2011年9月7日 (水) 掲載

◎乃木神社 鳥居新しく 来年、御祭神百年記念

 函館市乃木町5の乃木神社函館分社(松崎睦彦代表)の鳥居改修工事が終了し、6日、竣工祭が行われた。関係者ら約30人が出席し、除幕式や渡り初めなどを行い、鳥居完成を祝った。

 乃木神社は、明治時代に活躍した軍人であり、優れた詩人として知られた乃木希典と妻静子を祭り、国内に複数ある。

 乃木神社函館分社は、1916年に独立の函館乃木神社として創建。1964年に東京の乃木神社に寄進され、函館分社となった。改修工事は、昨年からこま犬、鳥居と着工し、2012年6月に迎える、御祭神百年記念の事業の一環として実施。「伝えよう日本の心」を合言葉に、御祭神の御光を照り輝かす意を込め、行った。

 竣功祭では、高さ約6bの鳥居を前に除幕式、渡り初めなどが行われた。その後、参加者は室内で、お神酒をささげ、鳥居完成を祝った。

 40年以上参拝を続けているという高田朝代さんは「神社がきれいになり、うれしい気持ちと元気をもらえる。今後も参拝を続けたい」と話し、同分社の松崎代表は「一日数十人の参拝客がいるが、より多くの人に参拝してもらいたい」と語っていた。  今後も、来年の奉祝記念大祭に向け、境内の改修を続けていく。(平尾美陽子)



◎秋サケ漁 あす解禁 来遊予測は少なめ…

 渡島管内で8日、秋到来を告げる秋サケ定置網漁が始まる。ことしの解禁日は今月1日だったが、自主休漁、自主規制措置を経てのシーズン入り。道総研さけます・内水面水産試験場(恵庭市)の来遊予測によると、渡島を含むえりも以西噴火湾が98万匹(2010年比11%減)、えりも以西道南が112万匹(同31%増)で、いずれも漁獲量は平年を下回る可能性がある。10年の不漁が頭をよぎり、漁業関係者には不安も漂っている。

 渡島海区漁業調整委員会によると、渡島定置漁業協会(堺兼巳会長)が同1〜3日は資源管理に取り組む漁業者を対象にした「資源管理・漁業所得補償対策」に対応し自主休漁を決定。続いて、渡島秋さけ資源対策連絡協議会が同4〜7日について親魚確保のため自主規制措置を取った。10年も同1〜7日、09年も同1〜10日に自主規制措置を取っていた。操業期間は長万部漁協から松前さくら漁協まで漁協ごとに異なるが、12月9〜20日の間に終わる。

 10年の全道の秋サケ来遊実績は3975万匹で、最近10年間では08年の3872万匹に次いで2番目に少なかった。えりも以西噴火湾は110万7000匹で、最近10年では平均的。えりも以西道南は86万1000匹で、最近10年間では3番目に少なかった。猛暑による高水温などの影響で、えりも以西は不漁に終わった。

 11年の来遊予測では、全道は4100万匹(同3%増)と少なめ。予測通りだと最近10年では3番目の少なさとなる見通し。えりも以西噴火湾は98万匹、えりも以西道南は112万匹と予想。噴火湾は平年並みだった10年より落ち込み、道南は不漁だった10年より上向くが、ともに平年を下回る厳しい水準にとどまる可能性がある。

 同委員会は「予測は芳しくないが、不漁に終わった昨年の分も、ことしは捕れてほしい」と期待を込める。

 桧山海区漁業調整委員会によると、桧山管内の解禁日は今月3日だったが、6日現在、台風12号の影響で定置網の設置が完了せず漁は始まっていない。桧山を含む日本海南部の来遊予測は80万6000匹(同48%増)を見込む。(山崎大和)



◎行財政再建へ課題探る 市推進会議が初会合

 函館市の行財政改革に向け、外部委員が具体的な取り組みを検討して市長に提言する「市財政再建推進会議」の初会合が6日、市役所で開かれた。委員長には乳井英雄函館短大教授を互選。初日は工藤寿樹市長を交えて厳しい財政状況を踏まえた行革の課題を洗い出し、今後の方向性を探った。

