2011年9月6日 (火) 掲載

◎ハマナスの実 赤々と…近所に住民が整備

 函館市戸井地区の住民有志が、この春に手入れしたハマナスの実が赤々と熟してきた。たくさんの果実が潮風に揺れ、「ミニトマトみたいでかわいい」などと子どもたちの笑顔を誘っている。

 このハマナスは、小安町のバイパス入り口付近に自生し、長い間、草木に埋もれていたという。地域の景観美と住民の交流をと5月に草刈り、ごみ拾いが行われ、近所の主婦20人ほどが活動に参加。「ハマナスの力強さ、美しさを象徴に住民の結び付きを深めたい」と願いを込め、この夏には見事な花が一帯を彩った。

 戸井西小2年の松井翔飛(とあ)君(7)はハマナスの実に興味津々の様子で「真っ赤な色で目立つからいつも見ていた。はじめて見た時はトマトかと思った」と声を弾ませていた。(田中陽介)



◎連結決算 25億円黒字…函館市

 函館市がまとめた2010年度の一般会計、特別会計決算によると、一般会計の実質収支は9億3446万円の黒字となった。企業会計と特別会計を合わせた全会計連結決算は25億6109万円の黒字で、2億9800万円の赤字だった09年度から回復。病院事業会計の累積赤字が大幅に圧縮されたことが主な要因となっている。

 市財政課によると、一般会計の歳入は地方交付税が当初見込みから約3億円、市税収入が約2億6000万円上回り、歳出面では庁舎の維持管理費やコピー代などの経常経費が減少。黒字幅は09年度を約1億円上回る。これにより、年度当初の段階で約10億円を予定していた退職手当債は借りずに済んだ。

 連結決算は25億円の黒字に転換。市立3病院が昨年度13億円の黒字を計上したことで、09年度に24億5600万円あった病院事業会計の累積赤字(公立病院特例債を除く)が11億4200万円まで圧縮。09年に策定した病院事業改革プランに基づき、患者の増加策に取り組んだことや材料費を中心としたコスト削減策が奏功した。

 一方、自転車競走事業は市営競輪収入の減少で累積赤字は5億7994万円に増加。国民健康保険事業は単年度黒字を計上し、累積赤字は1億2115万円に圧縮された。

 自治体の財政状況は財政健全化法に基づき、@普通会計の実質赤字比率A全会計の連結実質赤字比率B実質公債費比率C借金の将来負担比率—の4指標で示すことが義務付けられている。

 10年度は@、Aとも黒字を計上したため数値はなく、標準財政規模(市税と地方交付税)に対する借金返済の割合を示す実質公債費比率は8・2%と、09年度から0・8ポイントの改善。借金の将来負担比率も109・6%で、09年度比20・5ポイント減となった。

 市財政課は昨年度決算について「交付税の伸びが実質公債費比率の下げにつながっており、全国的な傾向」と分析する。ただ、本年度は人口減少や東日本大震災の影響などで、地方交付税額が昨年度から約18億円減少しており、職員給与のカットなど歳出削減策の早急な実施が課題となっている。(千葉卓陽)



◎生活保護率 わずかに減少…6月の函館市

 函館市の6月の生活保護率は45・1‰(パーミル=人口1000人当たりの被保護者数)となり、過去最多の前月より0・1‰減少した。保護者も人数、世帯数ともに若干減ったが、函館市福祉事務所は「一時的な現象で増加が落ち着いたとはいえない」とする。道南の町部では渡島が増加する一方、桧山は減少に転じた。

 函館市の保護率は不況などを背景にここ数年増加を続けており、前月は過去最多の45・2‰、保護世帯数も同9030世帯となっていた。6月の人数は前月比43人減、世帯数は同12世帯減となった。

 ただ、同福祉事務所は7月以降の傾向から「安定したとはいえない」との見方で、要因としては高齢者世帯の減少が前月比9件に上ったことを挙げる。保護の開始件数は昨年平均が93件、4、5月も90件を超えていたのに対し、6月は56件と大きく減少。6月だけみると増加ペースは若干落ちているようにもみられる。

