難しいとの指摘があり、広がりを見せていないのが実情だ。(医療問題取材班)


◎海の魅力 肌で実感 マリンラーニング 多彩なプログラム

 海と触れ合い、水産・海洋科学の知識を深める「はこだてマリンラーニング」(北大大学院水産科学研究院主催)が28日、函館市若松町の旧シーポートプラザ周辺で行われた。マリンジェットのショーや、各種体験プログラムで大勢を魅了。小魚や海藻のプールは、子どもたちの歓声でひと際にぎわった。

 青空が広がった函館港では、クルージングやヨットの乗船体験を家族連れらが満喫。プロチームによるジェットスキーのアクロバット、ヘリコプターを使った海上保安部の救援訓練もあり、大きな拍手が起きた。

 岸壁では、大学で研究するチョウザメやウナギをつかめるコーナーのほか、イカ墨の絵描き、いかめしづくり、パネル展示、クイズなどで盛り上がった。

 母親と来場した函館附属小4年の古川涼子さん(9)は初めて生のガゴメコンブに触れ「つるつるねばねばでびっくりした。でこぼこの形も不思議」。七飯町の加藤大智君(9)、来実(くるみ)さん(6)きょうだいは「いかめしの作り方を覚えたので家に帰ったらお母さんに教えたい。味はイカもコメももっちりでおいしかった」と笑顔を見せていた。(田中陽介)


◎真っ白な舞台 優雅な舞 千軒そばの花観賞会

 【福島】満開のソバの花と松前神楽を楽しんでもらおうと、「千軒そばの花観賞会」(千軒そば生産会など主催)が28日、同地区の畑で開かれた。ソバの花が咲き誇る美しい風景の中で、町内の松前神楽保存会のメンバーが伝統の舞を披露。会場を訪れた約200人の観客を魅了した。

 花が満開になるこの時期に毎年開いており、今年で10回目。この日は約3・5fの畑の中に舞台が作られ、6つの演目を舞った。榊(さかき)舞でスタート。女子中学生2人がみこ姿で八乙女(やおとめ)舞を優雅に舞うと、観客らは、演者をたたえる「ようそろう」という掛け声を盛んに送っていた。

 上ノ国町の主婦、市山幸さん(73)は「ソバの花と神楽を毎年楽しみにしている。今年もどちらとも素晴らしかった」と満足そうに話していた。同生産会では今年5fの畑でソバを栽培。9月下旬に収穫する予定で、約5dの収穫を見込んでいる。10月中旬には同地区にある千軒そば店で新そばを味わえるという。(松宮一郎)