2012年10月13日 (土) 掲載

◎函館空港に米戦闘機が緊急着陸

 12日午前11時すぎ、訓練飛行していた在日米軍のF16戦闘機2機が函館空港に緊急着陸した。この影響で滑走路が6分間閉鎖され、旅客機2機の到着に5〜10分の遅れがでた。けが人などはない。

 東北防衛局三沢防衛事務所などによると、緊急着陸したのは、青森県三沢市の米軍三沢基地の三沢第35戦闘航空団に所属するF16戦闘機2機。このうち1機のパイロットが日本海側の本道付近を飛行中に、コックピット内にある機体の不具合を知らせる警告灯の点灯を確認、同戦闘機の安全手順に従って緊急着陸を要請した。

 函館空港には同11時6分、札幌航空交通管制部から緊急着陸要請の連絡が入った。

 この1機は飛行制御のシステムに問題が発生したが、パイロットはバックアップシステムを使って、同14分、函館空港に着陸。3分後にはエスコート機も支援のため同空港に着陸した。2機は空港内の駐機場で待機している。

 米軍三沢基地は整備員十数人を函館空港に派遣した。13日以降に、機体の点検・整備を行い、同システムの正常な作動を確認した後、同基地へ戻る予定という。

 付近に住む60代の女性らは「以前も見たことはあるが、近くに戦闘機があるのはとても不安」と話していた。



◎藤島さんが函館山の花の本出版

 函館山愛好家でライターの藤島斉さん(大阪在住)がフォトエッセイ「花しるべ 寝ても覚めても函館山」を出版し好評だ。春—初夏編と夏—秋編の2冊があり、藤島さんは「これを見て実際に歩いてみてほしい。函館山の花を楽しむきっかけになれば」と話している。

 同書は今年2月と8月に発行され、春—初夏編は111種、夏—秋編は130種の花を紹介。本州の標高2000メートルの山で見られる淡い紫色が特徴の「白根葵」をはじめ、温暖な気候の函館山で咲く色とりどりの花の魅力を伝えている。

 5年前に函館を訪れた時、朝の散歩で登ったのを機に徐々に道端に咲く花や植物に引き込まれたという藤島さん。「図鑑でしか見たことがなかった花が登山道に咲いていた。驚いた」と振り返る。

 出身地の埼玉県では自然保護活動に携わっていたことも。今年は函館山を散策する講座「函館山の歴史をめぐる」の講師を務めており、山への思いも熱い。「函館山の魅力を再発見してほしい」と出版し、3年ほど前から撮りためた作品を2冊に掲載した。

 函館山の花に関する本は1981年に発行された「函館山の植物」(大野林二郎著)以来という。同山には約650種類の植物があるとされている。藤島さんは「いつか春夏秋冬の花を紹介する番外編を出したい」と話している。

 1冊750円(全60ページ)。函館市地域交流まちづくりセンター、五稜郭タワーなどで販売されている。(平尾美陽子)



◎「くらし安心110番」利用好調 半年で相談1700件

 函館市が本年度、市民相談に関するワンストップ窓口として開設した「くらし安心110番」の利用が好調に推移している。上半期(4〜9月)の利用実績は1774件と、東日本大震災前の2010年度の一般相談から約3割増加。市の関係部局との調整を経て解決した案件が102件あり、市くらし安心課は「想定していた以上に市民に定着している」とみている。

 くらし安心110番は、市民から相談が寄せられた際に担当部局を紹介するまでの“たらい回し”を未然に防ぐことが狙い。複数の部局にまたがる相談内容に際しては、これまで担当部署につなぐまで時間がかかるケースがあったが、同課があらかじめ内部調整、確認することでたらい回しを防ぐ。

 同課によると、利用は開設直後の4月で300件、5月310件、6月313件と推移。7〜9月も260〜300件と一定の利用がある。

 昨年度は東日本大震災関連だけで「年間1000件以上の相談があった」(同課)ため単純比較はできないが、震災前の10年度同期比で401件増えたほか、09年度同期比からは604件増加している。

 他の部局と調整して処理し、相談者に結果報告したのが102件。土木部関連が26件と最多で、道路・マンホールの損傷や街路樹に関する内容が目立つ。中には今夏の節電要請に伴い「街路灯の点灯時間を短縮しては」といった提言もあった。都市建設部関連も23件と多く、主なものでは市営住宅での住人トラブル、老朽化した空き家に関する相談などを扱った。

 同課は「これまで以上に迅速に対応するケースが増え、職員の意識の高まりを実感している。各部局の業務や連絡先の周知不足という課題も見えたが、相談をいったん受け止めることで動きは早くなる」と話し、利用を呼び掛けている。

 専門スタッフ4人体制で相談に応じており、受け付けは平日午前8時45分〜午後5時半。電話0138・21・3110。(千葉卓陽)


◎函高専50周年記念式典、1100人が節目祝う

 函館工業高等専門学校(高専、岩熊敏夫校長)の創立50周年記念式典が12日、市民会館大ホールで開かれた。約1100人が節目を祝い、新たな50年に向け教育や地域貢献を一層充実させることを誓った。

 岩熊校長は式辞で「これまで進めてきた特色ある取り組みを継承し発展させながら、新たな50年の歴史に踏み出す。地域と世界を結ぶ架け橋の役割を果たす」と決意を表明。来賓の工藤寿樹市長は「海洋発電の分野で本市は高いポテンシャルを有しており、高専の技術に期待したい」と祝辞を述べた。

 功労者表彰では、伊藤英治さん(4代校長)、延與三知夫さん(5代校長)、東市郎さん(6代校長)、長谷川淳さん(7代校長)、故熊谷愼一さん(元育成会会長)に感謝状と記念品を贈った。

 最後は声高らかに校歌を斉唱し、学びやへの思いを共有した。

 同高専は「実践的技術者の育成」を目指し設立された国立高専の1期校(全国12校)。技術の高度化や国際化に対応し、来年度から全国国立高専51校に先駆けて現行5学科を3学科に再編する。(山崎大和)


◎江差沖で竜巻発生

 【江差】日本海にある低気圧の接近に伴い、11日午後4時半ごろ、江差町の沖合で竜巻が複数発生した。江差海上保安署や江差署などによると被害は確認されていない。

 同保安署によると、竜巻は江差かもめ島の沖合約2`に計3本出現。発生直後、乙部側の1本が陸へ向かったが、到達する前に消えた。

 函館海洋気象台によると、当時、寒冷前線の接近で、大気の状態が不安定となり、竜巻の起きやすい状況だったという。12日午後にも、上空に強い寒気が入る見込みで、注意を呼び掛けている。

 竜巻の発生当時、ハートランドフェリーの江差発奥尻行きの便が近くを航行中だったが、乗員乗客49人にけがはなかった。

 江差町では2008年10月11日に、住宅など約30件の破損被害があった竜巻が起きている。町の防災担当の大坂敏文課長(51)は「あす12日の防災訓練の打ち合わせ時の竜巻発生で驚いた。4年前と同じ日に竜巻が起きた奇遇を、地域住民の防災意識強化につなげたい」としている。(田中陽介)