2012年10月14日 (日) 掲載

◎よみがえる青春の思い出 函高専で卒業生招き交流

 函館工業高等専門学校(高専、岩熊敏夫校長)は13日、卒業生を同校に招いて在校生や教職員と交流する「ホームカミングデー」を行った。多くの卒業生が懐かしい空気を満喫し、青春時代にタイムスリップした。同校出身の女性2人組バンド「ザ・レター」のライブでも盛り上がった。

 創立50周年記念事業の一環で、13、14両日開催する第50回高専祭に合わせて企画した。

 図書館前ロビーには、50年の歩みを紹介する資料約200点を展示。開校当時の仮校舎(千代ヶ岱・中央中元校舎)での第1回入学式など貴重な写真パネルが並んだ。卒業アルバムも見て思い出に浸った。千葉県白井市在住の無職、杉山秀樹さん(67)=土木工学科1期生=は「1964(昭和39)年の東京オリンピックで、新川町から市役所まで約2`を聖火ランナーとして走ったのが思い出」と話していた。現役学生が教室や実験室などを案内するツアーも好評だった。

 ザ・レターは函館出身で、物質工学科で学んだ伊藤千恵さんと松谷美沙さん。担任だった小原寿幸教授も見守る中、感動のステージを披露した。(山崎大和)



◎学生手作り料理 市民ら堪能 函短大付設調理製菓専門学校で学校祭

 函館短大付設調理製菓専門学校(下野茂校長、学生105人)で13日、恒例の学校祭「味まつり」が開かれた。一般開放された校内に学生らが手掛けた料理やケーキが格安で並び、約600人の来場者が食欲の秋を堪能した。

 学校祭は今年で24回目で、午前10時の開始前から約120人の列をつくる盛況ぶり。学生らが3日ほど前から仕込んだ料理やケーキ、パンなどが展示販売され、子ども向けの菓子づくり教室や茶室なども開かれた。

 目玉はタルトやモンブランなど16種類をそろえた生ケーキで、一人で10個以上まとめ買いする人も。ロールケーキ(700円)や150円前後のパンも人気で、開始から1時間足らずで売り切れる品もあり、長い列ができていた。

 娘と来場した近くに住む桜井文江さん(58)は「どれもおいしくて、安くて、上手で、毎年楽しみにしている。ケーキは彩りが豊かで、プロと見間違うほどの出来栄え」と称賛していた。(森健太郎)



◎リスナーとのエピソード語る 元NHKアナウンサーの宇田川さん講演

 函館のコミュニティー放送局「FMいるか」の開局20周年を記念した講演会(同放送局主催、函館新聞社など後援)が13日、カフェ・ペルラで開かれた。元NHKアナウンサーの宇田川清江さんが講師を務め、市民ら約200人を前にリスナーとの温かなエピソードを紹介した。

 1957年に入局した宇田川さんは、90年放送開始の「ラジオ深夜便」で20年間、アンカーを担当するなど活躍した。

 宇田川さんは最初に、ラジオの仕事について、「どこで誰が、どんな形で聞いてくれるか分からないが、相手は常に1人」と説明。「自分の本音をさらけ出すとリスナーの反応も大きくなる。それは、池に石を投げて波紋が広がる事象に似ている」と語った。マイクに向かう時は、不特定多数の聞き手を意識し、普遍性のある話題を選んでいたとも述べた。

 忘れられないエピソードとして、がんを患いながらも戦争体験を本にまとめた女性の手紙を取り上げ、「病気に負けない人間のエネルギーは素晴らしい。ラジオは健康な人だけのものでないという事実も発見だった」と話した。また、言葉の選択をめぐり、何度も意見を交わしたリスナーの正体を「後でNHKのお偉いさんだったと分かった」とも明かし、会場の笑いを誘っていた。(長内 健)


◎マグロ解体に歓声 テーオーデパートで50周年イベント

 函館市梁川町のテーオーデパートで13日から、開店50周年を記念したイベントが始まった。初日はマグロの解体ショーがあり、目の前で豪快にさばかれた後、切り身やマグロ丼で格安で提供され、大勢の買い物客でにぎわった。

 同デパートは1962(昭和37)年10月13日に開店し、6階建ての売り場は約1万200平方b。ファッションやインテリアをはじめ、食料品、ブランド品、書店、100円ショップなども備える。

 この日は1階広場に青森県産のクロマグロ1本(約60`)がお目見え。市内のマグロ専門会社のま印水産(弁天町)の中村修さん(51)が大きな包丁で切りさばき、脂がのった大トロを見せると、見物客から歓声と拍手がわいた。

 マグロは解体直後に中トロが1500円、赤身が1000円でサク切りで並び、マグロ丼(300円)も100食限定で振る舞われた。5階屋上ではステージショーや野菜の販売もあり、家族連れらで終日盛況だった。

 同店は「50周年を迎えられたは地域の皆さまのおかげ。大勢の方に喜んでもらえれば」と話している。大誕生祭は15日まで。14日も函館観光大使の暁月めぐみさんの歌謡ステージなどがある。 (森健太郎)


◎4候補、最後の訴え 森町長選、きょう投開票

 【森】任期満了に伴う森町長選は14日、投開票が行われる。現職の佐藤克男氏(62)、元道議の河野光彦氏(71)、前副町長の増田裕司氏(59)、元砂原町長の梶谷恵造氏(56)=いずれも無所属、届け出順=の4候補は選挙戦最終日の13日も町内を回り、支持を呼び掛けた。

 最大の争点は、佐藤町政への審判だ。4年間で行財政改革を進めた実績をアピールする佐藤氏に対し、新人3候補は、2度の問責決議可決や3年連続の決算不認定など、議会と対立してきたことを批判。調和を重視した行政運営の必要性などを訴えてきた。

 4人の候補は13日も町内を遊説。佐藤氏は「前回とは良い意味で異なり、多くの支援者に恵まれた」、河野氏は「終盤になるにつれ、盛り上がってきた」、増田氏は「気を引き締めて、投開票日を迎えたい」、梶谷氏は「手応えは十分。反応もよかった」とそれぞれに選挙戦を締めくくった。

 町選管によると、13日までに期日前投票を済ませた人は、2261人となっている。

 投票は、14日午前7時から町内26カ所で行われ、午後9時に町公民館で開票開始。同10時半ごろには大勢が判明する見通し。8日現在の選挙人名簿登録者数は1万4774人(男性6900人、女性7874人)。(森裕次郎)