2011年9月16日 (金) 掲載

◎「秋」たわわ 七飯でリンゴの収穫始まる

 【七飯】七飯町本町の成田悌一さん(60)=同町果樹組合長=の園地で15日、リンゴの収穫が始まった。成田さんは、たわわに実った果実を丁寧に摘み取り、木箱に移していた。成田さんは「太陽光を十分に浴び、朝晩ぐっと冷え込むにつれ、おいしいリンゴに仕上がってくる」と期待を込めている。

 JA新はこだて七飯基幹支店によると、町内では約40軒が約67fでリンゴを作る。リンゴの収穫は同町の秋の風物詩となっている。

 成田さんのリンゴ園は204eで計13品種。トップを切り収穫したのは「黄王(きおう)」で、収穫開始は平年より5日程度遅いという。「甘さ、大きさは平年並み、色のりはまずまず」と成田さん。

 今後、美希ライフ、つがる、早生ふじ、ひめかみ、むつ、ジョナゴールド、王林などと収穫が続き、最後のふじは11月中旬で終わる。

 同組合(34軒)は「イエス!クリーン」登録や「エコファーマー」の認定を受けており、環境に優しいリンゴ作りを実践。組合による共選作業も今月下旬から始まる。  成田さんは「美容と健康にいい七飯産リンゴを、多くの人に食べてほしい」とアピールしている。(山崎大和)



◎古武井 養殖コンブ初出荷

 函館市恵山地区のJFえさん山背泊(やませどまり)支所は15日、古武井産・養殖コンブを初出荷した。昨年より約10トン増の58トンが入札される予定で、「品質、量ともに上々。高く売れてほしい」と漁師の表情は明るい。

 出荷作業は品質検査を兼ね、漁業者の軒先で行われる。高級段ボールに20キロで箱詰めされたコンブを、漁協職員らが等級検査してトラックに積んだ。

 古武井は恵山の養殖コンブ漁発祥の地で、黒々とした肉厚の高級なものが毎年水揚げされている。養殖は11月に種付け、雪解け後には間引き、夏場の水揚げと年間を通じて作業が続く。

 地域でコンブ漁の名手として知られる古武井町の成田八太郎さん(62)は「今年は実入りがいい」と評価。毎年300箱を越える出荷量を誇る中村満幸さん(53)は「検査に合格すれば安心する。1年間の大仕事を無事に終えることができてよかった」と笑顔だった。

 同支所によると、昨年の養殖コンブの値段は、初出荷時で1等1キロ当たり1964円。(田中陽介)



◎大門キッズスタジアム 来年度以降も継続へ

 函館市は、若松町のWAKOビル内にある子育て支援施設「大門キッズスタジアム」を、来年度以降も継続する方針だ。同施設は民間に委託して事業を行っており、その運営資金となっている国からの補助金が本年度で切れるが、設置者の市は「国などの委託・支援制度での事業実施を検討する」としている。

 大門キッズスタジアムは中心市街地活性化の一環として、JR函館駅前・大門地区ににぎわいと雇用の場を創出し、親子が集える遊び場を提供する目的で設置。プロポーザル(提案)方式で事業者を募り、同ビルを運営するNAアーバンデベロップメント(布村隆二社長)に事業を委託し、昨年7月に開業した。

 オープン当初から子育て世代に支持を集め、8月末現在の入場者数は7万3297人(無料入場者を含む)に上る。市経済部は「スタジアムを訪れた足で、大門で衣料品や食料品を買ったり、食事をする人も多数見受けられる」と、同地区への波及効果を認める。

 同スタジアムの運営は、国の「ふるさと雇用再生特別交付金」を活用。2年間で8650万円の財政支援を受けていたが、同交付金は本年度で終了するため、事業の継続には新たな財源を捻出する必要が生じている。

 この問題は9日の市議会一般質問でも取り上げられ、市は「多くの市民や商店街関係者から存続を望む声が寄せられており、国などの委託・支援制度での事業実施を検討するなど積極的に取り組みたい」と答弁。同部の入江洋之参事は「入場者は当初の予定よりもはるかに多い。雇用維持の目的もあるだけに残していきたい」と話している。 (千葉卓陽)


◎義援船ありがとう!…久慈の児童が漁協にお礼 

 岩手県久慈市立荷軽部(にかるべ)小学校(小保内=おぼない=悟校長、児童16人)の5、6年生5人が15日、修学旅行で来函し、東日本大震災で被災した同市漁協に磯舟228隻を無償提供した函館市漁協(橘忠克組合長)にお礼をした。子供たちは「久慈の漁業はほぼ元通りになった」と感謝し、今後は「函館の漁師も頑張って」とエールを送った。

 5年生2人と6年生3人のほか、引率の長谷部友春教諭の計6人が市漁協を訪れた。児童代表が、感謝の気持ちを書いた全員のメッセージカードと、学校の炭窯を使い児童が作った炭飾りを、市漁協の高谷広行専務と函館市水産課の芝井穣課長に手渡した。

 同課職員から義援船が贈られた経緯などを学んだ後、高谷専務が「同じ漁業者なので気持ちは一緒」、芝井課長が「中には自分の使っている船を提供してくれた人もいた」と函館側の思いを強調。子供たちは「もらった船で久慈の漁師にはもっと頑張ってほしい」と笑顔を見せた。  また、函館と久慈の漁業の違いも聞き、子供たちは真剣にメモを取っていた。

 6年生の田代光君(12)は「修学旅行でお礼が言えてよかった。函館の支援があらためてありがたいと思った」と話していた。

 修学旅行は1泊2日の日程。この日は小田島水産食品(弁天町)も訪れた。子供たちは両市の共通点である漁業をテーマに事前学習を重ね、函館から義援船が贈られたことを知った。出発前には同校で学習会も開き、義援船提供のきっかけとなった77年前の函館大火の際、久慈市が函館市へ義援金を届けたことも学んだ。児童の中に漁師の子どもはいないが、児童自ら「せっかく函館に行くならお礼がしたい」と今回の訪問が実現した。(山崎大和)


◎神輿渡御 市内勇壮に…亀田八幡宮例大祭

 函館市八幡町の亀田八幡宮(藤山豊昭宮司)の例大祭は15日、例祭を迎え、日中は神輿(みこし)渡御の1日目が行われた。この日の函館の最高気温は8月上旬並みの26・1度。厳しい残暑の中、市内五稜郭町、杉並町などを勇壮に練り歩き、威勢の良い声を響かせた。

 午前9時に亀田八幡宮を出発。同八幡宮の神輿渡御は4コースあり、毎年2コースを2日間で行っている。この日は梁川町、人見町、時任町などを通る約10キロのコースで、男女がそれぞれ1基ずつ担いだ。みこしの列から笛の音が聞こえると、建物内から出て声援を送る姿も見られた。五稜郭電停前バス停で見物していた亀田本町の主婦斉藤秋穂さん(59)は「毎年必ず、どこかで見るようにしている。今日は暑い中御苦労さまです」と話していた。

 神輿渡御の2日目は16日、午前9時に出発し、万代町、上新川町、高盛町、的場町、千代台町などを通る。そのほか境内では、午後6時半から民謡と舞踊の夕べ、同7時45分からヒップホップダンス、同8時50分から餅まき大会が行われる。(山崎純一)