2011年9月3日 (土) 掲載

◎改造電気自動車が完成 函館バス商会

 車両整備などの函館バス商会(函館市高盛町、寺坂伊佐夫社長)が開発を進めていた改造電気自動車が完成した。リチウムバッテリーを使用した電気のみで走るタイプで、道南では初登録となる。今後走行実験を重ね、将来的には「函館ハーフマラソンの先導車となり、環境意識を高めることに一役買いたい」(同社)とする。

 整備のための技術的なノウハウ蓄積や環境保護の観点から、1月に社内プロジェクトチームを発足し製作に着手した。機材調達などは、電気自動車の組み立て指導などを行うEVhonda(新潟県長岡市、本田昇社長)の協力を仰いだ。開発費用は約180万円。

 車体は三菱自動車の軽自動車「ミニキャブ」を使用し、エンジンやマフラー、燃料タンクなどを取り外し、代わりにモーターや蓄電池などを荷室に取り付けた。総重量は改造前より約20キロ軽い1340キロに。8月1日に車検登録した。モーター出力は6キロワット、最高時速は約70キロ。走行距離は現在20キロまでだが、今後の実験で70キロ程度まで伸ばせる見通し。2人乗りで、走行時の音はモーター音のみで静かだ。

 電気自動車は、本州方面では個人レベルでも活発に作られているが、道南では初。このため車検時に提出する書類が膨大となり、技術者でも初めて作成した内容が多かった。プロジェクトチームリーダーの吉崎訓さんは「本当に大変で行き詰りそうになったこともあったが、先に開発をしている整備会社などの助言でなんとかできた」と苦労を振り返る。

 車両は今後、試験走行と並行しPRにも積極的に投入していく。見学や、学校などでの出張展示も受け付ける。問い合わせは同社電話0138-53-9823。(小泉まや)



◎道新幹線生かす施策を

 【札幌】道地域づくり推進本部員会議が2日、道庁で開かれ、渡島総合振興局の永井正博局長と桧山振興局の山崎峰男局長が、高橋はるみ知事に対し政策提案を行った。渡島からは、道新幹線開業効果を最大限生かすための全道的な施策の推進など3本、桧山からは奥尻町の間伐材の船舶輸送にかかる経費負担軽減を盛り込んだ離島振興対策の充実など2本が提案された。

 同本部は2008年度に設置され、各振興局長からの政策提案を聞き、来年度の道の施策や予算に反映させる。年に1回、本庁で知事への提案と意見交換を行っている。

 永井局長は、開業効果の発揮に向けた道段階の実行計画の策定や、青森県と連携した食・観光連携事業推進について提案。また、駅舎での地域資源(木材など)活用を鉄道・運輸機構へ働き掛けることも挙げた。東日本大震災に対応した誘客対策の推進も要望した。

 高橋知事は「開業を見据え、道南地域の史跡などの歴史的資源を結び付けた周遊型観光プログラムを構築するなど、渡島、桧山が連携した取り組みの推進が重要」と述べた。

 山崎局長は、離島振興対策のほか、サクラマスの地域ブランド確立やニシン資源復活といった日本海側の栽培漁業推進も提案した。高橋知事は「間伐材のエネルギー源活用など、奥尻島内の利活用の仕組みづくりを行うのも一つの考え方」と述べた。また、震災復興の参考にするため、北海道南西沖地震を経験した奥尻町への視察が相次いでいることを受け「奥尻島津波館などとも連携することで、南西沖地震の被災経験を効果的に発信することができるのでは」と語った。(山崎大和)



◎合宿誘致へ環境整備推進 高谷市長が定例会見

 【北斗】北斗市の高谷寿峰市長は2日、市役所で記者会見を開いた。本年度から本格的に取り組むスポーツ合宿誘致の成果として、4〜8月に9団体計208人、延べ宿泊人数1035人となったことを示し、「クロスカントリーコースがあれば申し分ないとの意見をいただいた。今後、コースの整備を検討していきたい。意見を取り入れて、受け入れ環境を整えたい」と述べた。

 市は、総合運動公園の陸上競技場を全天候型のトラックに改修し、同公園を起点にハーフマラソンコースや、上磯ダム、きじひき高原までのランニングコースを設定。滞在型のスポーツ合宿誘致に本年度から本格的に取り組んだ。

