2011年9月25日 (日) 掲載

◎道央道の落部—森IC間開通控え、児童が道路にお絵描き

 【森】道央自動車道の落部—森IC(インターチェンジ)間(20.2キロ)が11月26日に開通するのを前に、地元小学生が本線上に絵を描くイベントが24日、行われた。町教委主催の体験講座「どろんこ塾」を受講する児童28人が参加。チョークで花や乗り物、キャラクターなどを大きなキャンバスに描き、楽しんでいた。

 町や森商工会議所などでつくる「道央自動車道森地区開通記念イベント実行委員会」の主催。現場は、森ICの北側約3`の地点で、絵の上からさらに舗装するため、道路の中に絵を保存≠キることになる。森青年会議所理事長で、実行委副委員長の橋本治仁さん(36)は「みんなが描いた絵は道路の下に10年、20年と残されていく。精いっぱい楽しんで下さい」とあいさつした。

 子どもたちは早速、青や赤、黄色のチョークを手に持ち、動物や乗り物などの絵のほか、自分の名前などを次々と道路に刻んでいた。森小学校1年生の皆口将大君(7)と高田一飜君(7)は協力しながら山の絵を描き、「駒ケ岳や富士山の絵をいっぱいうまく描けた」と喜んでいた。

 ネクスコ東日本北海道支社函館工事事務所の植本直之副所長(55)は「子どもたちにも高速道路を身近に感じてもらえたのでは。工事は、天候不順の影響で若干遅れ気味だが支障はない。しっかりと開通に間に合わせていきたい」と話していた。(今井正一)



◎「咸臨丸」終焉140周年記念式典、全国から関係者集いサミット

 【木古内】幕末の軍艦「咸臨(かんりん)丸」が木古内町のサラキ岬沖で座礁、沈没してから140周年を迎えたことを記念したイベントが24日、同町で開幕した。記念式典や同艦にゆかりのある全国各地の自治体から関係者を招いた「咸臨丸全国まちづくりサミット」を開催。参加者は沖合に今なお眠る同艦へ思いをはせるとともに、歴史的な価値を全国に発信し関係団体同士の絆を深めることを確認し合った。

 イベントは、同艦をまちづくりに結びつけようと活動する住民団体「咸臨丸とサラキ岬に夢見る会」などの主催。同艦の歴史的な価値の見直しのほか、節目の年に関係地域との縁をさらに強めようと計画した。

 式典はサラキ岬で行われ、来賓を含め約250人が参加。花火12発の追悼砲や献花で同艦をしのんだ。同会の久保義則会長が「これからも咸臨丸の歴史性とサラキ岬の豊かな自然を生かした拠点作りに取り組んでいきたい」と式辞を述べた。建造国のオランダからは駐日大使館のバス・ヴァルクス文化・報道官が来町。「きょうみなさんが集まったのは出港の準備のため。もう一度、咸臨丸に乗り込もう」とあいさつした。

 式典終了後、会場を町中央公民館に移し、サミットが開かれた。宮城県白石市や子孫の会、木古内町など6団体の代表が、「各地域の咸臨丸など歴史文化を核としたまちづくり」をテーマに意見交換した。

 最後に、関係地域が文化や人の相互交流を促進することやサミットの継続開催、同艦の歴史の調査を行うことなどを盛り込んだ共同宣言文を採択。参加者らは「同艦を縁とし、新たな航海に出よう」と会議を結んだ。

 25日は午後1時半から町民手作りの朗読劇「永久(とこしえ)に、咸臨丸」の公演がある。入場無料。(松宮一郎)



◎「函館空襲を記録する会」が船舶犠牲者の碑を建立

 1945年7月14、15日の北海道空襲で犠牲となった軍艦など船舶の乗組員らを追悼する碑が完成し、建立された函館市船見町の称名寺(須藤隆仙住職)で24日、碑の除幕式が行われた。参列した犠牲者の遺族らは焼香して故人をしのび、平和への誓いを新たにした。

 「函館空襲を記録する会」(浅利政俊代表)が、港町・函館として船で犠牲となった多くの戦死者を悼もうと、碑は「北海道空襲による津軽海峡、噴火湾、陸奥湾、船舶犠牲者の碑」と命名。同寺にある「第二次世界大戦函館空襲戦災跡地戦災者慰霊碑」の英訳が書かれた碑の裏側に新たに建立した。

 浅利代表は1961年から進めてきた函館空襲に関する文献や現地の調査で、少なくとも道南や青森県の海上で艦船や青函連絡船など49隻が米軍機によって撃沈したことを突き止め、その戦没者が1248人に上ることが判明した。石碑には犠牲となった船名や人数が刻まれている。

 この日は同会のメンバーや犠牲者の遺族ら約15人が参列。須藤住職の読経が響く中、焼香したり、折り鶴を奉納したりして犠牲者を弔った。浅利代表は「国のためを思って亡くなられた人たちを永久に忘れまいと碑に刻んだ。戦没者の誠の心を、人や自然、地球の命を守る取り組みに発展させたい」と話していた。(森健太郎)


◎松前マグロまつり盛況

 【松前】松前沖で取れた本マグロを味わうことができるイベント「松前マグロまつり」(実行委主催)が24日、町福山の松前城広場で開かれた。脂がたっぷり乗ったマグロを味わおうと、町内外から約3000人が訪れ、用意したマグロが完売する盛況ぶりだった。イベントは25日も行われる。

 2日間のイベントのために用意した本マグロは約40本。40〜50`ほどの大きさで、数日前に松前沖で取れたもの。目玉の解体ショーでは約70`のマグロを2本使った。豪快な包丁さばきで解体していくと観客から大きな歓声が上がり、さばいたマグロはその場で販売。来場者は次々と購入していった。また、かぶと焼きは半頭が500円で買うことができるとあって、長い列ができた。

 北斗市から訪れた50代の女性は「価格も安いし、地元のマグロを食べるいい機会になった」と笑顔で話していた。 松前さくら漁協の担当者は「漁が始まった7月は不調だったが、8月に入ってからは好調。型も大きいものが取れている」と話していた。マグロ漁は12月上旬まで行われるという。

 25日も午前10時から午後3時まで。解体ショーは午前11時半から。無料シャトルバスも運行している。問い合わせは町観光協会TEL0139-42-2726。(松宮一郎)