2011年8月5日 (金) 掲載

◎6市がっちり連携…観光名所巡るスタンプラリー実施中

 函館市は1日から、札幌や旭川など道内5都市と連携して観光客誘致を目指そうと、各市の観光名所などを巡るスタンプラリーを実施している。道内の観光客を都市間で奪い合うのではなく、主要6都市が連携して地域内流動を促進する新たな試みで、市は「地域資源を共有して、お互いの魅力を再認識できれば」としている。

 「北海道6都市スタンプラリー」と銘打ち、函館のほか、札幌、旭川、釧路、帯広、北見の計6都市が参加。2009年に開かれた道内の中核都市市長意見交換会で観光分野で連携していく方針を確認し、昨年から各市の観光担当者レベルで具体内容を協議してきた。

 さらに、東日本大震災も契機となり、道外客の減少が見込まれる中、これまでの競合路線から転換し、各地の活性化を目的に道内客の市場を掘り起こそうと企画した。6市が本年度予算に100万円ずつ計上し、旅行雑誌を発行するリクルート北海道じゃらん(札幌)に業務委託した。

 スタンプラリーは、携帯電話の専用サイトに登録し、1都市につき6カ所、計36カ所ある「チェックポイント」を訪れ、GPS(衛星利用測位システム)機能を使ってサイト上で位置登録する仕組み。1都市全6カ所を訪れるとルーレットに参加でき、他都市で使えるクーポンが当たる。

 チェックポイントには函館の函館山展望台をはじめ、札幌が時計台、旭川が旭山動物園、釧路が和商市場、帯広が北の屋台、北見がところ遺跡などが設定されている。3都市や6都市を「制覇」すると、抽選で各市のホテルのペア宿泊券や銘菓などが当たる。

 函館市ブランド推進課は「函館の観光客は道外客が65%、道内客が35%だが、震災で道外からが落ち込み、道内客の掘り起こしが当面の課題となる。都市間がライバルという考え方だけでなく、各地の観光資源を共有し、連携して相互に交流人口を増やしていきたい」としている。スタンプラリーは12月20日まで。(森健太郎)



◎極東大での学び生かしロシアへ…石川県能美市役所の島元さん

 石川県の能美市役所に勤務する島元延栄さん(28)が本年度前期、ロシア極東大学函館校に語学留学した。同校で身につけた語学力を武器に、能美市とロシアの交流事業の推進に力を発揮していく。7月28日からは能美市の中学生とともにロシアの姉妹都市を訪問し、両市の友好を深めた。

 能美市とロシアの交流は、旧根上町(2005年に3町が合併して能美市に)とロシアのシェレホフ市が姉妹都市提携を結んだ1976年に始まる。1988年、相互交流として両国中学生の交換留学を開始。毎年20人前後の中学生が互いの国を訪れ、文化や風土を学んでいる。

 能美市では同事業の一層の充実を図るため、交流で一番のネックとなる「言葉の壁」を打破しようと、語学研修派遣の事業費を組み、日本唯一のロシア国立大の分校である同校への語学留学を決めた。島元さんの向上心の高さと明るい人柄に白羽の矢が立ち、語学留学生に選ばれた。

 島元さんは4月から函館に住み、同校で勉強を開始。毎日何時間にも及ぶプライベートレッスンを受け、約3カ月間「ロシア漬け」の日々を送った。「チャンスがあればとは思っていたが、まさか自分が選ばれるとは。でも正直なところ、初めての土地にたった1人、不安も大きかった」と来函当初を振り返る。

 同校でロシア語の腕をあげた島元さんは7月28日、能美市の中学生とともにロシアのシェレホフ市に出発。5日に帰国し、再び函館に戻る。

 語学留学生としてのラスト1週間は、現地での体験や疑問をもとに、さらなる理解を目指す。「今後の交流充実のためにも、継続してもらえるように成果を残したい」と意欲を燃やしている。(堀内法子)



◎独居老人に暑中見舞い…社協南茅部支所

 函館市社会福祉協議会南茅部支所(上遠野輝夫支所長)は4日、南茅部地域に住む70歳以上の独り暮らしの高齢者に対し、安否確認や地域行事のお知らせを兼ねて暑中見舞いのはがきを送った。

 同支部の「生きがい支援事業」の一環として、合併前の旧町時代から郵便事業会社函館支店南茅部集配センターと連携して行っている。配達担当者が各世帯に届ける際、可能な限り声掛けをするよう心掛けていて、独居者の安否確認や孤立化の防止につなげている。冬は地域の小学生に執筆を依頼して年賀状の郵送もしている。

 今年は昨夏より11枚多い234枚を郵送。暑中見舞いの文面には、季節のあいさつのほかに、同支所で毎月企画している「ふれあいいきいきサロン」や、週2回電話による安否確認をする「ふれあいコール」を紹介している。

 この日は上遠野支所長が同集配センターを訪れ、成田公男総務主任にはがきを手渡した。早ければ5日にも各世帯に届く予定。上遠野支所長は「はがきだと確実に見てもらえるのでふれあいサロンなどを知ってもらえるきっかけになる。年賀状の時はお礼のはがきもきます」と話していた。 (鈴木 潤)


◎イカの放射性物質不検出…道南の25匹

 福島第一原発事故を受け、道と道いか釣漁業協会(札幌)による道南太平洋産スルメイカ(マイカ)の放射性物質検査が4日行われ、放射性物質のヨウ素とセシウムは検出されなかった。函館市近海のマイカは消費者の不安払しょくのため、今月から来年1月まで、月に1回検査を実施する。

 道立衛生研究所(札幌)で、1日に同市恵山地区の大澗漁港に水揚げされたマイカ25匹を検査した。同協会によると、放射性物質の有無と線量を調べた結果、「不検出」だった。

 結果を受け、函館渡島いかつり漁業協議会の西崎勝事務局長は「ほっとした。漁業者には安心して漁をしてもらいたいし、消費者には心配せずに食べてもらいたい」と話した。

 2回目の検体荷揚げは9月26日、検査は同28日を予定している。(山崎大和)


◎函館30.2度 今年初の真夏日

 4日の函館は午前中から気温が上昇し、最高気温は30.2度となり、今年初めて真夏日となった。市内の海水浴場は、涼を求める家族連れでにぎわった。

 函館海洋気象台によると、本道の東の海上に中心を持つ高気圧に覆われ、南から暖かい空気が入った影響で気温が上がった。函館のほか、厚沢部町鶉29.7度、八雲町熊石29.2度、松前28.6度、奥尻28.5度がそれぞれ今年最高となった。函館の真夏日は昨年より1日早く、猛暑だった昨年8月は真夏日を計11日観測した。

 函館市根崎町の湯川海水浴場(市営熱帯植物園前浜)では、午前中から家族連れや学生のグループが訪れ、水しぶきと歓声を上げていた。同場によると、水温は今年初めて23度となり、砂浜上の気温は35度までに達した。

 同気象台によると、7日ごろまで、最高気温が28度を上回る日が続く見込みという。(山崎純一)