 4月以降、実業団陸上4団体、大学、高校の陸上部2団体など、計9団体が滞在。今後、同公園内の体育館や隣接する屋内プールなど、陸上のみならず、さまざまな競技の誘致にも力を注ぐとした。

 また、北海道新幹線新函館駅(仮称)前の企業誘致について、「進出に興味を示す企業が増え始めているが、経済情勢などを含め、情報収集という段階」とし、レンタカー業者からの前向きな打診があり、用地面積などの協議を進めているとした。今後は「企業の意向動向の判断が必要。企業の希望によっては販売面積を柔軟するといった対応が必要。進出してもらうために優遇措置を含めた企業誘致条例を制定するなど、企業からの要望、意見を考慮していきたい」と述べた。

 さらに、野田新内閣の発足について「民主党政権は経験不足や思慮深さに欠ける面があったが、この先の2年は腰を据えて、内政、外交を進めてもらいたい」と述べた。 (今井正一)


◎24、25日に札幌で「にしん街道まつり」

 【札幌】日本海沿岸で隆盛を極めたニシン文化≠見直し、多彩な歴史遺産や食文化を沿岸市町村の活性化、広域観光の展開に結び付ける広域イベント「北海道・日本海にしん街道まつり」が24、25の両日、STVホール(中央区北1西8)で開かれる。

 松前、上ノ国、江差の3町観光協会でつくる北海道歴史倶楽部(会長・打越東亜夫江差観光コンベンション協会長)の主催。24日は午前11時半の開会式に続き、演歌歌手の山内恵介さんらが出演するSTVラジオの公開生放送を予定。午後1時には郷土芸能交流祭が開幕。江差追分、江差もちつきばやし、松前神楽、稚内海峡太鼓、留萌岩戸神楽を披露する。

 25日は午前10時半から、日本海沿岸の観光協会長らが一堂に会し「北海道・日本海観光連携宣言」を発表。石橋秀三北大観光学高等研究センター長の講演、井上健二道運輸局企画観光部長、高柳志朗道総研中央水産試験場資源管理部長、前田一男松前町長らによる記念フォーラムを開催。午後3時からは、留萌管内増毛町出身のフランス料理人・三国清三さん、江差町出身の民謡歌手・KAZUMIさんのトークショーも行う。

 同倶楽部は2003年から、ニシン文化の復興を目指す「にしんルネサンス」を活動の柱に据え、イベント開催や市町村交流に取り組んでいる。また、日本海沿岸を「にしん街道」と名付け、シンボルの標柱を設置。本年度は最北の稚内市に到達した。

 打越会長は「約700`の沿岸市町村が1本の街道で結ばれた。イベントは9年間に及ぶ活動の集大成だ。観光や食文化の発信に向けて沿岸市町村の連携を深めるきっかけになれば」とする。入場無料。整理券が必要。問い合わせは江差観光コンベンション協会電話0139-52-4815、STVラジオ電話011-272-8349へ。(松浦 純)


◎小さなセールスマン 青森PR

 修学旅行で函館を訪れている青森市立新城小学校(貝森毅彦校長)の6年生が2日、函館市内の西部地区などで青森市の観光資源や特産品などをPRする手作りのパンフレットを市民や観光客に配り、地元の魅力を売り込んだ。

 東北新幹線新青森駅開業を機に、4年後には新幹線でつながる函館で青森の魅力を発信しようと、同校が独自に企画。6年生の児童55人が12班に分かれ、1学期から青森市内各所で取材を重ねてまとめたA3判のPRパンフレット作成した。

 一行は1〜3日の2泊3日の旅程で函館を訪問。この日は自主研修の一環として函館朝市や旧函館区公会堂などを訪れる合間に赤レンガ倉庫群前などでパンフレットを配布。小雨の中、子どもたちは市民や観光客らに積極的に声を掛け、「ぜひ青森にも来てください」とセールスした。

 パンフレットは青森のねぶた祭りや温泉などをイラストや写真を交えて紹介。5班の班長の奥崎雅哉君(11)は「パンフレットには実際に現場に行って直接聞いた話がいっぱい。青森のことをよく知ってもらい、たくさんの人に来てほしい」と話していた。    (森健太郎)