2011年8月4日 (木) 掲載

◎ふくしまキッズ、SL大沼号で森町へ

 【森】福島第一原発事故の影響を受けている小中学生を招いた「ふくしまキッズ夏季林間学校」の参加者が3日、SL大沼号に乗って森町を訪れた。昼食には自慢のイカめしが振る舞われたほか、町内の縄文時代の発掘品を見学するなどして過ごした。

 SL大沼号は、JR北海道の協力で、臨時便として運行。森駅到着後は、機関車を客車から切り離し、水を補給する様子を見学した。

 森町公民館では、森町女性団体協議会(村関容子会長)の会員8人がイカめし540食を用意。会場中に広がる香りと柔らかな食感のイカめしで子どもたちを楽しませた。

 あいさつに立った佐藤克男町長は森町の見どころをPRするとともに「何があっても元気で夢を持ってほしい。みんなには可能性がある。夢さえあればつらいことも乗り越えられる」とエールを送っていた。

 いわき市から来ている小学2年生の滝口大喜君(8)はこの日が滞在10日目。「初めて乗ったSLは格好良かった。毎日、いろんなことがあって北海道は楽しい」と話していた。(今井正一)



◎港まつりワッショイはこだて、熱気最高潮

 開港152周年記念函館港まつり(実行委主催)は3日、1万2000人が練り歩く「ワッショイはこだて」(堀川・五稜郭コース)を実施。熱気あふれるパレードを、踊り手と観客が一体となって楽しんだ。

 まつり3日目も、快晴に恵まれ、このパレードには82団体、山車64台が登場した。おそろいの浴衣や法被姿で、振り付けもぴったり。陸上自衛隊函館駐屯地チームは「頑張ろう日本!」のかけ声で元気を届け、函館中央病院チームも華やかな振る舞いで、同病院前では入院患者らも沿道に集まり声援を送っていた。

 恵庭市の会社員、森田功士さん(30)は「初めて港まつりを見ました。すごい盛り上がりに地域一丸で楽しむ姿を感じます」、妻の暢子さん(30)は函館出身で「やっぱり函館の夏は最高ですね」と話し、長男の楓士(ふうと)ちゃん(5カ月)もご機嫌の様子だった。

 まつり4日目の4日は、午後6時から末広町高田屋通りで「第28回十字街ファンタジアクロスカラオケ選手権予選・決勝大会」などが行われる。最終日は5日。(田中陽介)



◎道が9月から、函館—小樽間で実態調査

 北海道新幹線の札幌延伸時にJR北海道が函館—新函館間を経営分離する方針を示している問題で、道は3日、同区間を含む函館—小樽間(252・3キロ)で、旅客の利用状況と将来需要の予測調査を9月から行うことを明らかにした。道は沿線自治体と地域交通のあり方を検討する上での基礎資料として活用する方針で、年度内に函館市や七飯町をはじめとする沿線自治体に調査結果を伝える考え。

 同日開かれた、道議会の新幹線総合交通体系対策特別委員会で示した。

 調査は、平日の普通列車に調査員を乗車させて各駅ごとの乗降客数を数えるほか、乗客にアンケートを配布して行き先や利用目的を把握する。併せて、将来の人口推計を加味し、各駅ごとの乗降客数や輸送密度を推計する将来需要予測を行う。

 道は函館—新函館間(17・9キロ)に関し、1日あたりの利用者を5000〜6300人、札幌延伸時の新函館駅利用客を同8900〜9700人と予測している。

 JR北海道は函館—小樽間で発券枚数をベースとした有人駅の利用実績は示しているが、各駅間の利用実績は公表していないため、採算面の判断材料が不足している。道新幹線対策室は実施理由について「ワンマンカーや無人駅の利用状況などが把握されていない。通勤、通学、通院の状況を調べたい」としている。

 近くプロポーザル公募を行って委託業者を決め、実施日を特定する考え。来年3月中旬までに結果をまとめ、沿線自治体に示す方針。同室は「2015年度の新函館開業なども見据え、将来的に需要がどう変化するのかを調査したい」と話している。(千葉卓陽)


◎大韓航空定期便、12月に運航再開

 大韓航空は3日、東日本大震災の影響で運休している函館—ソウル(仁川)間の定期便の運航を、12月27日から再開すると発表した。同時に運休期間がこれまでより約2カ月延長されることにもなったが、最悪の事態として撤退も懸念していた函館市内の関係者は安堵(あんど)した。

 同路線は週3回(火・木・日曜日)の定期便だが、ゴールデンウイーク期間の3回を除き、震災後3月22日から運休に。同社は、韓国国内では日本での放射能汚染に対する懸念が大きく、路線利用者の多くを占めた韓国からの集客を見込めないとして10月27日までの運休を決めていた。

 震災で低迷する観光需要。外国人観光客の落ち込みが激しい市内では活路を見いだそうと、唯一の定期便再開を熱望する声が大きかった。函館市や函館商工会議所などは6月、韓国の同社本社を訪ねて早期再開を要請。9、10月にはチャーター便を運航する計画を立てるなど、函館側からの需要を積極的にアピールしてきた。

 再開後の運行日・時間や使用機材などは震災前と大きく変更はない。同社函館支店は「11月から12月中旬は元から需要が弱い時期のため、年末の再開を決めた。函館は安定した需要があり路線は手放したくない」とする。

 函館商工会議所の松本栄一会頭は、チャーター便運航計画に加え、高陽(コヤン)市との姉妹都市提携が後押ししたとの感触を持つ。「こちらの努力を分かってくれた。今後も交流人口を拡大し、地域経済が活発になれば」と期待する。

 函館市の工藤寿樹市長は「まずは先が見えたということで喜ばしい。1日も早い運行再開が実現できれば」とのコメントを発表し、喜びを表した。ただ一部の関係者からは「12月にはクリスマスファンタジーがあり、再開をもう少し早めてほしかった」との声も聞かれた。(小泉まや)