2011年8月3日 (水) 掲載

◎函館熱い夏…ワッショイはこだて開幕

 開港152周年記念函館港まつり(実行委主催)は2日、メーンの「ワッショイはこだて」1日目の十字街・松風コースが行われた。今年は姉妹都市提携の調印で来函した韓国・高陽(コヤン)市からも公演団が参加したほか、2年ぶりに「青森ねぶた」が登場。「函館港おどり」や「函館いか踊り」などの参加者と合わせて64団体約9000人、山車65台がパレードし、函館の一夜を盛り上げた。

 函館市末広町の十字街付近で午後4時に行われた出発式では、実行委の寺坂伊佐夫会長が「港まつりが大火の復興を願って始まったように今年は東日本大震災の復興を応援しよう。函館の短い夏を十分楽しんで」とあいさつ。工藤寿樹市長も「元気を出していこう」と呼び掛け、ミス函館をはじめ長崎、神戸、横浜、新潟の開港5都市の親善大使も紹介された。

 函館巴太鼓振興会のメンバーによる和太鼓演奏の後、豊川町の豊川広路を先頭にパレードがスタート。第1部「函館港おどり」、第2部「子供いか踊り&サマーカーニバル&青森ねぶた」、第3部「函館いか踊り」の順に各団体が踊りやパフォーマンスを披露。松風町までの約1・4キロのコースを、華やかな山車とともにそろいの衣装で練り歩き、沿道に詰め掛けた市民らも声援を送りながら観覧していた。

 第1部では、高陽市の公演団のメンバーが華麗な伝統舞踊を披露。また、青森ねぶたは今年12回目の参加で、今回は独眼竜と呼ばれた東北の戦国武将、伊達政宗をモチーフにしたねぶたでパレード。暴れ馬に立ち向かう勇士を震災から東北を守る姿に重ね合わせたねぶたを先導するように「跳人(はねと)」と呼ばれる踊り子たちが、「らっせらー」の元気な掛け声を響かせた。

 子供いか踊りでは、幼稚園児や児童たちが元気に跳びはね、参加した七重小3年の白石侃穏君(8)は「最初は緊張したけど、だんだんのってきた。気持ち良く踊れました」と話していた。

 3日は午後4時半から「ワッショイ—」2日目の堀川・五稜郭コースが行われる。(鈴木 潤)



◎笑顔でパレードに花を…開港五都市のミスら市を表敬

 開港152周年記念函館港まつり(実行委主催)のパレードに参加するために来函している開港五都市のミスや関係者の観光大使が2日、函館市役所を表敬訪問し、工藤寿樹市長らと懇談した。

 日本開港五都市観光協議会が観光事業の発展と周知を互いに図るため、各都市の港祭りに観光大使の相互派遣を行っている。

 この日、にいがた観光親善大使の阿部洋子さん、岡田真理香さん、横浜観光親善大使の松本裕美子さん、スマイル神戸の鐘ケ江まりのさん、ロマン長崎の松本美香さん、松尾梨沙さんの6人に、ミスはこだての田口愛弥子さん、西野里沙さん、西谷依里子さんの3人が訪問。市側からは工藤市長や市議会の能登谷公議長ら6人が出席した。

 ミスたちは自己紹介した後、各都市で開かれるイベントや名物をPR。函館について「夜景が楽しみ」「塩ラーメンをおいしくいただきました」などと話していた。

 工藤市長は「5都市とも開港の歴史とともに切磋琢磨、協力しながら発展し、趣があり素晴らしいまちに成長した」と述べ、「今回のパレードでは沿道に笑顔を振りまいて祭りに花を添えていただければ。函館滞在を十分に満喫してください」と歓迎の言葉を送った。(鈴木 潤)



◎地域活性化に期待…未来大と室蘭工大が学術交流協定調印式

 公立はこだて未来大学(中島秀之学長)と室蘭工業大学(佐藤一彦学長)は学術交流協定を結び、2日に未来大で調印式を行った。中島学長は「両大学の教員や大学院生らによる共同研究や学生交流などを通し、それぞれの地域の活性化になれば」と期待を寄せている。

 両大学は数年前から、高齢者に対しての見守りシステムや人間の感性や反応の研究、遠隔操作による内視鏡の研究など、医療情報分野における共同研究を進めてきた。両大学の連携・つながりをより深め、学術研究や教育活動を推進することを目的に、今回の協定に至った。共同研究の一層の推進や教員・大学院生の交流、学術資料の相互提供などを行う。

 調印式では、中島学長と佐藤学長が協定書にサインし、固い握手を交わした。中島学長は「今までの医療情報分野などの協同研究を進め、今まで以上の連携をしていきたい」と話し、佐藤学長は「シンポジウムの開催や、出版物などの相互提供、共同研究活動などを推進させ、両地域社会の発展に貢献していきたい」と抱負を語った。(平尾美陽子)


◎イカの放射性物質検査へ…恵山沖マイカ25匹

 夏以降に太平洋側を北上し函館近海が漁場となるスルメイカ(マイカ)について、道と道いか釣漁業協会(札幌)は2日、放射性物質の検査を始めた。福島第一原発事故による海洋汚染に対応した措置で、今月から来年1月まで月に1回、函館市恵山地区の大澗漁港に水揚げされたマイカを検体として道立衛生研究所(札幌)に送り、放射性物質の有無を確認する。

 初回に検査するのは25匹(4、5キロ)で、えさん漁協所属の漁船が恵山沖約2・7キロで捕った。1日夕に大澗漁港に水揚げされ、同日中に函館魚市場で一時保管。2日朝、函館渡島いかつり漁業協議会(会長・佐藤正美松前さくら漁協組合長)に引き渡された。同協議会の西崎勝事務局長が、函館水産ビル(豊川町)前で1匹ずつナイロン袋に詰め、「発泡下氷イカ」の状態にして発送。箱には、水揚げ地から提供された漁獲日時や位置などを記した漁獲情報を一緒に入れた。

 西崎事務局長は「買受人組合などから検査を求める声があり、対応した。函館はイカの街なので、安全性の確認が必要だ」と話していた。

 検査は4日に行われる予定。検査結果は、道や函館市農林水産部などのホームページで確認できる。

 同協会によると、マイカの検査は7月下旬に日高管内浦河町沖で行い、暫定規制値を超えた放射性物質は検出されていない。8、9、10月には釧路沖でも実施する。

 検査費用は道が予算措置しているほか、マイカの買い上げや送料、発泡スチロール箱、氷などの経費は業界が負担する。(山崎大和)