2011年9月29日 (木) 掲載

◎新米うまい!…本格販売前にJA試食会

 【北斗】道南で収穫された「ふっくりんこ」など新米の試食会(JA新はこだて主催)が28日、北斗市村内の函館育ちライスターミナルで開かれた。同JAの畠山良一組合長や、渡島総合振興局の冨高健伯産業振興部長ら約30人が炊きたての新米を食べ比べ、「このおいしさなら、自信を持って販売できる」と太鼓判を押した。

 新米の本格販売を前に、今年産の出来を確かめようと開催。初めに、畠山組合長が「今年産は昨年より量があり、(低いほどおいしいとされる)タンパク値もいい数値が出ており、安心して供給できるコメができた。ゆめぴりかに負けない道南米として売っていきたい」とあいさつ。続いて、渡島農業改良普及センターの名取雅之主任普及指導員が、管内水稲の生育状況を説明。「食味は精米タンパク値6%台が多く、5%台も見られることから、例年よりおいしいのでは」と述べた。ホクレン函館支所パールライス販売課の後藤政博係長が、新米の販売戦略を報告した。

 参加者は、同JA管内産「ふっくりんこ」「ななつぼし」と、上川ライスターミナル(上川管内鷹栖町)から出荷された「ゆめぴりか」を食べ比べした。銘柄を伝えず、味わった結果、道南産は見た目や柔らかさ、香り、粘りに高い評価が集まっていた。ホクレン函館支所米穀課の相川誠課長は「粘りがあっておいしい。見た目もきれいで、期待ができる」と話していた。

 道南の「ふっくりんこ」生産者でつくる「函館育ちふっくりんこ蔵部(くらぶ)」(木本勉部会長)の新米は、10月4日から店頭で一斉発売される。(山崎大和)



◎エバー航空も運航再開…台湾チャーター便 半年ぶり

 東日本大震災後に運航を停止していたエバー航空の台湾からのチャーター便が28日、約半年ぶりに再開した。函館空港には236人の乗客が降り立ち、各旅行会社が用意したバスで函館・道内旅行へと出発した。

 台湾から函館空港へのチャーター便は、5月下旬に復興航空が再開させている。エバー航空は、この日の便を含めて11月中旬まで12便の運航を予定している。

 この日の便は台北を午前10時に出発し、午後2時35分ごろに函館空港に到着した。国際線の到着ロビーでは、函館市や函館国際観光コンベンション協会の関係者ら約10人が「熱烈歓迎」の横断幕を持って出迎え、旅行客らに函館の観光パンフレットや土産品などを手渡した。

 25人の旅行客を引率してきた五福旅遊(台北)の邱景靖さんは、「プロモーションの効果で台湾では『日本は安全』という認識が高まっている。不安を感じる客には大丈夫だということをきちんと説明している」と話していた。

 歓迎した函館市港湾空港振興課の木村拓美課長は「台湾をきっかけに『日本は大丈夫』という意識が中国や韓国にも広がってほしい」とした。(小泉まや)



災害非難 高齢者を支援 高岡町会モデル地域に…市が初指定

 函館市の高丘町会(武下秀雄会長)は29日から、災害時に支援が必要な65歳以上の高齢者を援護する活動に乗り出す。市の指定を受けたモデル事業で、市内の町会としては初めて。武下会長は「地域独自の取り組みが全市的に普及するよう、精いっぱい活動していきたい」と意気込んでいる。

 近年の大地震や豪雨などの災害で多数犠牲になるのは高齢者。被災者が膨大なため行政支援が追いつかないのが実情で、地域住民による安否確認や避難誘導といった支援対策の構築が全国的な課題となっている。

 同町会は2009年7月から町内の福祉施設や教育機関などと独自に防災協定を締結。昨春には各機関・団体と連携した防災ネットワーク協議会も立ち上げ、今年9月28日現在で15機関・団体で構成する。今回のモデル事業は市総務部防災担当が同町会に打診し、昨年から両者で勉強を重ねてきた。

 対象となるのは、介護保険で要介護認定を受ける要介護者や身障者、自力での避難が困難な独居老人ら。市福祉部が所有する個人情報を基に、同防災担当が10月半ばにも町内の対象者957人に文書を郵送、希望を募る。年内にも名簿を作成し、町会側へ情報提供する。

