2012年10月19日 (金) 掲載

◎橋桁の高さ不足…新幹線工事で設計ミス

 【北斗】鉄道建設・運輸施設整備支援機構が北斗市開発で進めている北海道新幹線の橋りょう工事で、橋げたの高さが不足していることが18日、分かった。設計ミスが原因で、同機構では交差する道道を掘り下げる工事で対応する。2015年度の開業に影響は出ないという。

 工事ミスがあったのは、北斗市開発の道道大野大中山線をまたぐ開発架道橋。8月に行った現地測量で道路から橋げたまでの高さが不足していことが発覚した。橋げたの高さは、道路構造令で4b70以上と定められているが、実際は4b135しかなく、56a不足していた。

 同機構によると、道路を管理する道が2007年に補修工事を行った際、道路面が約60a上昇したが、設計段階で上昇分を反映させなかったことが原因という。

 高架橋を取り壊して付け替えた場合、工事期間が大幅に延びるため、同機構は2015年度の開業に影響が出ると判断。道と協議して道路を掘り下げる工事を選択した。来年春に道路を掘り下げる工事を行う。同機構によると、他の高架橋の橋げたの高さは全て問題ないことを確認している。

 現在、問題の地点では、トラックを含む一般車両の通行に支障はないという。19日夜に付近住民を対象にした説明会を開き、住民に今後の方針を説明し、工事への理解を求める。

 同機構北海道新幹線建設局は「今回のミスは重く受け止めている。地域の方に迷惑をかけることになり、大変申し訳ない」と陳謝している。(松宮一郎)



◎色づく紅葉 夜に浮かぶ…香雪園で試験点灯

 道内唯一の国指定文化財名勝庭園である香雪園(函館市見晴町、見晴公園)で20日から紅葉のライトアップが始まるのを前に、18日に照明の試験点灯が行われた。樹木はまだ青みが目立つが、秋の夜に幻想的な空間が浮かび上がった。

 ライトアップは2008年に試験的に企画し、翌年から市や市住宅都市施設公社が本格実施。今年は照明を昨年より4基多い28基用意し、人気の散策路「カエデ並木」や園亭、温室などを地上から照らし出す。

 この日は日没後に市ブランド推進課や同公社の職員、電気業者ら約20人が光の加減を確認。樹木の枝葉や園亭を立体的に浮かび上がらせるため、照明の向きなどを調整した。

 11月11日までの点灯期間中、「はこだてMOMI—G(もみじ)フェスタ」と銘打ち、日替わりでミニライブを開催。今年は要望の多かった園亭での茶席を11月3、4の両日午後1時半〜3時まで初めて企画し、各日先着100人に300円でお茶を振る舞う。

 同園などによると、昨年は期間中に過去最多の3万4490人が来園した。管理員の五日市昌子さんは「道内でも紅葉のライトアップは珍しく、季節や時間によって異なる表情を楽しんでほしい」と話す。紅葉のピークは11月上旬の見通し。(森健太郎)



◎函教大「マルチメディア国際語学センター」開所

 道教育大函館校(八幡町1)は18日、在学生の語学教育を支援する「マルチメディア国際語学センター」の開所式を行った。関係者ら約50人が出席し、センター開所を祝った。

 グローバルに活躍できる人材の育成などを目的に、総事業費2億円で技術実習棟に整備した。留学生と気軽に交流できる多目的室と語学実習室など569平方bの規模。

 パソコンのほか外国語教材や関連書物など千点以上を配置し、学生らが自由に出入りできるよう常時開放。教員や学生スタッフが常駐して、留学や語学学習に関する相談、情報を提供する。

 また、発音を録音してチェックするICTシステムを活用し、協定校のオーストラリアの大学とインターネット授業や共同研究を進める。公立はこだて未来大学とも留学生教育の共同授業などに取り組む。現在は、実践的な外国語コミュニケーション能力を身につけるためのカリキュラムの改定を進めている。

 本間謙二学長は「3年後には新幹線が通り、首都圏との結び付きが強くなる。海外からの観光客も訪れるなど、外国語能力が求められる。国際感覚を持つ学生を育て、地域全体のグローバル化に貢献したい」と話した。

 同校は2014年に教育学部から国際地域創造学部(仮称)に改編される予定で、施設はその中心的な役割を担う。(平尾美陽子)


◎サツマイモ丸々…道南農試で収穫開始

 【北斗】道総研道南農試(北斗市本町)の試験圃場(ほじょう)で、サツマイモ「ベニアズマ」と「コガネセンガン」の収穫が始まった。栽培法開発に向けた研究で、初年度の収量は上々。丸々としたサツマイモが土から次々と顔を出している。

 道内での栽培定着を図ることが目的で、主力2品種を20eで栽培。収穫は17日から始まり、自走式の専用収穫機を使い、職員らが丁寧に芋を掘り出している。作業は来週前半に終了予定。

 高濱雅幹(まさよし)研究主任によると、収量は10アール当たり2・5〜3トンと、本州での平年の標準収量(2・5トン)以上が見込まれる。本州産より劣るといわれる芋のホクホク感も期待できるという。今年はサツマイモ栽培に向く高温が続いたため、来年度以降、平年の気温でも栽培がうまくいくか確かめる。

 サツマイモ栽培の研究は道内でも珍しく、3カ年計画で栽培技術や芋の貯蔵法について開発する。(山崎大和)