 工藤市長の選挙政策の一つで、赤字債や基金の取り崩しに頼らない財政運営に向けた計画の策定が狙い。学識経験者や企業経営者、公募市民ら8人の委員で構成し、今年2〜6月に開かれた行財政懇話会でまとまった「目標を明確に」「歳出の削減」などの6つの提言を具体化していく。

 工藤市長は人口減少や景気低迷などで厳しさを増す市の財政事情に触れ「縮小均衡だけではまちの将来が見えない。ある程度の積極投資と両立させたい」とあいさつし、「今後は庁内にも行革推進本部のような組織をつくり、内と外からの目で将来耐え得る行財政を構築したい」と述べた。

 市長との意見交換では、委員から「コンパクトシティー化がコスト削減につながる」「生活保護費の割合が高い」などの意見が出された。市側は近年の一般会計の収支が実質赤字に陥っていることを報告。職員削減では減少傾向にあるものの、同規模の他都市と比べると依然として多く、退職者に代わる新規採用を抑制したため、30歳以下の職員が極端に少ない現状を説明した。

 同会議は年度内に計6回の会合を開き、9月から始まった「事業仕分け」の結果も踏まえて提言書にまとめ、来年2月に市長に提出する予定。(森健太郎)


◎ユートピア大沼 廃止の方針 「赤字続き維持困難」

 【七飯】七飯町議会第3回定例会が6日開会し、会期を22日までの17日間とすることを決め、一般質問を行った。中宮安一町長は、町が管理、運営する温泉施設「青少年センターユートピア大沼」(町東大沼28)を閉館させる方針を示した。入館者の減少で赤字額が膨らんだためで、町は今後、住民説明会を開催し、町民に施設廃止への理解を求めるとしている。

 木下敏氏の質問に答えた。同施設は1969年、青少年センターを兼ねた国民宿舎として開業。97年からは研修施設のほか、デイサービス施設(2008年廃止)としても利用されてきた。

 その後は日帰り温泉施設となり、町民らに親しまれてきた。入館者は02年に1万7625人と最高を記録したが、年々減少し10年は1万2334人までに落ち込んでいた。ここ数年は年間1500万円程度の赤字が続き、一般財源から穴埋めする状態となっている。

 同施設は東大沼多目的グラウンド「トルナーレ」に隣接。鉄筋コンクリート造り地上2階、地下1階で延べ床面積は2000平方メートル、敷地は1万240平方メートル。町では建物を解体する方針で、敷地の後利用については未定。

 木下氏が同施設の運営状況についてただしたのに対し、町側は「毎年赤字が続いており、維持は困難」とした。また、中宮町長は今後の温泉の利用法などについて「調査のための予算も検討したい。東大沼地域の活性化につなげるることが大事。地域住民や町内のスポーツ関係者を含めて議論の場を設けたい」と述べた。(松宮一郎)


◎熊石高 2014年度募集停止 函館稜北高は1学級減

 道教育委員会は6日、20012—14年度)の3カ年にわたる公立高校配置計画を決定し、同日開いた道議会文教常任委員会に報告した。注目を集めていた熊石高校の募集停止や稜北高校の1学級減は、6月に出された案の通り確定。本年度の入試結果で1学級減となった松前高校と森高校は、2012年度は地域の中卒者数などを勘案すると従来の学級数を見込めるため募集学級数を戻す。

 道教委の発表資料によると、2014年度の道内の中学卒業者見込み数は47460人で、12年度から3年間で1318人減少する見通し。渡島管内でも131人減、桧山管内でも11人減と、減少傾向が続くと予想され、06年度に策定した「新たな高校教育に関する指針」に基づき、高校数や学級数の調整を進め、地域別検討協議会などで意見交換を行ってきた。

 熊石高校は現在1学年1学級で、2011年度の入学者は11人。今後も同地域で中卒者の増加は見込めないとして、2014年募集停止の対象となった。一方、函館市内での中卒者数も減少が続いていることから、函館市内の高校でも再編が必要であるとし、2014年に函館稜北高を1学級数減らすことを確定。道教委は「函館市の生徒急増期に建てられた学校であり、立地的条件も考えたうえで決まった」としている。

 また、公立特別支援学校の12年度配置計画も決定。道南では七飯養護学校の普通科(重度)が1学級増、函館養護学校の普通科(重複)が1学級減となった。(堀内法子)