 同町会は町会便りでモデル事業を周知する一方、支援者の募集にも力を入れる。活動の担い手は25人の町会役員らを中心に60人ほどの住民がいるという。武下会長は「要援護者は最終的に100〜200人になるのでは。マンツーマンでの援護は難しいし、支援者は倍以上に増やす必要がある」と力を込める。

 市、町会がそれぞれの名簿を把握した後は、一連の流れを検証しながら、組織の確立や避難支援プランの具体化に入る予定だ。

 28日は同町会館で防災ネットワーク協議会を開催。関係者19人が意見交換しながら、モデル事業について理解を深め合った。同防災担当の山内洋司主査は「初めてだけに要援護の希望が少なかったり、支援者が不足したりと課題は出てくるだろう。実践していく中で一つ一つ検証を重ねて試行するので皆さんも協力を」と呼び掛けていた。(長内 健)


◎縄文文化交流センターオープンへ 南茅部 高まる歓迎ムード

 道内唯一の国宝「中空土偶」を常設展示する「函館市縄文文化交流センター」(臼尻町)の10月1日オープンに向け、函館市南茅部町内会連絡協議会(熊谷儀一会長)は28日、周辺の沿道にのぼり旗を設置した。また、臼尻町の喫茶店「珈夢(かむ)」(同町149)は周辺地区の外食店などを載せたグルメマップを作成。開館を間近に控え、南茅部地区の歓迎ムードが高まっている。

 のぼり旗は同会の8町内会が費用を出し合い、7月に完成させた。旗には中空土偶が愛らしくデザインされており、赤やだいだい色など土器に塗る漆の色を取り入れてカラフルに仕上げた。

 設置作業は28日に同会の約20人が参加して行った。80本を南茅部公民館からセンターまでを結ぶバイパスなどに取り付けた。開館日から2週間ほど設置し、その後はイベントなどに使う予定という。

 同会の熊谷会長は「行政だけではなく、地域単位でも協力したいと思って作った。多くの方に町が盛り上がっていることを感じてほしいし、ドライブで通った方もこの旗を見て立ち寄ってくれたらうれしい」と話す。

 喫茶店珈夢が作成したグルメマップは、店主の小林元昭さん、博子さんの夫妻が3カ月かけて完成させた。同センター周辺の川汲町から豊崎町間にある外食店、土産店など10店舗を紹介している。

 店の外観は親しみやすさを込めて博子さんがイラストした。各店のお勧めメニュー、営業時間、定休日を載せているほか、センターから各店までの距離、車で移動した場合の所要時間を細かく案内している。

 マップはセンターに3000枚ほど置く予定。元昭さんは「各店の協力を得て作成した。南茅部地区は漁業が盛んで水産品が豊富。センターを訪れたついでに地元のいろいろな店にも足を運んでほしい」と呼び掛ける。(後藤 真)


◎北斗「知っている」4割…市観光協会が埼玉でアンケート

 【北斗】北斗市観光協会(佐々木正博会長)はこのほど、埼玉県さいたま市で北斗市の知名度や観光に関するアンケートを実施した。回答者198人のうち、39%が「北斗市を知っている」としたが、北海道新幹線の「新函館(仮称)駅」が北斗にできることを「知っている」とした人は15%にとどまった。同協会は「現時点での知名度不足は否めないが、新幹線開業に向けて今後も地道な活動が必要」としている。

 アンケートはさいたま市の百貨店「大宮タカシマヤ」で行われた北海道物産展に合わせて、16、17の両日に実施。年代別では70代以上27%、60代29%、50代17%と年配層が大半を占めた。

 北斗市の知名度が約4割となった結果について、市商工労働観光課は「合併して5年であることを考えれば、すごく高い数値」と評価。新駅所在地の認知度は低いが、「仮称ではあるが、駅名から所在地を判断できない」(同課)、「新幹線が北海道まで延伸することも知らない人が多かった」(同協会)とする。

 北海道観光をしたことがある人の約7割の交通手段は飛行機で、全体の約9割が開業後に新幹線を利用して北海道に来たいと回答。羽田空港経由より、JR大宮駅から乗り継ぎなしで移動できる利便性向上への期待が高い結果となった。

 一方、市内の主要観光地の認知度は、「トラピスト修道院」が6割超と圧倒的で、きじひき高原、戸切地陣屋跡地などは数%にとどまった。同課は「ある程度は予想された結果。年度内に策定する観光振興プランに知名度を向上させる戦略を盛り込み、開業前までに態勢を整える必要がある」としている。(今井正一)