2011年9月22日 (木) 掲載

◎美容室「ミングル」に「ピンクリボン運動」応援自販機

 乳がんの予防を啓発する「ピンクリボン運動」を応援する自動販売機がこのほど、函館市花園町1の美容室「MINGLE(ミングル)函館店」に設置された。

 ピンクリボン運動の趣旨に賛同した北海道コカ・コーラボトリング(札幌)が昨年5月に北海道対がん協会(同)と提携して北海道モデルの自動販売機を考案し、道内各地に設置を進めている。道内には約50カ所に設置されていて、同美容室は函館の設置1号店。販売価格の3%分を同協会に寄付する。

 自動販売機はさわやかなピンク色で覆われ、シンボルマークのリボンのマークがあしらわれている。検診を呼び掛けるメッセージも掲示されている。

 同美容室は東京など全国展開していて、函館店は6月下旬に開店。「人と自然に優しい」を理念に、髪のカラーリングやトリートメントなどは高品質の天然素材を用いた製品を使用している。女性客の来店も多く、同店の佐藤修司代表は「ピンクリボン運動は体をいたわるという点で店の理念と相通じると思い、設置を決めた。検診受診の意識が少しでも高まれば」と話している。(鈴木 潤)



◎輸出は徐々に回復…函館税関、震災影響まとめ

 函館税関は、管内貿易(北海道と北東北3県)への東日本大震災の影響をまとめ、21日に発表した。輸出は東北工場の被災で生産が減少したが、港湾機能とともに徐々に回復。輸入は道内港が被災港の機能を肩代わりして一時、取扱量が増加したり、東北日本海側で火力発電所がフル稼働したが、目立つ影響はなく増加傾向だった。佐野郁夫税関長は「秋は水産物輸出が高まる時期のため、今後の輸出動向を注視したい」とした。

 「貿易統計から見た東日本大震災後の北海道・北東北の経済」で、同日行った定例記者会見で公表した。同税関は道内と青森、秋田、岩手の東北3県を管轄しており、震災がこの地域に与えた影響を分析した。

 分析によると輸出入の推移は、輸入は震災直後に八戸で鉄鋼が大きく減少するなど北東北が大きく落ち込んだ半面、道内は増加。ただ苫小牧からの自動車部品輸出は、関連工場の被災で5〜6月に大きく減少した。ただこれらの状況は8月にはほぼ例年並みに戻った。

 輸入は、道内は震災前後を通じて前年を上回り、北東北は震災後から5月までは対前年比減となったが、その後増加傾向にある。釧路は4月以降、飼料や石炭、ウッドチップの輸入が増加。八戸は3〜5月に対前年比大幅減となるも、優先度の高い飼料原料の取り扱いは早期の復旧で前年並みを堅持した。

 秋田船川港は原発の運転停止などから火発がフル稼働した影響で、燃料となる原・粗油や重油が大きく増加。同港は他の品目でも輸入が増えていることから、佐野税関長は「太平洋側の港湾の肩代わりをしている」とみる。

 函館港では、船舶の増減による影響が大きく、震災の目立った傾向は確認できなかった。

 このほか被災した港湾の復旧状況について、道内は函館の駅前・ベイエリア地区、釧路の港湾地区全域など5カ所で冠水する被害があったが、すべて復旧済みであることを確認。東北は、八戸が4月から暫定供用中で2011年10月に普及工事を開始し、13年年度末まで完成を予定。宮古や釜石、大船渡も12年度末までに工事を終える見通しであると伝えた。(小泉まや)



◎森育てる大切さ学ぶ 悪天候で植樹延期…椴法華小130周年記念講演会

 函館椴法華小学校(古川邦彦校長、児童39人)で21日、国際森林年記念植樹、椴法華小学校開校130周年植樹祭が行われた。天候のためメーンの植樹は延期となったが、森林の大切さを学ぶ講演会が行われ、児童らは自然保護への理解を深めた。

 昨年度に同校が開校130周年を迎えた際、国連が定める国際森林年が本年度にあたることから、渡島みどりネットワークの2011年度事業として植樹することが決まった。ナツハゼやウコン、クリなど計20本を用意し、植える予定だったが、台風接近でこの日は断念。道グリーンコーディネーターで樹木医の斉藤晶さんが「山(もり・みどり)つくり」と題して講演した。

 斉藤さんは森の働きや森林減少が地球にもたらす影響を解説。森を育てる大切さをわかりやすく紹介した。

 古川校長は閉会式で「今日の話を聞いて、自分ができることを考えてみよう。皆さんも記念樹と同じように立派に健やかに育ってほしい」とあいさつ。児童らは近々植える木々の成長に思いをはせ、改めて同校130周年の喜びを再認識した。

 4年生の三ツ石歩輝君(10)は「森が泣いていることがわかった。森のために、きれいな水が生まれるよう、環境を大切にしたい」と力強く語った。植樹は26日の午後1時半から行われる(堀内法子)


◎夜間開庁 繁忙期の実施検討…市議会決算特別委

 函館市議会の決算特別委員会(斉藤明男委員長)は21日から質疑が始まり、初日は総務常任委員会所管分を審議した。昨年秋から1年間試行実施してきた本庁舎窓口業務の夜間開庁について、上戸慶一総務部長は利用実績の伸び悩みを受け、転入・転出の多い年度替わりの繁忙期に限り、実施を検討する考えを示した。

 井田範行氏(市民クラブ)の質問に答えた。

 本庁舎の夜間開庁は利用しやすい市役所づくりの一環として、日中訪れにくい共働きや単身世帯への対応策として昨年10月から1年間実施。第2、第4木曜日に午後5時半から同7時まで開庁時間を延長して市民生活に密接にかかわる窓口を開いている。

 市行政改革課によると、昨年度(昨年10〜今年3月)の利用実績は12日の実施で489件(1日あたり平均40・7件)、本年度(8月末現在)は23日の実施で1120件(同48・7件)で、「想定していたよりは低調な結果だった」とする。ただ、昨年9月から今年7月まで実施したアンケート結果では、日中利用者の52%、夜間利用者の95%が夜間開庁を希望するとの結果が示された。

 本格実施の時期についてただした井田氏に対し、上戸部長は「通年では費用対効果の観点からも難しい」とし、そのうえで「利用件数の多い年度末と年度初めには、時間延長と休日の臨時開庁を実施する方向で検討したい」と述べた。同部長は併せて、電話予約で住民票の写しを夜間・休日に宿直室で受け取れるサービスについて、午後9時まで延長する考えを示した。

 委員会ではこのほか、いじめ問題対策としてインターネット掲示板の書き込みなどを監視する「市立小中学校ネットパトロール事業」について小山直子氏(民主・市民ネット)、藤井辰吉氏(市政クラブ)が質問。市教委は国からの全額補助で運営していることを明らかにしたうえで「暴力行為を未然に防ぐなど成果を上げている。来年度以降は国の支援制度も注視しながら実施を検討したい」とした。(千葉卓陽)


◎高校野球 函工、函大有斗が道代表に

 高校野球の第64回秋季道大会函館支部予選最終日は21日、オーシャンスタジアムで代表決定戦2試合を行った。第1試合は函工が8—3でラ・サールを下して、4年ぶり20度目の代表を手にした。第2試合は函大有斗が10—2の7回コールドで函商に快勝し、4年連続34度目の代表権をつかんだ。2校は10月3日に札幌円山球場と同麻生球場で開かれる道大会に出場する。(小林省悟)