 全道の市部での函館の位置は釧路(53・9‰)、三笠(45・4‰)に次ぐ3番目で、前月より1つ下がった。保護者の人数は札幌(6万7867人)、旭川(1万3410人)に次ぐ3番目の規模で、率と人数ともに上位を占めている。

 道南町部の保護率は、桧山管内が前年同月比0・6%増だったものの、前月比では0・1%減少。7町のうち今金と奥尻、せたな、江差の4町が前月を下回った。渡島管内は前年同月比0・8%増、前月比では0・1%増。長万部や松前、七飯での増加が目立つ。(小泉まや)


◎道南の水稲 順調…1日現在の農作物生育状況

 渡島総合振興局と桧山振興局は5日、管内の農作物生育状況(1日現在)を発表した。8月下旬は気温が平年より高く、日照時間も多かったため、渡島は各作物とも生育は順調、桧山は露地ジャガイモとビートで遅れが見られるものの、豆類は平年並みまで持ち直した。水稲は両管内とも順調で、収穫開始は平年よりやや早まり、渡島で20日前後、桧山で15日すぎになりそうだ。

 水稲は、渡島で平年より5日早い。収量を左右する穂数はやや少ない。平年の収穫始めは24日。桧山は4日早く、穂数は13・1本多い。平年の収穫始めは21日。道農政事務所が先に公表した水稲の8月15日現在の作柄は、渡島、桧山とも「平年並み」となっている。

 ジャガイモは、渡島で8月中旬の降雨により収穫作業は5日遅れ。進ちょく率は47%。桧山の露地は前回調査(8月15日現在)より4日遅くなり14日遅れ。降雨により茎が枯れるペースが鈍った。平年の収穫始めは9月1日だが、ことしは2週間程度遅れそうだ。桧山のマルチ栽培はほぼ収穫が終わったが、小玉傾向で規格外品が多い。

 ビートは渡島で4日早く、根部の肥大は順調。桧山で前回と変わらず9日遅れ。

 牧草(2番草)の収穫作業は、渡島で順調に進み、桧山で5日遅れ。今月下旬に収穫が始まる家畜飼料用トウモロコシは、渡島で2日早く、桧山で3日遅れ。

 このほか、渡島のリンゴは3日早く、果実肥大は順調。平年の収穫始めは24日だが、やや早まりそう。桧山の大豆、小豆とも平年並みまで回復した。

 渡島総合振興局は「水稲は品質低下を招かぬよう刈り遅れに注意してほしい」(農務課)としている。(山崎大和)


◎哀愁の音色 800人魅了…明大マンドリン倶楽部

 明治大学マンドリン倶楽部(大谷亮太主将)の函館演奏会が5日、函館市芸術ホール(五稜郭町)で開かれた。歌謡曲や海外民謡など多彩な曲をプログラムに団員35人が哀愁ある音色を奏で、来場者約800人を魅了した。

 同演奏会は、同倶楽部の夏の演奏旅行に合わせて同大学校友会函館支部(中野亮支部長)が毎年主催している。函館を中心に道南では30年以上開かれていて、今年は8月22日の岐阜県大垣市を皮切りに全10公演の予定。函館公演後は室蘭、小樽へ向かう。

 今回の演奏会は同大校歌で幕開け。「古典音楽」をテーマにした第1部は、バレエ組曲「白鳥の湖」から「ハンガリーの踊り」や「情景」などを演奏、つややかなハーモニーを響かせた。

 第2部「日本を彩る名曲たち」では、同倶楽部の創設者、故・古賀政男さん作曲「影を慕いて」「丘を越えて」のほか、「上を向いて歩こう」をなどおなじみのナンバーを披露。クラシックギターのやフルートなど管楽器のソロを織り交ぜ華やかさや繊細さも演出。1曲ごとに会場から盛んな拍手や手拍子が送られ盛り上がりを見せていた。(長内 健)