2011年8月8日 (月) 掲載

◎ツルツル“夏の涼”「函館・むすびば」被災者らと流しそうめん

 函館市湯川町2の湯倉神社(伊部宗博宮司)で7日、東日本大震災の被災家族らに“夏の涼”を味わってもらおうと、流しそうめんが振る舞われた。参加した子どもたちは、竹の中を勢いよく流れるそうめんに目を丸くしながらも、「おいしい」と笑顔を浮かべていた。

 震災被災地の復興支援に取り組む団体「函館・むすびば」(丸藤競代表)が受け入れた家族と同団体のスタッフなど総勢80人が集まり、終始にぎわった。

 同神社の例大祭で披露されるやっこ行列で歓迎を受けた参加者は、早速流しそうめんを堪能した。小麦アレルギーの子どもに配慮した米粉を使っためんも用意。中にはカラフルなゼリーや野菜なども流され、子どもたちを楽しませていた。

 茨城県から母親とやって来た川崎広大君(8)と妹の夏帆ちゃん(5)は「色々流れてきてびっくりしたけど、おいしかったし楽しかった」と話していた。(小杉貴洋)



◎コース歩きレースの余韻…JRA函館競馬閉幕

 日本中央競馬会(JRA)「北海道シリーズ」函館競馬は7日、全日程を終了した。函館競馬場(駒場町)には最終日、8591人が来場し、目前を駆け抜ける競走馬たちに最後の歓声を上げていた。

 今年は6月18日に開幕し、毎週土、日曜日の16日間に計192レースを行った。6年ぶりに武豊騎手が参戦したほか、イベントではタレントの来場やキャラクターショーが行われ、期間中の入場者は10万3859人で、全面改装のため2年ぶりに開催した昨年の13万5910人の76・4%にとどまった。同競馬場は、昨年はリニューアル効果で好調だったが、今年は関東や東北地方からの来場者が減っており、東日本大震災の影響もあったとみている。

 最終日は全レース終了後、芝コースの一部を開放。ファンらはレースの余韻を楽しんだ。市内美原の男性(42)は「今年は家族で2回、関西の友人を連れて1回の計3回来た。子供は大いに遊んで、友人も楽しんでくれた」と話していた。(山崎純一)



◎男子110メートル障害・増野V…インターハイ

 全国高校総合体育大会(インターハイ)陸上競技最終日は7日、岩手県北上総合運動公園北上陸上競技場で行い、男子110メートル障害で増野元太(函大有斗3年)が14秒01の好記録で優勝した。函大有斗としては西川康秀監督が男子100メートルで優勝して以来16年ぶりの快挙となった。同種目では昨年の腰山高弘(市函—筑波大1年)に続き、函館支部勢の連覇となった。増野は「やっと優勝をつかむことができた。レース後は実感はなかったが、気持ち良く走ることができた」と喜びを爆発させた。

 予選から圧倒的な速さでトラックを駆け抜けた。1本目でいきなり自己ベストの14秒37をマーク。準決勝ではさらにタイムを上げ、14秒22でゴールした。それでも「2本ともに後半はまとめ切れなかった」と話す。

 迎えた決勝ではレース前に支えてくれた人の顔が浮かんだという。「感謝の気持ちで」。2位に0・39秒を引き離す圧巻のレースとなった。「暑かったけど、調子はよかった。最後まで自分の走りができた」。予選から3本すべてが全体のトップタイムの完全優勝≠ニなった。

 春には激しい腰痛で一時は練習ができないほどだったが、乗り越えられたのは西川監督の献身的な指導、支えがあったからこそだ。西川監督は「本人の目標を達成させることができてよかった。有斗では自分以来16年ぶりの優勝。ようやく、恩師で前監督の隼人(健児)先生に並ぶことができたし、恩返しになったと思う。ほっとした気持ちで北海道に戻れる」と感慨深げに語った。

 増野の兄・太郎(道東海大2年)、前年覇者・腰山と3年間、身近にいたライバルの存在は大きかった。兄・太郎は2年前に同高の主将を務め、男子110メートル障害でインターハイ準決勝に進出した逸材。腰山とは昨年、支部大会から常に競り合ってきた。西川監督は「2人とさまざまな面で支えあったからこそレベルを上げることができた」と話す。近年まれに見る全国レベルのハードラーがそろっていたからこそ、函館支部勢連覇を成し遂げることができた。

 22日には愛知県で行われる日・中・韓ジュニア交流大会に全国高校の代表として出場する予定。さらなる屈指のハードラーの活躍に注目だ。


◎生活保護率 最高更新…5月の函館

 函館市の5月の生活保護率は45・2‰(パーミル=人口1000人当たりの被保護者数)となり、これまで最も高かった3月の45・1‰を0・1ポイント上回り、過去最多を更新。全道の市部で2番目の高率となった。保護世帯数も初めて9000台となった前月を28上回る9030世帯で、依然増加を続けている。

 同市の保護率は、悪化する経済状況などを背景にここ数年大きく増えている。昨年11月からことし3月までは5カ月連続で増加したが、保護を受けにくい夏期(4〜10月)を迎えた4月(44・8‰)にはいったん減少に転じた。しかし5月に入って再び増加。函館市福祉事務所は「一時と比べてペースは落ちている」とするが、相談件数が減らないことなどから「上げ止まりではない」との見方をしている。

 保護者数は前月より31人増えたが、過去最多だった3月(1万2699人)と比較すると38人少ない。一方で保護世帯数は13カ月連続で増加を続けており、背景には核家族化の進行や高齢独居世帯の増加などがあるとみられる。世帯別で65歳以上の高齢者世帯が占める割合は42・7%、母子世帯の割合は11・3%だった。

 全道の市部での函館の位置は、1月に一度2番目となったが2月以降は再び3番目となっていた。今回最も高かった釧路は53・8‰。3番目の歌志内、4番目の三笠も45・2‰だったものの、わずかに函館の方が高かった。5番目は小樽41・1‰だった。

 道南の町部でも増加は続いており、渡島管内は前年同月比0・7ポイント増の23・2‰、桧山管内は同1・1ポイント増の33・0‰だった。特に江差が48・1‰と群を抜いて高く、上ノ国も40‰を超えている。5月の全道平均は29・9‰で、道南はこれよりも高い水準にある。(小泉まや)


◎陸自駐屯地で盆踊り大会

 陸上自衛隊函館駐屯地(広野町6)で7日、恒例の「盆踊り大会」が開かれた。大きなやぐらが用意された同駐屯地のグラウンドには市民ら約1100人が足を運び、函館名物“いか踊り”に参加。奇抜なコスチュームで踊った隊員も会場を沸かせていた。

 市民のほか、隊員の家族らが踊りに参加する個人の部の前には、部隊ごとに5チームが出場した団体の部が披露され、アニメキャラクターなどに扮した隊員は、工夫を凝らしたユニークな踊りで来場者の笑いを誘っていた。

 湯の川温泉のホテル宿泊券などが当たるじゃんけん大会には、多くの人たちが出場し一喜一憂。マーチングバンド「マキシマム」のドリル演奏も大会に花を添えていた。日が暮れはじめたころに始まった盆踊りでは、浴衣姿の子どもや法被姿の大人など多数がやぐらを囲み、おなじみの「いか刺し、塩から、いかソーメン」といったコミカルな振りを体いっぱいに表現していた。中には汗だくになりながら何曲も踊り続ける人たちも多く、日本の伝統文化を楽しんでいた。(小杉貴洋)